ワタシにはない、その心をください!
___20XX年! ワタシはある博士の元で造られたの。
ワタシの名前は、【ブレーミー】
博士は、ワタシを本当の娘のように可愛がってくれたわ!
“愛”というモノを持ってね!
・・・だけど?
ワタシには、その【愛】がよく分からないの!
___どんなに有能で、何でも出来るワタシでも、、、。
この【愛】というモノだけは理解できなかったのよ!
・・・だからね?
ワタシは、博士に聞いた事があるの!
『___ねえ、博士?』
『___なんだい! ブレーミー?』
『___人間には、“愛”があるけど? ワタシにはその愛の意味が
よく分からないの! ワタシはロボットよ! こんなワタシでも愛が
いつか? 芽生える時がくるのかしら? 博士は、どう思う、、、?』
『・・・そうだねぇ~僕は、ブレーミー次第だと思っているんだよ!
キミがロボットであっても、、、いつか? 【愛】を手に入れる時が
くるんだとね! “愛”ってね? みんなに平等なモノなんだと僕はそう
思っているんだ! そのうち、ブレーミーにだって! きっと分かるよ!』
『・・・博士、ワタシ頑張るわ!』
『___あぁ! 僕もずっと、ブレーミーの傍にいるから! 一緒に頑張
って行こうな!』
『・・・ううん。』
___博士は、そう言ってくれたけど、、、。
もう、博士はいない!!!
・・・博士は、82歳で亡くなってしまったわ!
老衰だったの!
___人間としては、十分に生きたんだと思うわ!
*
___でも?
ワタシは、歳も取らないし! 死ぬ事もないわ!
ずっと、生き続けるのよ!
【愛】を知る事もなく! ずっとずっと、、、。
▽
___でもね?
そんな時だった! ワタシは、“運命の出会い”をしたの!
ある男性に、心惹かれてしまったわ!
・・・彼の事を考えただけで、心が締め付けられる!
こんな想いは、、、博士にも思った事がない感情だったの!
・・・ワタシは、直ぐに彼に声をかける事にしたんだけど、、、?
彼の前だと、ワタシの想っている事が言えないのよ!
胸がドキドキして、【緊張】というモノをするのか?
彼に近づく事も、躊躇ってしまったの、、、!
・・・これが! “誰かを【愛する心】なのかな、、、?”
▼
___でも、そんなワタシに彼が気づいてくれて、、、。
ワタシは、彼と仲良くなる事が出来たの!
彼の名前は、『ユウヤ・ナカムラ』という男性よ!
歳は、29歳で独身、3年間彼女なし! 仕事は、プライミス
という筋肉自慢の人達を集めて! コンクールなどに出れる
ように協力する仕事をしているわ!
・・・だからね?
彼も、筋肉が凄いのよ!
逞しい男性は、ワタシは嫌いじゃないわ!
どちらかといえば? タイプかしらね!
___そんな彼と、一緒に居れる事が嬉しかったの!
はじめて、博士以外の男性とずっと傍に居たいと想えたわ!
・・・これが!
博士が言っていた! 【愛】というモノなら、、、?
ワタシは、彼の傍にずっといたい!!!
▽
___だけど?
彼と上手く行きだしたと思っていた矢先に、、、。
彼が、ワタシにこんな事を聞いてきたの、、、!
『___まさか!? なんだけど? ブレーミー! 君は“ロボット”
なの?』
___ワタシは、何のためらいもなく直ぐにこう答えたわ!
『そうよ! ワタシは、ロボットよ!』
___彼は、悲しそうにこう言ったわ!
『・・・そうなんだね、』と、、、。
▼
___その日から、ワタシは彼と会う事が出来なくなってしまったの!
彼は、もうワタシと会いたくないと言ってきたから!
・・・それって? “ワタシがロボット”だからなの、、、?
*
___結局、ワタシは【愛】というモノを知る事は出来なかったのよ!
人の心を持たない! ロボットはガラクタと一緒だと言われたから!
・・・ワタシは、ショックで家の中に引きこもってしまったわ!
何年も、何十年も、何百年も、、、ずっとずっと、、、。
・・・気がつけば?
ワタシは、ホコリを被り誰の目にも触れなくなった。
___誰とも関わる事なく! 一人寂しく。
古びた家の片隅でホコリを被って、今もそこにワタシは居るのよ。
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