ボス
ムーンは地下への入り口を探していた。
「うーん…。このパネルかな?」
ピッ…ブブッ
「やっぱ、触るだけじゃ反応しないか…。」
タッチパネルを触ってみても、無効になってしまった。
そこでムーンは思い付いた。
「あっ、そうだ!」
ムーンは威力をそのままに、魔力を限界まで収縮させて更にそこへ魔力を注ぎ込み大爆発させた。
――アーケイン・インプロージョン!!――
ズン ――ズッドーーン!!!
「よし! 穴空いた!!」
ムーンは下まで空いた穴に飛び込んだ。
「結構、深いなー。まだ落ち続けてる。」
段々と落ちるスピードが速くなっていく中、ムーンは空気中の魔素に大量の魔力を流し続け、重くしていっていた。
――スタッ
「やっと着いたー!」
思い切り体を伸ばすと「やりますか。」と、一言言って前に進んでいった。
「さっきの爆発音はお前だったか…。」
低い声がこの地下の空間に響き渡った。
「もうすぐでこの世から消えるって時に、よくふんぞり返っていられるね。」
「ふっ…。寿命は全うするさ。」
「まぁいいや。大人しくしてれば、痛みは無いよ。」
そう言うと、ムーンは一歩踏み込み、一瞬で男の目の前まで詰め、そのまま顎を目掛けて今にも爆発しそうな程の密度の魔力膜を纏った拳を振るった。
――バキュンッ!!
「痛いねぇ。お陰で腕が吹き飛んでしまったじゃないか。」
「君が腕でガードしてたからだよ。」
そう言いながら、男の前を飛んでたコウモリを捕まえ、そのまま喰らい始めた。
「吾輩はねぇ。活きの良い動物が好きなんだよ。そして、この通り――。」
――バキッ!!
コウモリを喰らい終わると、男の腕は瞬く間に再生した。
「吾輩は、ヴァンパイアだからね。君が与えてきた傷も簡単に治るさ。」
「あっそ。」
今度は両手に魔力膜を纏いながら連打し、最後に魔力膜を爆発させながら、ヴァンパイアの男を吹き飛ばした。
――トバーン!!
「くっ…。」
「それも簡単に治るのかな?」
「生意気な口だな…。」
ヴァンパイアの男は血を吐きながら、立ち上がった。体には無数の穴が空き、両腕は無かった。
「うるさいわ!」
そう言いながら、自身から流れている血液を凝固させ、刃物のようにムーンに飛ばしてきた。
しかし、ムーンはそれを魔力操作で液化した。
「今すぐ、その苦しみから解放してあげるよ。」
ムーンは今までに無いくらい、冷酷な声色でそう言った。
するとムーンは 右手に周囲の魔素を集中させ、そこに自分の魔力を大量に流し込み、魔力玉を作った。
そして、それを頭上から落とし込んだ。
――ズーン!!
その威力は壮絶で、アールドが囚われていた地上の建物も粉々に破壊され、辺りにはぽっかりと大きな穴が空いた。
「はー!すっきりしたー!!」
空を見上げると明け方で、少しずつ明るくなっていた。
「早く帰らないと…。」
――シュパン!
ムーンは高速で空へ飛んで、アールドを寝かせている森へと帰った。




