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洞窟に行こう!

「あー。暇だー。」


「あ、起きてたんですね。」


「なんかちょっと暑いから寝れなくてー。」


早朝、アールドはムーンが騒ぐ声で起きた。


「アールドー!なんか作ってーお腹すいたぁ。」


「昨日、夜ご飯食べないで寝ちゃいましたもんね。」


「お腹と背中がくっつきそー。」


「今作るので待っててください。」


アールドはムーンのわがままに応え、朝ご飯を作り始めた。

小麦を練って蒸した物を動物の骨で出汁を取った野菜のスープに入れた料理を作った。


「出来ましたよー。」


「ありがとー!アールドー!」


ムーンは料理が目の前に置かれると、勢いよく食べ始めた。


「うまうまっ!」


(こんな人が学園の特待生に目を付けられたんだな…。)


「あ、そうだ!ねぇアールド?今日は魔物狩りに行くからねー。」


ムーンは食べる手を止めることなくアールドに話しかけた。


「魔物狩り?」


「うん!楽しみだねー。」


「どこまで行くんですか?」


「ちょっと魔力反応が多い洞窟を見つけたから、そこに行くよ。」


「分かりました!」


朝ご飯を食べ終わると二人は、森を抜けた所にある深い洞窟へと向かった。


「結構深いですね…。」


「もう少しすると魔物が出てくるよー。」


「もういますけどね。端の方に…。」


「あれは弱いから気にしなくていいよー。」


ベテラン級の魔術師が派遣されるレベルの魔物たちを横目にムーンは笑いながら奥深くへ進んだ。


「おぉー。いい感じの魔物が出てきたね!そんじゃ、こっからは自由行動だよー!解散!」


「え…えぇ?」


「自分で好きな魔物を倒していいんだよー!あ、でも私が見える範囲でやってねー!」


「分かりました…。」


ハイセンス級の魔物がいるエリアで自由行動となった。

ムーンはアールドの魔力量を増やす事と、経験を積ませる為にこの洞窟に来ていた。


「えい!えい!そりゃ!」


ムーンは楽しみながら、次々とハイセンス級の魔物を倒していった。


「はぁ…はぁ…。」


アールドも剣と魔法を使いながら、魔物を何とか倒していった。


「アールド大丈夫ー?手伝おうか?」


「いえ!大丈夫ですよ!」


アールドの怪我に気付いていたムーンは、アールドがそう答えると、さり気なくエリアヒールを周囲に展開させていた。


「アールド、戦いに慣れてきた?」


「はい!」


「じゃあ、そろそろ強めの魔物と戦ってみよっか!」


「強いんですか?」


「この洞窟のボスって感じだよー。一階層下にいるよ。」


二人は一階層下へと向かった。そして、一階層に着くと大きな木の門のような扉があった。


「ここですか?」


「うん!じゃ、行こー!」


ムーンは遠足に行くような感覚で、目の前の大きな扉をこじ開けた。


「さぁ!出てきたよー!ドラゴンだー!」


「はしゃいでる場合じゃないですよー!死んじゃいます!」


「私がいるから大丈夫だよー。さっ!戦おう!」


そして、目の前のドラゴンが動き始める前に、二人は戦い始めた。

アールドはムーンのフォローを受けながらも、全力でスキルを打ち込んだ。


「お!弱ってきているかも!」


「ほんとですか?」


「あと一息だねー!」


ムーンは攻撃を止める事なく、アールドにそう話しかけた。


「こっからどうしたらいいですか?」


「じゃあ、自分の中で一番強いスキルを打ってみよっか。」


「了解です!」


アールドは剣をしまうと、自分の中で一番強く、使いやすい魔法の詠唱を始めた。


――メラ+ゼファ <炎柱竜巻(ヴォルメラ)>!!


ムーンとの魔法の特訓で得た、風魔法と炎魔法の融合技をドラゴンに放った。


――シュワ


ドラゴンの体は火傷一つも負っておらず、ドラゴンは雄叫びをした。


「アールド。炎は効いてないみたいだね。」


「はい…。」


「他に効きそうな魔法は思いつく?」


「うーん…。」


「思い付くまで私がドラゴンを惹き付けるから、落ち着いて考えてみてねー!」


ムーンはアールドが魔法を考えている間に、ドラゴンには致命傷にならない程度で魔法をぶつけていた。

致命傷にしてしまうと、アールドの魔法の訓練にならない為、力加減を考えていた。


(あ!思いついた!)


「思い付きました!ドラゴンに効く魔法!」


「打ってみて!」


――リナ+ゼファ<解放風矢(ルクア)>


アールドは詠唱をしながら弓を引く格好をすると、風の矢が無数にドラゴンの方を狙い始めた。

そして矢を放つと、その矢を追い掛けるように無数の矢もドラゴンに向かって放たれた。

そして、ドラゴンの体に命中したり、空気としてドラゴンの肺に取り込まれた事で、ドラゴンは浄化し始めた。


「流石だね!」


「ありがとうございます!」


こうして、精神生命体であるドラゴンを倒す事に成功した。


「じゃあ、魔法の訓練はここまでだねー。っていうか、もう教える事ないかもー。」


「そんな事無いですよー。」


「じゃ、帰ろっか。」


もうすっかり空は漆黒に染まり、体の疲れを引き立てるようだった。

二人は光魔法で辺りを照らしながら、楽しげに帰った。

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