闇市場
兄妹を大家さんと付き合いの深い木賃宿へ送り届け、
"ぐ〰️!"
と腹が鳴って、
“あっ?何も食べていない!”
やっと、気付いたフラヴィオ、夕闇に染まる街の闇へ向かい合い!
ある一角へ立ち寄ることにした。
【闇市場】、戦場の暴力に曝された一般住民が自衛の武器を欲する為に設けられた。
小規模の【闇市場】、少年の容姿に戻ってしまったフラヴィオが少額で”力”とする武具の業物を手に入れられる可能性のあるエトルリア12都市国家群の北限で開かれた闇の市場へ足を向けた。
嘗て、北の民“ケルト人”達が築いた街、メディオラヌム……出所不明の魔者、魔獣が跋扈する黒い広大な森林地帯を遮るラーリオ湖が面する山脈で守られている。
その北の民から街を奪ったのは、エトルリア12都市国家群のエトルリア人達であった。
エトルリア人、嘗ての『海の民』に含まれたフェニキア人の転生した魂が別世界線の地球に創造された異世界ヘレナスでも同じく因果を繰り返した結果か?
城壁に近い外縁部にもはや、城壁を壁材に使用している廃屋が建ち並ぶ一角への狭い街路へ見た目12歳のフラヴィオが入ろうとするのを“カモが来た!”と上背も高い人相の悪い連中がつけよる。
「こっから先へ行きたければ、通行料をは・らっ……えっ?」
声をかけた仕立ての良い腰下まで裾のある麻の上衣の上に山羊と羊の革を用いた胴着を羽織り股下は山羊革のスラックスを穿いた……イケスカネ〰️!若造の優男のガラ空き腹へ拳がめり込ませ黙らさせた。
フラヴィオの拳骨にヒビが入るほどのオーバーブローで殴ったので血反吐を吐きながら倒れた。
倒れ際に強かに後頭部を地面に打ち付けた優男の両足をフラヴィオが持ち無言で貧民街へ引き摺り連れていく。
ガキが仲間を殴り倒した現実に納得がいかない仲間達がやっと、フラヴィオから仲間を取り戻そうと駆け出す。
地面へ“シュパ!シュパ!”と突き刺さる矢に仲間達の動きが封じられた。
「坊主、合格だ!入ってよし!!」
真の貧民街の見張り達がフラヴィオの入場を歓迎した。
身なりの貧相なボロを纏った連中が短弓の弦に矢を番え、上背も高い人相の悪い連中を牽制する。
「フラヴィオさんの紹介で来た。」
まだ、変声期を迎えていない子供の声でフラヴィオが引き摺って来たガキの身ぐるみを剥ぐのに夢中の見張りの三下へ伝える。
「フラヴィオの……お前、同族か?」
フラヴィオの特徴である……平たい顔の少年を目にして、見張り役のリーダー格がフラヴィオの顎を指で押さえて、瞳を覗き見る。
「いいだろう、なかへ入りな!」
顎をしゃくり、【闇市場】への入り口を指し示した。
「待ちな!これは、駄賃だ!!」
と、リーダーが投げた銀貨を両手で掬い取るフラヴィオへウインクする?
ニヤ笑いする連中からの視線を背に受け、露店商が景気よく盗人の蚤の市より、言い表せない言葉を吐き、並べた品を売り捌こうと叫んでいた。
この【闇市場】を仕切るサンチョスは、此処へ堕ちる前は、冒険者ギルドの『銀』等級目前の青銅等級冒険者だったが仲間を庇い重症を負ってしまう。
依頼失敗を被った過去があり、その仕事の斡旋を請け負っていた当時の営業がフラヴィオ、依頼主からの「責め」を冒険者の手配にギルドの上層部が人件費をケチったのが……原因なのにフラヴィオが一身に受けた過去があった。
それなのに、サンチョスの大ケガへの医療費保証にまでケチを付ける上層部へ掛け合ったのが……また、フラヴィオである。
他人の事になると上層部だろうと牙を剥くフラヴィオ……余計に出世が遠退いた。
しかし、貧民街に堕ちて、皮肉にも頭角を表したサンチョスが冒険者ギルドからの汚れ仕事を請け負うようになると……条件にフラヴィオを窓口に据えさせた。
フラヴィオの名は、【闇市場】の中でも、サンチョス様の“ダチ”と名が知れ渡っていた。
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