魔力の増やし方
ここは"ポンチョ"という森らしい。
熱帯雨林のように熱くてジメジメしている。
ヴィン
半透明の板が現れる。
僕はこれを"スキルボード"と呼ぶことにした。
【ポンチョの森】
防御…0
攻撃…0
魔力…600
※城なしの魔王
ほうほう。防御と攻撃は前と変わらず0か。
魔力は100増えて600。
それに...城なしの魔王?
ここには城はまだないってこと?
...へ?まさか作るところからなの?
《建築するには【メニュー】▶︎【施設】を選択してください.》
なるほど。
【施設】を押す。
【施設】▶︎【城】【城下町】【その他】
【城】を押す。
【城Lv.1】・・・魔力50,000
おい…嘘だろ?魔力50,000て。
俺が持ってる魔力は600だろ?
…いや、初回ボーナスで無料かもしれない。
【城Lv.1】を押す。
《購入に失敗しました.魔力を溜めてください.》
あ。。。まぁそうなるよね。
というか、魔力って、どうやって溜めるんだ?
さっき魔力500だったのに今は600だ。
考えられるのは…
・草ゴーレムを召喚したから
・勇者を倒したから
この2つだろう。
うーん…。
ピヨピヨ
足元に小鳥が歩いてきた。
少しかわいそうだが、こいつで試してみよう。
何か召喚できるものは…。
【召喚】▶︎【魔法】【物理】【その他】
なるほど。魔法攻撃をするか物理攻撃をするか選べるってことか。
魔法か。見てみたい。
【魔法】を押すと、召喚できる魔物の一覧が表示された。
最も魔力を必要としない【魔法スライム】を選んだ。
《魔力150を使用して【魔法スライム】を召喚します.魔法陣作成中.》
《お待たせいたしました.【魔法スライム】召喚まで》
3
2
1
これが魔法スライムか。丸くて青色の体がプルプル震えている。
魔力はどうなっている?
【魔力】450
召喚した魔力分だけ減っている。
「【魔法スライム】、そこにいる小鳥を攻撃せよ!」
《マスターからの攻撃指示を確認.【魔法スライム】は魔法攻撃をしてください.》
スライムが小鳥に近づく。そして体から静電気のような光が一瞬出ると、小鳥が一瞬にして焼けこげた。
わお。すごいな…。
魔力は?
【魔力】450
へ?どういうことだ?
召喚しても、倒しても魔力が増えない。
あれ?そういえば…
僕は草ゴーレムが勇者の養分を吸い取っていたのを思い出した。
もしかして、倒すだけでは魔力は増えない?吸い取らなければいけないのか?
残りの魔力は450。草ゴーレム召喚に必要な魔力も450。
失敗したら終わりだが、試してみる価値はある。
「スキルボード、草ゴーレムを召喚してくれ。」
【魔力】450→0
《魔力450を使用して【草ゴーレム】を召喚します.魔法陣作成中.》
これが成功すれば魔力の溜め方が分かる。そうすれば城を建てることも、新しく配下を召喚することもできるだろう。
《お待たせいたしました.【草ゴーレム】を召喚まで.》
3
2
1
草ゴーレムが召喚された。すぐに指示を出す。
「草ゴーレム、そこにいる小鳥を吸収せよ!」
《マスターからの吸収指示を確認.【草ゴーレム】は対象を吸収してください.》
その言葉を聞くと、草ゴーレムがツルを伸ばして小鳥に巻き付ける。そして根っこを突き立てた。
小鳥はすぐに萎んでしまった。
魔力を確かめる。
【魔力】0→100
おぉ!やったぞ!魔力が増えた!
危ない賭けだったが成功してよかった。
あれ、てかこの小鳥、魔力100?さっきの勇者も…100?
あいつ……。
ビービービービー!!!
なんだ!?
《マスターに警告.攻撃意思を持った魔物が接近中.至急対応してください.》
なんだと!?