初登校!
「ふぁー!朝ごはん食べて、学園に行かないとな…。」
アールドは六時ごろに目が覚め、早く支度して一階の食堂へと向かった。
(ムーンちゃん、もういるかな?)
食堂に着き、受付の人に入寮の際、もらっていた食券を渡し、席を案内された。
「おぉー。ビュッフェ形式かー。ムーンちゃん喜びそうだ。」
アールドは席に荷物を置き、席を取ってる証拠になるカードをテーブルの上に置いてから、料理を取りに行った。
「けっこう種類があるんだなー。」
たくさんある中から、スクランブルエッグや銀のトレイに入ったベーコンやソーセージなどを大きな皿に乗せていった。
「いただきます。」
飲み物やたくさんの食事を楽しみ、ヨーグルトやフルーツなどのデザートを食べ、朝食を終えた。
「結局、ムーンちゃんとは会わなかったなー。寝てるのかな?」
アールドは部屋に戻り、身支度をしてから学園へと向かった。
――ムーンの部屋
「スー…。フスー…。むにゃむにゃ…。」
――学園
「一応、もう一回クラス分けを確認しとかないと…。」
アールドは教室を間違えないようにもう一度、クラス分けの表を確認するべく、教室の扉に貼られてるクラス分け表を確認した。
「お、ムーンちゃんと同じクラスだ!」
ムーンとアールドは最高クラスのSクラスへと配属された。
クラスはS・A・B・C・Dの五クラスに分かれていて、Sクラスには有名な貴族や王族、功績者の子どもなどが多く配属されていた。入学候補者選抜試験で上位の成績を収めた人もSクラスに配属される。
その下のAクラスからは、入学候補者選抜試験での点数や態度で決まる。
「うーん。ムーンちゃん、いないなぁ…。」
「もしかして、アールドくん?ムーンちゃんと仲良いよね!」
「あ!俺も気になってた!あー、俺もムーンちゃんと仲良くしたいぜー。」
アールドは席に腰を下ろしながら、集まってきた生徒たちの話を聞いた。
「みんなー席に着いて。ホームルームを始めますよー。」
教室に入り、指定されている席に座っていると、可愛げのある、ふわふわとした雰囲気の担任の教師が教室に入ってきた。
「私はセリナ・クロード。今日から、君たちの担任となります。ちなみに、このSクラスに入れた君たちは優秀です!自信を持って学園生活を満喫してくださいね!それと、このクラスに配属された子たちは基本的に自主学習となっていて、部活動や生徒会活動に力を入れてもらいます!」
セリナ先生はゆっくりとした口調で自己紹介の挨拶とSクラスの説明をした。
Sクラスに配属された生徒は、ほとんどが部活動や生徒会に所属しており、様々な功績を残している。
「あれ?今日、初登校日なのに出席してない子が一人いるみたいねー。ムーンって子がまだ来てないわ。」
セリナ先生は出席簿を見ながら、ムーンが来ていないことに心配している様子だった。
「まぁ、とりあえず欠席って事にしときましょう。では、今日は部活動と生徒会役員を決めます。今から希望用紙を配るので、入りたい部活動や、生徒会の役職を決めて書いてくださいね。」
クラス全員に希望用紙が配られ、皆、ペンを片手に持ち、部活動や生徒会の役職を書き始めた。
生徒会の役職を選んだ場合、生徒会役員選挙に出馬する事になる。
「アールドくん。ムーンさんに希望用紙を渡しておいてもらえる?今日、来なさそうだから。それと、ムーンさんに生徒会の書記を任せたいから、生徒会役員選挙に出馬するように伝えておいて欲しいの。」
「あ、分かりました。伝えておきます。」
アールドは希望用紙をもらい、カバンにしまった。
(ムーンちゃんが生徒会になるなら、俺も選挙に出て生徒会に入りたいなぁ…。)
――放課後。
「ムーンちゃん?」
――コンコン
アールドは学校が終わり、すぐに寮へと戻り、ムーンに希望用紙を渡しに来ていた。
――ガチャッ
「あ、アールド。おはよー。」
「えっ!?もしかして、今の今まで寝てた!?」
ムーンは目を擦りながら、玄関のドアを開け、その様子を見たアールドは驚いた。
「あー。ほんとは7時くらいに起きてたんだけどさ、二度寝しちゃってー。」
「朝ごはんのビュッフェ、すごい美味しかったのになー。」
「え!?ビュッフェ!?いいなー。」
ムーンは起きなかった事を後悔するように、羨ましそうな表情でアールドを見た。
「もう…。明日からはちゃんと学校に行こ?俺も一緒に行くから。」
「分かったー。」
ムーンはまだ寝ぼけたような様子で返事をした。
呆れながら、アールドはカバンの中から先生に渡された希望用紙を取り出して、ムーンに渡した。
「あ、これ。先生からムーンちゃんに渡すように言われてたから。」
「これは?」
「希望用紙だよ。ここに入りたい部活とか、やりたい生徒会の役職とか書くんだって。あと、ムーンちゃんのこと、生徒会の書記に入れたいんだってー。」
「え!?書記!?」
ムーンは驚いて、さっきまでの寝ぼけているような表情はなくなり、目が覚めた様子だった。
「先生がムーンちゃんにやって欲しいんだって。」
「えー。」
「まぁ、とりあえず先生からの伝言も終わったし、渡すものも渡したし帰るね。じゃあね。」
――ガチャンッ
「…うん。」
アールドは手を振りながら玄関のドアを閉めた。
「仕方ない!明日からちゃんと起きよー!」
ムーンは「よーし!」と拳を天井に上げて、自分を鼓舞した。
――アールドの部屋
「よし、これでいいや。」
アールドの希望用紙には、書記と書かれていた。
アールドは軽く夕飯を食べ、満足した様子で横になり目をつぶった。
「明日はムーンちゃん、起こさないとな。」




