アリス帝国編
春が過ぎ、梅雨が過ぎ、夏がやってきた。
ついに夏休みだ。
誰よりも真面目な有は、夏休みが始まると同時に夏休中にやらなければいけない課題を終わらせていた。
一方霧は課題が何だったかも一切把握していない。
そんな2人は一緒にアリス帝国へ向かった。
飛行機を2時間くらい乗り、遂にアリス帝国に到着した。
「うわーなんかすっげえ清潔感あるなあ!!」
霧は感激していた。
「まあね。」
有は誇らしげに言った。
アリス帝国では皆んな得意なことを生かしセコセコと真面目に働いている。ベビーシッター、運送会社、建築関係が特に人気の職業だ。また、国民性もあり駅やバス乗り場の列に並ぶのも綺麗に一列に並び、常に皆んなピシッと身を引き締めて生きている。
「なんかすっげえな‥俺の国なんて皆んな毎日お祭り騒ぎだぜ。ここの国観光はいいけど住むってなったら結構ストレス溜まりそうだな 笑」
「そんなことないよ。皆んな好きな仕事して一生懸命汗水垂らして働いて、幸せな家族がいて、結構いい国だと思うけどなあ。」
「まあ何でもいいけど、お前んち早く行こうぜ。」
「う、うん!わかった!」
2人は有の家に到着した。
「え!!!すげえデカ!!!待って、ここ城じゃね??お前もしかしてこの国の王子かなんか??」
「ま、まあそんな感じかな‥学校ではあんま言わないけどね 笑 とりあえず案内するよ!!」
「お、おう!!」
2人は城の中へ入って行った。
「お帰りなさいませ。」
「お帰りなさいませ。」
「お帰りなさいませ。」
びっくりするぐらい沢山の召使いにすれ違った。
「兄上お帰りなさいませ」
「兄上お帰りなさいませ」
「兄上お帰りなさいませ」
沢山の兄弟ともすれ違った。
部屋も沢山あった。
小さな弟や妹たちの子供部屋を過ぎ、食糧倉庫を過ぎ、大きなゴミ置き場を過ぎ、どんどん奥へ進んでゆく‥
そして遂に1番大きな部屋の前にきた。
「ここ、母上の部屋なんだ。僕の母上、紹介するよ」
そして、大きな扉を開けた。
そこにいたのはテレビや新聞などで見たことのあるアリス帝国の女王だった。黒いドレスの上に羽のようなシースルーのマントを身につけていた。
「ママ!!ただいま戻りました。こちらご学友の霧君です。」
「こ、こんにちは。お邪魔してます。ギリス帝国の霧と申します。」
「あらまああ!!お友達??遠いのにありがとう!!ゆっくりしていってね。」
霧が思ったよりもアリス帝国の女王は気さくで優しそうな雰囲気だった。一安心。
2人は女王の部屋を出た。
それにしても城の中の沢山の召使がセコセコと働き回ってるし、家に中なのに有はだらけずピチッとしてるし、何だか霧は落ち着かなかった。
「有‥なんか俺、カルチャーショックかもだなー。ここもいい国だと思うよ。でもさあまだ夏休みも長いし俺の国にも来いよ!!絶対後悔はさせねえ。まじで時間忘れるくらい楽しいぜ。」
「分かった!僕もギリス帝国行ったことないし!気になる!!」
2人は飛行機のチケットを予約した。
何だかんだで霧は1週間くらいアリス帝国の観光地を満喫し満足した様子。
そして2人はギリス帝国へ向かった。