配下による魔物対処
どうしよう、どうしよう。
攻撃意思を持った魔物?…魔物って何だ?
《魔物とは魔力を保有している人、亜人以外の生き物の総称です.【草ゴーレム】、【魔法スライム】もそれに当たります.》
そうなのか。
「スキルボード、どんな魔物が来るんだ?」
《この警告は【魔法スライム】によるものです.【魔法スライム】が行う探知魔法では魔物の種の判定はできません.》
じゃあ、大きさも速さも、どんな攻撃をしてくるかも分からない相手と戦うってことか?
「おい!スライムとゴーレム、迎え撃ってくれ!」
《マスターによる防御意思を確認.【魔法スライム】と【草ゴーレム】は戦闘準備をしてください.》
頼むぞ!
《【魔法スライム】と【草ゴーレム】による自律攻撃システム移行を確認.承認しますか?》
「あぁ、承認する。」
《マスターによる【承認】を確認しました.【魔法スライム】と【草ゴーレム】は自律攻撃を開始して下さい.》
草ゴーレムが雄叫びを上げた。直後、暴走したブルドーザーのようないきおいで茂みに消えていった。
魔法スライムの頭上に魔法陣が2つ形成された。直後、リミッターが外れたバッティングセンターの機械のように静電気の球を茂みに打ち込んだ。
茂みの奥で何かの潰れる音と共に魔物の断末魔が響く。思わず頭を抱えてしゃがみ込む。
どれくらい経っただろう。スキルボードが鳴った。
《敵を殲滅しました.【草ゴーレム】と【魔法スライム】の自律攻撃システムを終了します.》
お、終わったのか…。抱えていた頭を上げる。
茂みの奥がどんな惨状になっているのか分からないが、大量の血が流れている。
《ゴブリン3体の【魔王配下加盟】の要望を受理.承認しますか?》
魔王配下?なんだそれ。
「承認したらどうなるんだ?」
《ゴブリン1体につき魔力50で【魔王配下】とすることができます.これは【召喚】と比べて5分の1の魔力です.》
おぉ。それはお得じゃないか。
《ただし、瀕死状態のゴブリンの治癒に1体あたり魔力100を使用します.》
いい提案だけど、そんな魔力あったかな…。
スキルボードを見てみる。
【魔力】0→3000(300×5)
魔力3000!?
この表示は…ゴブリン一体あたり魔力300で5体倒したってことか。そんな数を相手にしていたのか。
何にしても、これならゴブリンを配下にすることができるぞ。
「頼む。ゴブリンを配下に加えてくれ。」
《マスターによる【魔王配下加盟】の意思を確認.魔力450を使用してゴブリン3体の【魔王配下加盟】並びに【治癒】を実行しました.》
茂みの奥から草ゴーレムが出てきた。その後ろをゴブリンが3体が続く。
草ゴーレムは何か誇らしげな様子だ。
《【魔王配下】による自律行動承認の要請.承認しますか?》
なんだ?自律行動?とりあえず承認してみるか。
「承認する。」
《マスターによる承認を確認.【魔王配下】は自律行動を開始してください.》
何が起きるのかと固唾を飲んで見ていると、目の前の配下たちが横一列に並んだかと思うと、一斉にひざまづいた。
これは…すごい光景だ。
この子達のためにも頑張らなくては。
《近くに遭難した人間がいるようです.【空き家】を建築することで継続的な魔力の調達が可能です.》
なんと!そんなこともできるのか!
これはやらない手はない。早速始めよう!