13 剣帝ゼスとの再会
夜、王宮騎士団本部の廊下を歩く者が一人。
騎士のような鎧も着ていない。士官服も着ていない。
高級な洋服を着用し、腰に蒼い剣を差した二十歳くらいの男。
セークリッジ剣王国最強の剣士、剣聖ディアルである。
ディアルは竜剣山から戻って来て早々に呼び出されたのだ。
ディアルは面倒臭いと言わんばかりの顔で、眠たそうに欠伸をしながらある部屋の前へやって来た。
「ディアルです。」
トントンとノックをしたディアル。
「入れ。」
すると直ぐに中から声が聞こえて来た。
「失礼します。」
挨拶をして部屋の中へ入る。
「夜分にすまんな。食事時で忙しかっただろう。」
そうディアルに申し訳なさそうに言って来た男は、
「いえ。食事はもう済ましましたので大丈夫です。マルクス少将、いえ中将。昇進おめでとうございます。」
ディアルの上司、マルクス・バトラー少将改めマルクス・バトラー中将である。
先日のハイサラマンダー討伐の功績が讃えられ、少将から中将に昇進したのだ。
中将が若干若く見えるのは灯りの加減の所為だろうか?
それとも中将に昇進したからなのだろうか?
後者だとしたら昇進パワーは凄いと思う。
偉くなるとやる気も人一倍出て活力が湧いて来るとかそんな感じだろうか?
声も元気だし、ディアルのことを理解してくれているし、何より意外に優しいし、頼れる上司だとディアルは思っている。
そんな中将から夜に急に呼び出されるのは初めてなので、何か大事件でも起こったのだろうかとディアルは身構えた。
「何かあったんですか?」
「近頃盗賊による行商の被害が頻発しているのだ。」
やっぱりか。予想通り面倒な事件が起こった。
面倒事に巻き込まれそうでディアルはがっくりと肩を落とした。
「しかしだな。その被害というのは同じ場所ではなく、幾つかの箇所で起こっているのだ。」
「何ですかこれは!?」
マルクス中将は地図を見せて来た。
その地図の幾つかの街道にバツ印が付けられていた。
その箇所は五箇所。
これにディアルは驚き半分疑念を抱いた。
普通盗賊の被害は多かれ少なかれ同一箇所で発生するものだ。
当然である。
確かに盗賊は幾つもグループが存在する。
しかし同じタイミングでこれだけ事件が発生するというのはまず有り得ない。
この事件は只の盗賊事件と片付けてはならない深い事件だと推測出来る。
自分に依頼が来たのも納得出来る。
「盗賊団の捜査はある冒険者が行っている。彼が盗賊の根城を掴んだらいよいよ我らの出番だ。君も協力してくれるね?」
一見いつもと変わらぬ笑みを浮かべているが、有無を言わせぬ圧力のある笑顔で言われては断れない。
まあ事が気になるので断る気も無いが。
「分かりました。この件俺が協力します。」
ディアルが協力を了承したところで、マルクス中将は険しかった表情をいつもの穏やかな表情に戻した。
そしてワインの瓶を机の上に取り出して言った。
「飲んでくか?」
中将が取り出したワインは中々高級な一品だった。
そんじょそこらでは中々買えない。
そうは言ってもディアルだってまあまあお金持ちなので買えないことは無いのだが。
実物を目の前に置かれて言われると無性に飲みたい気分になる。
しかしディアルはこのお誘いを断ることにした。
「せっかくですが俺はこれで失礼します。」
「娘さんが待っているか。」
「はい。すみませんがまたの機会があればその時にご一緒します。」
「ははは。ディアル君は随分父親らしくなったね。娘さんを想う気持ちが日に日に強くなっているようだ。」
「そうですか?まあミーナは可愛いですからねぇ。」
ミーナのことを考えてだらしない顔になったディアルをマルクス中将は微笑ましげに見詰めていた。
その後も少し談笑して、ディアルはマルクス中将の部屋を後にした。
そして部屋で待っているミーナのことを想像して急いで戻ったディアルだった。
ディアルは王都ブランシアに居を構えている。
それも王城近くの特等地だ。
そこは侯爵家と公爵家のみが居を連ねる上流階級の区画だ。
ディアルはそんな敷居の高い場所にミーナと身を置いているのだ。
金持ちというだけでは居住出来ないそんな区画。
ディアルは平民なので居住資格は持てないはずだ。
しかしディアルは戦争での一騎当千の活躍や功績、王宮騎士としての任務やドラゴン討伐の功績などが称揚され、居住資格を得たのだ。
実はディアル、戦勝式で国王陛下から名誉公爵位を賜っていたのだが、貴族界の窮屈なしがらみを嫌って辞退したのだ。
だからディアルは貴族位は無いものの特等地に住んでいるのだ。
そんなディアルは今一人ミーナを残した自宅に帰って来た。
「ただいまミーナ。一人で寂しくなかったか?怖いことはなかったか?」
そして帰宅早々大甘親バカモードへ突入だ。
ミーナを見るや直ぐに抱き締め、あれこれ訊いては頭を撫でる。
「パパ、もう十分。怖いこともなかったし、周りがまだ少し明るいから寂しくもなかったよ。」
ミーナは若干嬉しそうにしながら頭からディアルの手をどけて、留守番中怖くなかったと言った。
ディアルはこれを聞いて安堵し頬を緩めた。
小さなミーナを夜に一人残して家を空けるのはとても躊躇った。
マルクス中将に呼ばれたら行かない訳にはいかないが、十分程度ミーナも一緒に連れて行くか迷っていたくらいだ。
それほどに大事にしている愛娘だ。
無事で待っていたことにほっとするのは親の性だ。
「一人でお留守番出来たなんてミーナは偉いぞ。」
そう言ってまた頭を撫でるディアル。
今回はミーナは鬱陶しそうにせず、嬉しそうに目を細めて大人しく撫でられていた。
寂しくなかったとは言ったものの、少しは寂しく思っていたのだ。
「えへへ。パパ、ちょっとくすぐったいよ。」
甘えるような笑みを浮かべたミーナを見て、その可愛さにディアルは悩殺されてしまった。
「あー、もう、可愛い!ミーナ可愛い!可愛すぎるっ!」
暴走しなでなでが止まらないディアル。
そしてギューッと強く抱き締められたミーナ。
苦しくなって手でディアルの身体を叩いた。
「パパ、く、苦しい。」
「ああっ!ミーナ、大丈夫か!?ごめんな。苦しかったか?」
ディアルはミーナの抗議に慌てて抱擁を解き謝った。
「もうパパ。暴走して撫でまくったり強く抱き締めるのは止めてよね。」
「はい。すみませんでした。」
素直に謝るしかないディアルだった。
それはそうとして、場が落ち着いた頃、ミーナはディアルにマルクス中将とどういった話をして来たのか質問した。
「ねえパパ、こんな夜に急にマルクスさんに呼ばれたけど、何かあったの?」
本当にミーナは鋭い。
察しが良くて賢くて、その幼さで聡明なのには舌を巻く。
しかし隠しておくほどの事ではないので、ディアルは直ぐに全部話した。
「なるほどね。盗賊被害が増えてるんだ。」
「ああ。しかも色んな所で同時多発してる。只の盗賊事件とは思えない。」
神妙な面持ちで言うディアル。
ミーナも自然と表情が固くなる。
「色んな盗賊グループが繋がってるってこと?」
「いや、襲われた行商人たちの証言によると、どれも同じ格好をしていたらしい。確かに盗賊団同士の結託みたいな話は偶にあるけど、今回は行商人たちの証言全てに共通点がある。」
「格好が同じ。」
「そうだ。盗賊団同士結び付いても服装まで同じにするなんてそんなことしない。」
「それじゃあ今回の盗賊事件は全部」
「同一犯。一つの盗賊団が色んな所で商隊を襲ってる。」
証言から推測すると、証言全てに共通している同一の服装という点から、最近王国の街道五箇所で発生した盗賊被害は、同一の盗賊団によるものとなる。
ディアルもミーナと一緒に旅をする身なので、これからも色々な街道を通る。
その時に盗賊の襲撃に遭うことがあるかもしれない。
三十人以上で襲われたらミーナを無事に守り切ることが出来るだろうか?
考えただけで怖気が走る。
一刻も早く解決しなければならない。
ディアルはミーナを見詰めながらそう思った。
「パパは捜査とかするの?」
ミーナの質問にディアルはしないと答えた。
「捜査はある冒険者がやってくれてるみたいだから俺は捜査には行かないぞ。」
「そっか。良かった。」
ミーナのこと一言の真意が読めなかったディアルが真意を問うと、
「だってパパは盗賊団の捜査に行かなくて良いんだよ。これなら危ない目に遭わないでしょ。」
などと嬉しい気遣いの言葉が返って来た。
しかもとびきりの笑顔付きで。
ミーナは本当に安心したようで、緊張して固かった表情が和らいでいる。
心から心配していたと分かる。
ミーナは事件の話を聞いた時からディアルが捜査に携わるのだろうと思っていたのだ。
もしディアルが危険な捜査をするのであれば、早急な解決が必要とされる大切な任務であることは理解出来るが、出来れば行って欲しくないと思っていたのだ。
ディアルは大好きなミーナに心配された嬉しさに、思わず感涙にむせんだ。
「うぅぅ。心配してくれるなんてミーナは本当に優しいなぁ。」
「パパ、泣かないでよぉ。」
涙を流すディアルに困った顔をしたミーナ。
こんな甘い時間をこれからも過ごしていく為にも、盗賊団をぶっ飛ばさないといけないな。
絶対にミーナを傷つけさせない。
ディアルは心の中でそう固く誓った。
「よし。そろそろ寝ようか。」
「うん。そうだね。」
ディアルの一言で、ミーナはパジャマに着替えて就寝する為にいそいそとリビングを後にした。
ディアルも続いて寝室に向かった。
こうしてこの日の夜は更けていった。
翌日、ディアルはミーナを伴って魔物狩りに出ていた。
朝食を食べ終わった少し後に、マルクス中将が家を訪ねて来たのだ。
そして聞かされた。
「魔物の大量発生!」
聞いた当初は大変驚愕した。
魔物が突然大量発生したというのだ。
そしてそれが目撃された場所がなんと王都近くの街道脇の森だという。
その森は薬草が採れたり、奥へ奥へ行くとミニダンジョンのような洞窟があったりして、下級冒険者から中級冒険者まで幅広くが訪れる場所なのだ。
王都のギルドから近いというアクセスの良好さからも人気の場所となっていて、毎日誰か彼か見かけるのだ。
確かに魔物が何種類か棲息しているが、大量発生など起こったことがない。
それにそんなに強い魔物はいないので、駆け出しのルーキー冒険者も仕事や修行に来るのだ。
近くて便利で比較的安全な採取場。
そんな場所で魔物が突然大量発生した。
多くの冒険者が死んでしまうかもしれない。
被害情報を聞いたところ、既にもう何人か冒険者が犠牲になっているそうだ。
証言者曰く、Cランク冒険者パーティーが新人冒険者たちを守るように戦って逃がしたそうだ。
ディアルは胸が痛んだ。
スタンピードでも起これば王都ブランシアに魔物が流れ込むだろう。
もしそうなったらミーナにも危機が迫るかもしれない。
そう考えると寒気を感じる。
ディアルは二つ返事で任務を引き受けた。
「パパ、どうしたの?」
そんな時、ディアルとマルクス中将の所へミーナが出て来た。
「ミーナ。俺は急遽仕事へ行くことになった。」
「もしかして盗賊団のこと?」
「いやな、それとはまた別件でな、なんて言うか・・・」
「何だディアル。歯切れが悪いな。はっきり言わんか。」
「いや、だって」
「私は何を聞いても大丈夫だよ。話して。」
「娘さんはしっかりしているな。お前と違ってな。」
「俺だってしっかりしてますよ。ん、んんっ。ミーナ。王都付近の街道の森で魔物が大量発生した。」
ディアルは一つ咳払いをしてからミーナに今起こっていることを話した。
神妙な面持ちで告げられた内容にミーナは思わず息を飲んだ。
「そこって王都から結構近い所だよね?スタンピードとかは大丈夫なの?」
「ああ。俺もそのことが気になってる。早めに対処しないと危ないかもしれない。」
「そうだな。私もスタンピードの懸念はある。そこで西門の前に王都の騎士団を置いておいた。彼らが王都を守ってくれよう。」
「では俺たちは」
「現場へ赴き魔物を駆逐する。それだけだ。」
ディアルは力強く頷いた。
大切な人たちを護る為に、ミーナを護る為に全力で闘う。
ディアルのその意志がミーナに伝わって来る。
「パパ、私も行く。一緒に戦うよ。」
「ミーナ・・・」
駄目だ。
そう言いたかったディアルだったが、ミーナの本気の眼を見て拒否するのは父親として情けないものだ。
「分かった。一緒に魔物を倒そう。」
「うん!絶対王都を護ってみせる!」
「ほほう。ミーナちゃんは本当に頼もしいな。私もいつも以上に頑張らんとな。」
「じゃあ準備して来ます。ミーナ、出発の支度をしよう。」
「うん。」
そう言ってディアルとミーナは、魔物討伐の出立に向けて準備をしに一度中に戻ったのだった。
「着いたぞ。ここだ。」
「うわあ、王宮騎士団の人たちが集まってる!こんなに多いの見たの初めて!」
魔物大量討伐の作戦陣営に到着した三人。
そこには既にたくさんの王宮騎士たちが集まっていた。
ミーナは一度ハイサラマンダー討伐で王宮騎士たちと会っているが、その時の人数より遥かに多い。
午前中の太陽の光を浴びて輝く鎧姿は、彼らの屈強さをより強調していて、これだけいると壮観だ。
ミーナは興奮して場に似合わずはしゃいだ。
「ミーナ。王宮騎士の皆さんの前だ。騒がしくするなよ。」
「はーい。」
「お、剣聖さん。今日もよろしくお願いします。」
「おお。剣聖さんが来て下さったぞ。」
「これは心強い。」
「今作戦もきっと上手く行くだろう。」
「これはもう勝ったな。」
ディアルが来たことに次々と歓喜の声を上げる王宮騎士たち。
「ミーナちゃんもいるぞ。」
「可愛い!」
「そして強い!」
「天才魔法少女来たー!」
ミーナの活躍を知る者たちは何故か得意顔で大興奮。
これではまるでお祭り騒ぎだ。
マルクス中将はこめかみを指で押さえて溜め息を吐いた。
大量発生した魔物を討伐しようとする前にして緊張感が無さすぎることを遺憾に思っているのだろう。
しかし王国最強の剣士と謳われる剣聖ディアルと、その娘の天才魔法少女(天使)ミーナが合流したのだ。
浮かれるのも無理はない。
ディアルはこの雰囲気に苦笑するのだった。
「ただいま戻った。」
と、そこへ。
「ん?この声どこかで」
誰かが帰参して来た。
しかしその声にディアルは懐かしさを覚えた。
そして声がした方へ振り返ると、
「お前は!」
「久しいな。ディアル。」
剣帝ゼスがいた。
「本当に久し振りだな。元気にしてたようで何よりだよ。」
「俺は剣帝という異名を持っているのだ。簡単には死なんさ。」
なんとここでディアルはゼスと再会した。
実に一年振りの再会だ。
ゼスとは嘗て闘剣で死闘を繰り広げた戦友だ。
ディアルは素直に再会を喜んだ。
ゼスも心做しか嬉しそうだ。
ミーナは誰といった感じでゼスを見ている。
ここでディアルはミーナにゼスを紹介した。
「この人はゼスっていう俺の戦友だ。昔は俺は闘剣をしていて、そこの王者だった剣士だ。」
「へぇー。じゃあパパはその人を倒してチャンピオンになったんだね。」
「ああ。それで剣聖と呼ばれるようにもなったな。とにかくゼスは強いぞ。何せ剣帝と呼ばれてるくらいだ。そう言えばゼスは今は冒険者でもやってるのか?」
「ああ。王都のSランク冒険者として食い繋いでる。お前は王宮騎士だったな。それも特例で非番の。」
「「Sランク冒険者!!」」
ディアルとミーナの驚嘆の声がジャストミートで重なった。
「お前が驚くことじゃないだろ。」
「いやいや。Sランク冒険者なんて国に何人いるかってほどの最強の冒険者だぞ。」
「Sランク冒険者って宮廷魔法師より強い人もいるんでしょ?」
「ああ。厳しい規則に縛られるのが嫌いな人とかが、宮廷魔法師に匹敵する実力を持ちながら冒険者やってることがある。」
「俺はそういう方の人間でな。堅苦しい綱紀とかは気に入らん。」
「それここで言うことじゃないだろ。」
「ははは。構わん構わん。よく戻ったな。正直これには間に合わないと思っていたが。」
マルクス中将がディアルたちの元にやって来た。
ディアルは中将の言い方に違和感を覚えた。
これには間に合わない、とは一体どういうことなのだろうか?
同時に何か別のことでも依頼していたのだろうか?
「中将、ゼスは他のことにも協力していたんですか?」
「うむ。察しが良いな。ディアル君にも盗賊被害のことは話したな。それで捜査に出ている冒険者がいることも話したと思う。」
「まさかその冒険者がゼスだったんですか?」
「その通り。最速でSランク冒険者に昇り詰めた男だ。それにディアル君と親交があるようだしな。それらの情報から彼に期待したのだよ。」
「ゼスすげー。」
「闘剣でお前と出会えたからだ。お前に負けた悔しさをバネに修行に励んでいたらSランク認定を受けた。それだけだ。」
「いーやいや。それでも凄いことには変わりない。凄すぎるぞ。」
「パパ、これなら上手く行くね。」
「ああ。絶対勝とう。」
「うむ。その意気だ。そろそろ時間だな。全員集合!」
作戦開始まで残り僅か。
マルクス中将が集合を掛けた。
王宮騎士たちが集まって来る。
作戦を再度確認し隊列を組んで外に出た。
「ミーナ。危ないと思ったら迷わず退くんだ。魔物の群れを前に躊躇や下手な攻撃は厳禁だ。」
「分かった。」
「と言っても俺も一緒に戦うから心配はあんまりしないでいいぞ。」
「全員止まれ!」
マルクス中将が停止の声を掛けた。
見ると前方に大量の魔物が一望出来た。
かなり多い。それに一個体一個体が禍々しい魔力を帯びている。
「全部が強個体!!!」
「くっ。」
「少し間引いたが毛程も効果が無いな。」
「パパ」
ミーナが不安そうにディアルの袖を掴む。
騎士たちも皆士気が低下して来ている。
戦う前から恐れをなしているのだ。
「怯むな!隊列を組み替える。奴らを狩るぞ。」
「やってやるさ。俺が先陣を切ります。」
「そうだな。俺も行こう。」
ディアルとゼスが黒い群れに果敢に突っ込んだ。
前途多難な魔物大量討伐が幕を開けた。