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武闘大会のはじまり!

 この日は学園が休みで部活動や生徒会に所属している人以外は仕事がなく、学園の生徒は寮にいたり、街に出かけたりと自由に過ごしていた。

 そして昨日、放課後も残って生徒会の仕事を皆でやり、今日は生徒会も休みだった。


 ――コンコン


「はーい。」


 ガチャッ


「アールド!どうしたのー?」


「あー、今日は昼から王城で武闘大会のトーナメント表が発表されるでしょ?」


「あー!王様がくじ引きでやるんだっけ?」


 ムーンはあぐらをかいて、首を傾げながらアールドを見た。


「そうそう!だから、そろそろ王城に向かった方がいいかなーって。」


「うーん。まだ大丈夫じゃない?早くて始まる時間の三十分前くらいに出発すればいいと思うよ?」


「えっ?でも、ここから自分たちの足だと早くて二時間くらいだよ?馬車に乗せてもらうにはお金が足りないし…。」


「また私がアールドを背負って飛ぶから大丈夫だよー!」


 ムーンは寝そべってアールドの近くに転がり、そのままアールドを落ち着かせるように肩を叩いて言った。


 ――トーナメント表の発表の三十分前。


「んじゃ、そろそろ行こっか!」


「うん。」


「私に捕まって!…じゃ、飛ぶよ!」


 アールドがムーンの肩を掴むと窓から外へ飛び出し、そのまま王城へと飛んでいった。


「バーーンッ!!!!」


 ――ドッガーンッ


 ムーンはアールドを背負いながら、派手に王城の目の前に着地した。

 二人は正門から王城へと入っていった。


「あ、門番さーん!武闘大会に出るムーンとアールドです!」


「広場へと案内しよう。」


 ムーンが門番に名乗ると、門番は集合場所の広場へと案内した。


 ――王城内、広場


「武闘大会の出場者たち。今日は集まってくれてありがとう。」


 ――ザワザワザワ


「今日はくじ引きでトーナメント表を決めていきたいと思う。このくじ引きの中には君たちの名前が書かれた紙が入っている。それを今から一枚ずつ引いていく。では、始める。」


 ――チッ…


 それから国王は、次々とくじを引いていき、トーナメント表に左上から縦に名前を書いていった。

 しかし、その中でムーンは違和感を覚えていた。


「ねぇ、アールド…。なんか、誰かに見られてない?」


 ムーンはその違和感をアールドに伝えた。


「…そうかな?」


 そしてアールドは「うーん。」と言いながら、辺りを見渡して確認した。


「では、これでトーナメント表を決定とする。」


 ――ぶっ壊してやる…。


 そして一ヶ月ほどが過ぎ、武道大会の日がやってきた。

 この日は朝から闘技場の周りはお祭りムードで、屋台や余興の演奏や模擬戦などをして盛り上がっていた。

 闘技場でのトーナメント戦は、昼前から始まる。


「うわぁ!美味しそうな屋台があるねー!」


「うん!食べながら闘技場に向かおうか!」


 ムーンが辺りを見渡して、はしゃいでいる様子を見たアールドはムーンにそう言った。


「そうだねー!」


 ――闘技場


「あっぶなー!アールドのおかげで間に合ったよー!」


 二人は昼前まで闘技場の周りで遊ぶつもりだったが、アールドが国王が言っていた事を思い出し、九時頃から始まるオープニングセレモニーに何とか間に合わせた。


「危うく棄権扱いになるところだったねー!」


「ハイテンションで言うセリフじゃないよ…。」


 オープニングセレモニーでは出場する選手を紹介しながら、対戦の組み合わせを観客に発表する。

 選手の紹介の際に、その場にいない選手は棄権扱いとなり、大会に出場ができなくなる。


「よーし!頑張るぞー!」


 ――試合開始前


「へー。何か硬い床だねー!石レンガだからかな?」


「そうかもね。そういえば、一回戦目ってなんだっけ?」


「うーん…。なんか知らない人だよー。」


 ムーンは何も考えてない様子で言った。


 ――一回戦目終了後


 一回戦目はポルトとガイアの対決で、どちらも武術や魔法の実戦経験が無かった。


「なんか一回戦目の人達、あんまり強くなかったねー。試合内容あまり良くなかったよー。」


「素人が多いんだから当たり前だよ。あと、人前でそういう事言っちゃだめだからね!」


「あ!次、私だ!」


 ――二回戦目


「二回戦目!本日の目玉選手!!幼げながら、大人の心をも掴む美貌と心の持ち主でありながら、戦闘の実力はこの国でも最強!!ムーンの出場です!!」


 ムーンが登場すると、観客たちは総立ちで大声をあげながら盛り上がった。


「そして、そのムーンに立ち向かうチャレンジャーは…冒険者の目標、Aランク相当の強さのデン!!」


 デンは鉄球のついた鎖を振り回しながら、少しニヤついた表情で登場した。


「こんなガキ。ぶっ殺してやるぜー!」


「それでは試合開始です!!」


 その合図で試合は開始された。


「この鉄球を喰らいな!おりゃ!!」


 ――ブフォン!!


 思い切り振り下ろされた鉄球を軽くかわすと、ムーンは魔力を集中させた手のひらで掌底をお見舞いした。


「ぐぅわ!!」


「もう!さっきは子ども扱いしてたくせに!!思いっきり攻撃してんじゃん…。」


 そう言いながら、ムーンは拳で相手を吹き飛ばし、そのままKO勝ちを決めた。


「KO!!二回戦目は…ムーンの勝利!!」


「やったー!!」


 ムーンは大声で喜び、ムーンの勝ちを一緒に喜ぶ観客たちに手を振りながら待機所へ戻っていった。

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