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私、飼い猫のムーンと申しますが、転生したら野良の魔じん族になりました。  作者: むーん
全てのはじまり編

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武闘大会準決勝!!

 ――三回戦目


「先程の試合はお楽しみ頂けたでしょうか?それでは参ります!三回戦目の選手は先程の試合でも大活躍だったムーンと当大会の常連のボルゴ!!」


 ボルゴは武闘大会では優勝はしないものの、常連の出場者で毎回準決勝まで残る選手だ。そして、名前も観客たちには知れていて、ボルゴ目当てに観戦にくる客も少なくない。


 ゾワッ…


「それでは、今回の好カード同士の3回戦目です!これに勝った方が準決勝出場です!レディー、ファイッ!!」


 ――ドババババッ!


 試合開始の合図と同時に二人とも目に見えないほどの速さで攻撃を仕掛けていた。

 そして、お互いがお互いの攻撃を躱したり、受け流したりと、攻防が続いた。


「おりゃりゃりゃ!」


 ――ストパーンッ!!


 そして、先に攻撃を当てる事ができたのはムーンの方で、その攻撃は致命打となるものだった。


「ぐはっ…。」


 だが、さすがは武闘大会の準決勝常連。よろけはしたが、倒れる事は無かった。


「ただのお嬢ちゃんだとなめていたが…なかなかの攻撃だ。すまないが、本気を出させてもらうぜ。」


「いいよー!さぁこーい!」


 ムーンは攻撃を受ける気満々でかまえた。


「いくぜ…。おらーー!」


 ボルゴはムーンの顔面に気を込めた拳をぶつけた。


「…。」


「なんだと…!」


 ムーンは拳を受けても、ビクともせず、鼻血一滴も出すことはなく、そのまま反撃をした。


 ――<魔力砲(バレッド)!!>


「…。勝者はムーン!!ボルゴの準決勝進出を阻止したー!」


 ムーンは盛大な拍手に包まれながら退場した。


「やったー!」


 ――試合後


「ムーンちゃん、おめでとう!」


「アールドはどうだった?」


「俺も準決勝に出ることになったよ!」


 アールドはやる気に満ちた様子でムーンに報告した。


「やったね!」


 ――約一時間後


「結構待ったけど、そろそろ準決勝行ってくるよ。」


「行ってらっしゃい!私もアールドの試合が終わったら準決勝だよ!」


 そしてアールドは入場口へと向かった。


 ――準決勝第一


「それでは、三回戦目が全て終わりまして、次に準決勝に移ります!準決勝、一回目の試合の組み合わせは、ムーンの相棒のアールドと優勝候補のゴズ!!」


 ゴズは毎回決勝へと進み、調子がいい時だと優勝することもあるくらいの実力者だった。


「それでは参ります。レディ…ファイッ!!」


 ――シーン…


「…。」


 アールドは試合開始の合図がしても、全く動かず睨みを利かせるゴズを見て、凄まじい覇気を感じた。


「すごいプレッシャーだ…。」


(けど!)


 アールドは「ふっ」と、息を吐くと肩の力を抜きながら、ファイティングポーズをとり、地面を蹴ってゴズとの間合いを詰めた。


「はっ!」


 アールドは元々ある体術のセンスに加え、ムーンに教えられた発勁を使い、拳をゴズに打ち込んだ。


「ぐっ…。重てぇ拳だな…。」


 ゴズはよろけ、地面に膝をついた。


「ふうっ…。」


 ――ズッドーンッ!


 アールドはゴズがひるんだ隙を見逃さず、拳を振り下ろした。


 ――スパンッ


「…!?」


「おりゃ!」


 誰もが当たると思ったアールドの拳は空を切っただけだった。

 そして、ゴズはアールドに強く握った拳で反撃をした。


「どわっ!!」


 アールドはその拳を避けきれず、頬に受けてしまった。


「ちょっとまずいかもね。少し本気出すよ!」


 ――<魔力砲(バレッド)!!>


 アールドはムーンと同じ魔法をゴズに放った。

 しかし、ムーンより威力は劣っていて、KOはできなかった。


「どりゃ!」


「うわぁーっ!」


 アールドはゴズに蹴り飛ばされ、エリアの外に飛ばされ、負けとなった。


「勝者。ゴズ!!凄まじい攻防の末、決勝進出を決めたのはゴズでした!!」


 ――うぉぉぉぉっ!!!


 観客は予想もつかない試合の結果に歓声をあげた。


「そして、十分後。準決勝第二試合が始まります!」


 ――待機場所


「アールド!惜しかったねー。」


「うん。でも、ムーンちゃんと戦うことはなくなったから、よかったよー。」


「そう?じゃ、私も準決勝行ってくるよ!」


 ――準決勝第二


「それではお待たせしました!準決勝第二試合!選手は本日の大人気選手のムーンとゾルド!!」


 ――おぉ!!


「ゾルド、今年も優勝すれば二連覇達成だ!!さぁ、この準決勝、どうなるのかー?それでは、始めます。レディ…ファイッ!!」


 ――ドドドドドッ!!


 試合開始の合図とともに、お互いに目に見えないほどの激しい攻防が繰り広げられた。


「なんだ…。早すぎて、何が起きているか分からない…。」


 観客は目の前で起きている事を無理やり、自分の頭に納得させようとしていた。


「とりゃー!!」


「ふんっ…!!」


 ムーンの拳を避けると、ゾルドはムーンの体を持ち上げ、そのまま投げ飛ばした!


「ふんぬっ!!」


 場外に出る前にムーンは空中で止まり、ゾルドの頭上から自分の体をぶつけた。


「グハ…。」


「おっと!ゾルド選手、膝をついたー!!どうなるんだー!!」


「これで最後ー!!」


 ムーンはゾルドの頭上から直径1メートルの魔力玉を落としこんだ。


 ――ドッバーンッ!!


「…はっ!し、勝者、ムーン!!決勝に進むのはムーンでした!!」


 ――うぉーー!!!


 会場が揺れるほどの大歓声が巻き起こった。


 ――待機場所


「ムーンちゃん、お疲れさま!」


「アールド!おつかれー!!」


 ムーンはアールドの方へ近づいていき、グータッチで勝利を喜んだ。

 その周りには、準決勝までこれなかった選手たちが集まってきていた。


「おめでとう!ムーン。」


「君、凄かったよ!決勝頑張って!」


 そして、その人だかりの中から包帯などで応急処置をされたゾルドが出てきた。


「さっきの攻撃、凄かったぜ。決勝にあがってくる奴にゃ、気をつけろよ。応援してんぜ。」


「あ、はい!ありがとう!」


 ゾルドはムーンと握手をすると、ひらひらと手を振りながら戻った。


「ムーンちゃん、もう決勝行くの?」


「あー。三十分くらい間が空くんだってー。」


「そうなんだー。」


「アールドは私の試合、どこで見るのー?」


「観戦席から普通に見よっかなー。」


「そっか!私、勝つよー!」


 ムーンは「よーし!」と、拳を上に突き上げながら、入場口へと向かった。

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