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ヴィレジ=パイン

「フラヴィオ!大変なんだろう!?」

「いつも、1人で抱え込んじまって……!」

 似合わねーよ!と誰も止められなかった長髪を靡かせ、ヴィレジ=パインが1人熱く語り出し、手を差し出し、フラヴィオの手を握ろうとするが……スルーされ後に集う嘗てギルド営業職として依頼(クエスト)を斡旋してきた“鼻ったれ小僧”、“泣き虫さん”だった冒険者達へ握手を求める。

 もう“鼻ったれ小僧”だった面影も頬を緩ます笑顔のみの立派に成長した彼等彼女等が小さく可愛くなったフラヴィオを囲み“やんや!やんや!”と同窓会状態となる。

 もはや、野郎共といえる冒険者達に抱擁され……自身よりオッサン臭い体臭にうんざりさせられたり、女性陣には故意に抱きつかれ、次々と豊かに成長した胸のパフパフ、圧殺される洗礼に遭う。

 プルンプルンの感触と女の香に酔わされフラフラとなったフラヴィオを追いかけ、囲う輪を掻き分け入ったヴィレジ=パインに受け止められた。

 里の両親から離れ、街で一人前になるために冒険者として彼・彼女等が生き抜く為にフラヴィオがどれだけ、苦労して実入りのいい依頼(クエスト)を当時の彼・彼女等へクロエが眉間にシワを寄せても斡旋してきたか。

 彼・彼女等にとってフラヴィオは、ギルド営業職以上の兄・父親のような大きな心の拠り所だった。

 一際、汗臭いオッサンの加齢臭でフラヴィオも意識を取り戻す!

「オッサン臭〰!キツイって!!」

 支えてくれていたヴィレジ=パインの腕を払い起き上がる。

「オッサン……臭いって〰!」

「俺は臭くないよなぁー?なぁ〜?」

 自らの加齢臭に気付けず、身体を鼻で嗅ぎ、ヴィレジ=パインの哀しく訴える視線と誰も目を合わせず、再びフラヴィオとの再会を喜ぶ高位冒険者達が飲み直そう!とジョゼッペの酒場ではない高級酒場へフラヴィオを連れ出すのだった。

「臭くないよなぁ〰!?俺〰!!」

 と汗臭い皮革製鎧に身を包んだまま、泣き崩れるヴィレジ=パイン、一人を残して……。

 それよりもマッシモ爺さんもまだ、倉庫の壁に手を鎖で繋がれているのを『遠隔透視(リモートビューイング)』“千里眼”の「技能(スキル)」で覗き知る冒険者もいたが……フラヴィオと違い成功者となった嘗ての教え子たちへ(ヘツラ)い時には過去のネタを持ち出し恫喝して、禁断症状に震える手で教え子たちの懐から小遣いをせびるマッシモ爺さんは、正に『老害』認定され皆に嫌われていた。

 暫し時間を遡る、自称、高位冒険者達の兄貴分であるヴィレジ=パインがフラヴィオの冒険者ギルドを解雇された噂を聴き、確かめようとギルド受付へ駆け込んでも、

「元職員の個人の事情で退職しました。私事(プライベート)に当たるため、それ以上の説明はできません!」

 との一点張り、“埒が明かない!”とギルドの職員用出入口を張り込み、集金から戻ったニルスと、やっと出会い。

「フラヴィオの兄貴が……!」

 全てを口にする前にニルスの大きな掌で口を塞がれる。

 “うんが〰うっうん!”と昭和か!?とツッコミたくなる反応にニルスは、冷静に指を口に当て、

「仕事が終わったら、またここで落ち合おう!」

 とだけ告げ、ギルドの中へ入っていってしまう。

 ヴィレジ=パインもニルスがギルドから退勤するのを暫く待ち、出てきたところへまた話し掛け、

「ここでは何だ。」

 と晩メシをテラス席で一緒に食しながら、本当の経緯をニルスから衝撃の事実を聞かされる。

 今、メディオラヌムにいる高位冒険者にまでなった自身同様に新人(ルーキー)時代、フラヴィオからの依頼(クエスト)で食いつないでいた嘗ての仲間達を呼び集め話しても、フラヴィオがこの世界に転移して12年、やっと神から『贈物(ギフト)』を与えられ、その副作用で若返った等という話まで俄に信じてもらえず、……まずは、

“フラヴィオに会って慰めよう!”

 とニルスから聞かされたフラヴィオが顔を出しそうな【闇市場(ブラックマーケット)】、フラヴィオが冒険者を目指すなら会いそうな人物の居そうな店を探し歩き、やっとのことで小さくはなったが懐かしいフラヴィオの背中を見つけて、ヴィレジ=パインが話しかけたのだった。

 高位冒険者の中には、『鑑定眼』なる『技能保持者(スキルホルダー)』もいて、『魔法道具(マジックアイテム)』がなくても【鑑定(アナライズ)】が可能、当人か?確かめれば、話通りのフラヴィオだと分かり、皆が驚き詰め寄って、この騒ぎとなった。


 24時間営業の冒険者御用達の名店『山猫亭』メディオラヌム本店へ連れ込まれるフラヴィオ、店員も高位冒険者達が挙っての来店に驚き、奥へと姿を消し、すぐさまVIPルームの空き状況を確認して、店長へ報告、他の店員に粗相のないよう十分注意して、案内させた。

 初めて入る『山猫亭』の豪奢なVIPルームに落ち着かないフラヴィオ、見かけが12歳だけあって、却って周りには自然に見える。

“中身まで若返ってない?”

“フラヴィオ、やっと再会で・き・た!”

 他の高位冒険者達に遅れてVIPルームへ入って来た(ダーク)エルフは、大胆に胸の谷間を魅せるスウィートハート、バックジップで背も覗かせ白いドレス姿で褐色、否、闇に近い漆黒の肌にダークブラウンの長い髪を左に降ろし、右の金色の眼でフラヴィオの“今”を見通していた。


 思考転写(テレパシー)能力、【精神感応者(テレパシスト)】にして、『鑑定眼』の上位互換「技能(スキル)」、“慧眼”を持つ(ゴールド)等級(クラス)の実力者である!


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