魔物討伐と来客!?
「あー。なんか暑いし…。あとどれくらいで魔物が出てくるんだよ…。」
アールドはムーンに見送られてから、だいぶ歩いた。朝に出発したが、日は沈みかけていて空は紫色とオレンジ色がちょうどいいグラデーションとなっていた。
ドタドタドタッ!!――
「…何か…来る?」
土埃がアールドの進む方向からだんだんと近づいて来ていた。そして、とうとうアールドの目の前に魔物の群れが現れた。
「す…すげぇー!」
五万体ほどの魔物が西から東へと大移動していた。それをムーンが感知し、アールドを向かわせた。
「面倒くさいけど、やるしかないかー。」
アールドは剣を抜き、構えた。
「とりゃ!」
魔法と剣を駆使して、魔物の群れを次々と倒していった。
アールドは汗をかきながらも、何とか怪我もなく倒すことができていた。
「うわ…。もう夜明けが近い…。」
残り五千体ほどになった時には、日が出始め、空はだんだんと明るくなり始めていた。
「よし!ラストスパートだ!頑張るぞー!」
再び剣を降り始め、次々と魔物を倒していった。
「はぁはぁ…。やっと…終わった…。」
もうすっかり空が明るくなった時に、ようやく全ての魔物を倒し終わった。
「…帰るか。」
一方その頃――
「ゴロゴロー。ゴロゴロー!」
ムーンはひたすらゴロゴロしていた。
「アールド、上手くやってるかなー。なんつって。」
アールドの事は、あまり気にしてはいなかった。
自由な時間を過ごしている間は、他のことは考えたくない。
「ただいまー!」
「終わったんだねー。」
のんびり過ごしていると、アールドが帰ってきた。
「あまり怪我はしてなさそうだねー。」
「ちょっと転んだけどね。」
「へー。ドジだね。」
ムーンは相変わらず寝転びながら、アールドを気にする様子もなくそう言った。
「ダンゴムシみたいな魔物が急に足元に現れたんだよ…。」
「アールドも私に似てきたねー。」
「えー。貶されてるのかな…。」
――ガガガガガッ!!
「え、なに?なに?!」
くだらない話をしているといきなり、竜に車を引かせる竜車が二人の周りを囲んでいて、その竜車の中からは魔剣士が大勢出てきてその中から一人、以前、東の街で会った魔法学園の特待生が現れた。
「迎えに来たわよ。魔法学園に行きましょう?」
「君の名前も知らないんだけどなー。」
「以前は私が一方的に話をしていたものね。私の名前はリーナ・ソリアよ。学園の生徒からはリーナと呼ばれているわ。」
「リーナちゃん。なんでここにいるの?」
ムーンはリーナに対し、直球すぎる質問をした。
「それは、あなたが全然学園に顔を出さないからよ。」
「なんのこと?」
ムーンはキョトンとした顔で首を傾げながらそう言った。
「前に会った時、学園に来ないかって聞いたわよね?なぜ、返事もなく私の所にも来ないわけ?」
「あ、なんか忙しくて…。その…なんていうか…。」
「言い訳は無用よ!今すぐ来なさい!」
ムーンはリーナに身支度をして出発の準備をするように言われた。
そして、アールドに手伝ってもらいながら荷物を用意した。
「あのさ…。」
荷物を用意してる最中、アールドはムーンの耳元でリーナに聞こえないように話しかけてきた。
「あの人がいると、なんで俺は空気みたいになるの?」
「確かに…。あの人、アールドには目もくれずにいるよね。」
「ていうか、俺はこれからどうしたら?」
「アールドも一緒に来てくれたら、心強いんだけどねー。」
ムーンは肩を落とし、少し微笑な表情でそう言った。
すると、ムーンは思い付いたようにリーナに問いかけた。
「ねぇ、リーナちゃん?うちのアールドも連れてっていい?」
「…ええ。そこそこ、実力もあるようだし、いいんじゃないかしら。」
「やったー!良かったね、アールド!」
そうして、身支度を終えた二人はリーナと共に竜車で学園へと向かう事になった。




