ツンデレな幼馴染に「別にあんたのことなんて好きじゃないんだからね!!」って言われたから「俺もだよ」って答えたら走って行ってしまったんだけど
俺には幼馴染がいる。昔はそれなりに仲良かったがやはり思春期という事もあって、疎遠になった……などということはなかった。でもなんか拗らせてるんだよ。あいつ大丈夫かなぁ。
「うおっ」
「うおって、何よ刹那、人の顔をみてもっという言葉はないわけ? その……たまたま会ったから、あなたがどうしてもっていうなら一緒に登校してあげてもいいんだからね」
今朝も家を出ると玄関の前で出会った。中学から毎朝毎朝そう言って一緒に登校してるんだけど、どんだけの偶然だよと思う。マジで時間ぴったり遭遇するんだからこれって運命かなって最近は思い始めている。
茶色髪にキリっとした目、強気な雰囲気の少女だ、彼女の名前は二宮桔梗。成績優秀才色兼備。人当たりもいいのになぜか俺にだけは厳しい。漫画のツンデレキャラかなって感じである。今クラス違うんだけど結構人気があるらしく、桔梗のクラスメイトからは俺にだけ彼女が本心を出しててずるいとかいわれるんだけど、ずるくないよ、こいつすっげえツンツンなんだよね。
昔はこんな感じではなかった。もっとおとなしく、引っ込み思案だったきがするのだが、人は変わるということだろう。
「毎朝毎朝ご苦労なこったな、あれか、うちに盗聴器でも仕掛けてんのか?」
「え……何をいってるのよ、いやいや……そんなわけないじゃないの、あんた頭おかしいんじゃないの。いいからさっさと行くわよ」
俺の冗談に桔梗は何やら挙動不審になった。あれ、どうしたんだろ? 盗聴器何て普通ないだろ。もっと気楽に流せよと思う。とにかく俺に拒否権はないらしい。まあこれもいつもの事である。俺はやれやれと思いながら彼女の横を歩く。黙っていれば可愛らしい顔に豊満な胸に目がいってしまう。視線にきづいたからか彼女と目があう。
「何をみてるのよ、あんたまさか一緒に登校したからって勘違いしてるんじゃない。その……べっ、べつにあんたのことなんて好きじゃないんだからね」
桔梗は顔を真っ赤にして俺に言った。いやいや、普通嫌いなやつと一緒に登校しないだろ? でも俺も「お前のおっぱい見てただけだよ」とは言えない。まあ、いつもの俺だったら「はいはい」と受け流すのだが今日はなんとなくいつもとは違う返答がしたくなった。秘儀ツンデレ返し!!
「ああ、俺もだよ。俺だって別にお前のことなんて……」
「えっ……嘘よね……」
俺の言葉を聞いた桔梗はまるでこの世の終わりかのような顔をして立ち止まった。そして彼女のひとみから涙があふれ出す。え、なに? どうしたんだよ。
「あの……桔梗? 今のは売り言葉に買い言葉って言うか……」
「刹那ひどい……」
そういうと桔梗は走ってどこかにいってしまった。ええーまじかよ……追いかけたがスポーツ万能な少女と、引きこもり体質の俺とでは体力に差がありすぎた。いや、流石に速過ぎない? もうみえないんだけど!! とりあえず学校で謝るしかないか。
書き溜めていたヤンデレヒロインの小説です。
本日夕方にもう一話投稿する予定です。よろしくお願いいたします。
まだまだこれからの物語ですがブクマなどいただけると嬉しいです。