商人の忠告
一日のうちに、三人の男に忠告された。
一人目は、ブルーノ。朝の挨拶を終えて。いつになく冴えない表情。
「どうかしたか?」
「ご相談があるのですが」
「あー、じゃあ、上に行くか」
水桶は自分で持つよ。
アーニャが、糸豆を刻んだり煮たりしてるせいで。用もないのに近付く者はおらず。
空き部屋の一つに、ブルーノを通した。乱雑な様子にも、漂ってるはずの臭いにも、眉一つ動かさない。それどころじゃないって感じだな。
「何からお話すればよいか。つまりは、私の通っている学校のことです」
オレも前々から興味はあった。ただ、場所がな。議事室や役所の上のエリア。あの広報、聞いたら近付きたくない。まあ、対策はしてるから、そこまで神経質になる必要もないわけだが。
「うん。何かトラブルでも?」
「私は、学生の身分ではあるのですが、後輩の指導にもあたります」
あらためて年生を聞いたことはない。アーニャより確実に上だろう。殊更、誇ることはしないが。教師と同等、もしくはそれ以上の働きはしてそうだ。
「その関係で。学長代理および教師陣の定例会議に、発言権はないながら出席を許されているのです」
「うん」
なんか、いつものブルーノらしくない。奥歯にものが挟まったような物言いだな、と思ったら。
「会議の内容を他言しないと誓っているので。肝心なことを、お話することができず」
それでも話そうとするから、額に脂汗が。うわぁ。アーニャが嘘吐けないとか言ってたの、オレ、軽く考えてた。こんなに縛りの強いものだとは。ブルーノの性格によるところも大きいか。
「うん、わかった」
詳しくは、わからないけど。
「ようは、オレがその内容を把握する必要があるってことだな」
「おっしゃる通りです」
心底ほっしたように、ブルーノは姿勢を崩した。ほんと、珍しい。
「その会議って、毎日あるのか?」
「はい。メンバーの都合によって、時間は変わりますが。本日は、午後一時からございます」
そういう情報は、口にしてもかまわなんだな。
「構内の見学は、誰でもできますので。たまたま、会議室の近くを通り掛かっていただけないかと」
つまり、盗み聞きをしろと。
「わかった。前から、学校には興味あったんだ」
「ご覧いただくに値するものは、まず、ないかと。ああ、資料庫にいくつか、面白いものがあるかもしれません」
「楽しみにしとく」
お迎えに上がります、と言うので。場所はわかるから、と。近くで待ち合わせることに。
来た時より、ずっと明るい表情で、ブルーノは帰っていった。
口から出まかせってわけじゃない。用心は忘れず、楽しもう。
不自然に見えないように、水桶持参で蜂の巣探し。
重い。皮子が入ってるせいもある。底に垂れた分だけで満足してるから。まあ、いいか。
糸豆と蜂蜜、どっちの方が強いんだ? 不安が拭えず、そのままエイト商会に持ち込む。店が見える前に、肌を覆ってる皮子からお知らせ。何、いい匂い?
おおっ。考えたな、店頭で試食販売してる。その割に客が少ない。まず、立ち止まらない。立ち止まっても、微妙な距離。いままで、こういう形態なかったのか。受け手も、どうしたらいいかわからない、って感じ。
「あ、リュウイチ」
「精が出るね」
軽く挨拶して、横を通り抜けようとしたのに。なぜ、袖を引く?
「うまいこと考えたじゃないか。がんばれ」
「俺達だけで醤油味の肉食いまくったの、ボスが根に持ってて。ここにある分、全部売るまで、肉食わせないって言うんだ」
それ、オレのせいか? 捨てられた小犬のような目で見ないでくれ。
「少しだけだぞ」
「よ、よかったぁ」
いや、オレが手伝っても、どうにかなる保証はないから。
「取り敢えず、これ買い取ってもらいに来たんだが」
「あ、俺。奥に持ってっておく」
逃がすか。
「新品の前掛け人数分、持ってきてくれ」
「お、おう」
「それから、きれいめの箱に。捨ててもいいけど、きれいめの袋かけてな。清潔な手拭い二本と」
って、一緒に行った方が早いか。
何に使うのかわからず、右往左往する男に、あれこれ指示を飛ばしながら。いいのかね、と冷や汗ものだ。エイトの偉いところは、ある程度、店員に権限を与えてることか。商品を売るためとはいえ、他の商品、無許可で使えるなんて、すごい。
この格好、顔隠せるし気に入ってんだけど。客相手ではしょうがない。フードを取って、パリっとしたエプロンをする。
「余計なお世話するぞー」
「いや、ほんと、助かる」
なんで、息も絶え絶え? ああ。一人、店頭に残されて。料理は好きだけど、人前苦手ってやつか。とりあえず、よれた前掛けを、新しいのに変えさせる。
隣の桶で手洗い。さて、やりますか。
まずは、試食の肉を一口大に切ることを要求する。確かに、旨そうに焼けてるし、皿にフォークも添えてあるが? 道を歩いてて、いきなり手の平サイズの肉、突き出されても。どうしていいかわからんだろ。
ごっつい棘が一束、百五十ミミ。調理器具売り場に置かれてて。用途を聞いたら、料理する時に食材とめるのに使う、って。名前はまんま棘だが。爪楊枝、ゲット。肉一切れにつき一本、刺します。
「こんなサイズで食った気するか?」
「それは、あくまであなたの感覚です。周りをご覧なさい。美しいお姉様方の、上品な口元を」
突然の切替えに、目を白黒させる男を尻目に。徐々に数を増やす女達を示す。あからさまな世辞を、って嫌がられる可能性もあるが。おちょぼ口を手で隠して、素直に喜んでる。よかった。
気の強そうな女に的をしぼる。
「こんにちは。お買い物ですか?」
買い物かご提げてんだ。見ればわかるが、まあ、話のきっかけってことで。
「ええ、まあ」
「勝手に見ちゃってわるいけど。選んだお野菜、みんな新鮮。さては、お料理上手?」
「そ、そんなこともないけど」
「毎日、献立考えるの大変でしょう」
「そう。ほんと、困るわ」
そこで、さっと、試食の皿を。
「新しい味、試してみません? いつもとまったく同じ食材で、まったく違う味になりますよ。試食ですから、もちろんお代はいただきません」
はっきり、言おう。オレは営業が下手だ。巧みな営業トークにさらされてない人たち相手だから、まあ、何とか。
「本当? まあ、只なんて気が引けるわ」
「ほんの一口ですから」
「そ、そうね。じゃあ、いただくわ」
ありがとうございっ。
「あ、棘はこちらに捨ててください。手がべたついたら、こっちで拭いていただいて」
一人が手本を示せば、後に続く者が出る。ああ、よかった。
調理の仕方の説明は、得意な奴に任せる。朴訥としたしゃべりだが。聞く気になった女たちは、遠慮なく質問してくるから。誠実に答えればいい。
オレは、輪から締め出されてる、男達の方に、試食の皿を持っていく。
「こんな味は、どう? 酒のつまみにもなるよ?」
「ほんとか?」
「ほんと、ほんと。最近、流行りの串焼き、知ってる? あれと、同じ調味料使ってるんだ」
「へぇ」
「それに、まあ、これは只だし。試して損はないだろ?」
ならば、と。食い付かせるまでが大変。
徳利に入った醤油も、小さいサイズから、ちらほら売れてるようだし。もう、いいかな? オレは、あのコンロがちょっと気になって。燃料、灯油か?
あー、違う。オレ、蜂の巣売りにきたんだった。いちばん右手が、専用カウンターのようだ。
「よくまあ、刺されもせずに。こんなきれいな状態で持ってくるもんだ。見付けるのも大変だろう?」
前より、買い取り価格が上。最初から、こうすればよかったよ。
代金を受け取ったところで、ペコから伝聞。エイト、上に来い。って。査定待ちの客が並んでる。忙しそうな店員に、案内しろとは言えない。
「エイトに。上に来いって、呼ばれてるんだが」
ちょっと首を傾げたが。
「まあ、リュウイチだもんな」
わけのわからない理屈で、奥の階段を示される。
「おじゃまします」
会う奴、会う奴。一応方向は指示してくれるんだが。迷路だよ。
覗くつもりもなく、見えた室内は。それぞれ木製の棚に、糸あり、反物あり。変な仮面や、剥製。骨董品みたいな壺とか、鎧なんかもあった。こういうごちゃごちゃした感じ、とても楽しい。このまま客入れても受けそうな。まあ、人ん家のことだ。
最終的には気配を頼りに。ここ、三階のどっかだと思うんだが。
開いてるドアを礼儀上ノック。
「おう、入れ」
執務室だな。居心地よくするための工夫なのか。馬の鞍とか、水牛の角とか。適当に置かれてる感じだが。ちょっとでも動かすとわかる奴もいるし。ぶつからないように気を付けて、机の前に立つ。
「まあ、座れ」
今度の椅子は、前より高そう。気取る間柄でもないので。
「んじゃあ、失礼して」
「こないだも、今日も。持ち込みありがとうよ」
「いや。こっちこそ、いい値で買い取ってもらって助かる」
わざわざ呼んで、挨拶でもあるまい。
「何か、あったか?」
「こっちじゃねぇ。そっちの話だ」
「オレ?」
さすがは商人。自分が不利になる約束は、そう簡単にはしないらしく。かなりの情報を流してくれた。
エイトによると、こうだ。
一月ほど前に、女村で何かがあった。伝聞は来たが、内容が荒唐無稽で。議会はとりあわず。
直接、村から使者が来て。話は聞いたが、やはり腰は重い。とりあえず、広報と伝聞による注意喚起。
再三の要請に、やっと調査員を派遣。村人全員から聞き取りを行う。
持ち帰った情報をもとに、識者に意見を聞き。協議をくり返して。はじめて事実だと認定。
「内容は、さすがに俺も知らなかった」
はい、過去形。エイトには、ペコが付いてるからな。椅子から腰を浮かせかけて、思い直した。オレをどうにかする気なら、こんな話はしない。
「いま、わかってることは。あの、訳のわからん伝聞と広報。それが差すと思われるだろう男の一人が、目の前にいるってことだ」
ブルーノの時と同じだな。エイトにしては、回りくどい言い方。
「思われるだろう男の一人?」
「まず、現れた時期が合う。ふつうの一年生坊主と比べて、知識がありすぎる。あとは、俺の勘だ」
心臓がうるさい。ゆっくり呼吸して。表情、変わってないといいが。
女村に生まれた男とオレ。完全にイコールじゃない。
「ふつうより少し、長く上にいただけだ」
「まあ、そういう奴もたまにはいる」
エイト自身がそうかもな。
オレは、誘引の気を時々、振り撒いたことになってる。それを知る人達がいる。むやみに吹聴するとは思わないが。そこは黄色信号。
影が濃いのを、不特定多数に見られた可能性もある。それがオレにつながるか? ブルーノが話すとは思えないが。朝の相談。立場上、詰問されると答えざるを得ないとか? そこも一応マイナスポイントとしておこう。
臍は大丈夫だ。完璧に隠し切ってる。皮子のおかげだな。もしもの時は、腹見せて抗弁できる。
「議会はいつでものんびりだ。役所の方が動き出してる。まだ、候補を上げてる段階らしいが。そろそろ、そいつらの周辺を嗅ぎまわって、証拠を積み上げていくぞ」
議会にも、役所にも、コネがあるらしい。賄賂かな。
探されてるって。ネッシーとか、UFOとか。宇宙人か、オレは。未知のものに引かれる心理。もしくは恐れから、知って安心したいってのは、わからなくもない。あくまで、対象が自分でなければ。
「それが事実かどうかは置いといて」
「置いとくのかよ」
「捕まえてどうする気なんだ? 投獄して拷問とか?」
「なんつう想像しやがる。んなことするか。まあ。そう、におわせて脅すのがせいぜいだろうな」
実際、何か罪を犯したわけじゃない。あー、軽い公害にあった婦人たちがいたね。
「何かこじつけて言い出す奴がいても、必ず反対する奴がいる」
議会はそのようにできている。何でも、議員は十二人。議長を置かず、多数決で決めようとするから。いつも割れるんだとか。意思決定、遅いわけだよ。
おかげでオレが有利だが。何だ、この飯事感。
「お前は自覚してねぇが、すでに相当、目立ってるぞ」
おかしい。あんなに、あれこれ頑張ったのに。
「あいつらは、囲い込みてぇんだよ」
わからん。
エイトは、根気強く説明する。議会というものの存在意義。
「街が潤うこと。自分たちの地位が保たれること。そのために役立つ人材を側におくこと。奴らが考えるのはそれだけだ」
出自がどうとかより、何をできるかが重要だなんて。文字面は革新的。
オレがそれを望むなら。多少の不自由さはあるが、恵まれた生活を送れるだろう、とエイトは言った。
「議会が公認するたぁ、そういうことだ。許可なく街を出ることはできない。めちゃくちゃ儲かるってことはないが、金苦労はしなくてすむ。そういう暮らしをしたいなら。まあ、そのまま。何もしなくていい」
信じ込めば、嘘じゃない。それを積み重ねた推論。実は危険な状態、なんてことも、無きにしも非ず?
エイトの言うことが事実だとして。悪くない条件だが。お勤めは、もういいや。
第一、街を出ていけないから居るのと。いつでも出られるけど居るのは、違う。
「何か、しろ? 街を出てけて聞こえるんだが」
嫌になった段階で、ぶっちぎって逃げてもいいんだが。一生、ウォンテッドされるのは面倒すぎる。
「出るなら、手助けしてやる」
「円満解決にもってけるのか?」
「なぁに、簡単だ。召喚される前に、街を出ちまえばいい」
役所の出頭命令を無視するとどうなるかは。アーニャが体を張って示してくれた。どうやら街の外は治外法権らしく。
「でも。それじゃ、帰ってきた途端お縄だろ?」
「その頃には忘れてるから大丈夫だ」
嘘だろ? 一年経つと、すべての案件が白紙に戻るとか。重犯罪がないから、そんな調子なのか。頭の中にしか記録できないし。
馬車と、馬と。名目上の荷物を用意してくれるって。身一つでも、生き抜けるとは思うが。過信は禁物か。街門の外がどうなってるかわからない。必要になる予感。
「まだ、できてないが。孟の作る簪三本で買うっていうのは?」
議会を思いっきり悪役に仕立てて。オレを脅かしてもいいのに、そうしない。悪い奴じゃないが、あんまり借りは作りたくない。
「馬鹿たれ。くたびれた馬ならともかく。馬車がそうそう買えるかよ」
値段を聞いてびっくり。丸が一つ違ってた。
「だから、やるわけじゃねぇ。貸すだけだ」
それが、怖いんだが。背に腹は代えられんってやつか。
「もちろん、簪は買い取るぞ。孟と言えば、屏風っていったか。明日から、店の前で披露する。一度くらい見にこい」
「ああ、うん」
できたんだ。じゃあ、さざんがきゅう、そのあと三日。いくらなんでも、そこまでの猶予はないよな。
「簪の他に、孟に頼んでるものがあって。それは売らないけど。送料払うから、オレが行く先の支店に届けてくれないか? 何の道、荷物の輸送は頻繁にするんだろ?」
「あ? どういうこった」
「街中でも。知り合いに頼んで、伝言とか。ちょっとした品物を届けてもらうだろ? あれを長距離。有料で、そのかわり確実に頼むってこと」
「そんなもんが商売になんのか。ああ、なるな。よし、やろう」
話が早い。後は、あれだな。
「簪売った分の金、預かってて、どこの支店でも引き出せるようにしてくれないか?」
山賊なんて、いるかどうか知らんが。他所へ行ったら、嘘吐きに注意。オレ、騙されやすいから。
「こりゃあまた、無茶で、おもしれぇことを」
この場合、残金は後で照らし合わせるにしても。本人を証明するのが大変だ。
やはり、サインか印鑑か。拇印は困る。人前で押せないし。
識字率が高ければ、筆跡を見分けることもできるだろうが。いまはまだ無理だ。
木や動物由来の材料で、印鑑もいいけど。オレ、封蝋印に憧れてたんだよな。中でも指輪印章。ワックスを炙る手間が掛かり。あとは、見本を各支店に配っておかないとならないが。
適当なデザインを薄板に描いて説明したら、エイトも作ると言いだした。
「やっぱりな。お前みてぇな奴は、好きにさせてた方がいいんだ」
損得勘定うまいが、それだけでもない? よくわからん。自分の感情に素直なのは確かだ。
「俺も、もうちょい若くて身軽ならな。共に旅してぇくらいだ」
「え、あ。ありがとう?」
遅れて照れが来た。スパニッシュー。こっちは、ばりばりの日本人なんじゃぁ。
「その代わりと言っちゃなんだが。支店には顔を出せ。珍品はもちろんだが。ありふれたもんでも、ちょいと手を加えれば役に立つ。そういうの得意だろ。馬車の貸賃はそれで勘弁してやる」
ゆるい紐付きの旅。街に居続けるのと、何が違うのかと問われれば。正直、答えに窮するが。呼吸が楽な方がいいよな。頼れるバックが付いたと思おう。いまのところ。
「わかった」
「わかったって。考えとくって、ことか?」
え? さっき、けっこう詰めた話してたよな? あくまで仮定として受け取られてたのか。
「いや。出るって方向で、準備を進めておいてくれ」
さすがに即決するとは思っていなかったらしく。口を開いたまま数秒固まる。珍しいエイトが見られた。
「猶予はどれくらいあると思う?」
すぐに立ち直って、答える。
「一週間ってとこだな」
議会も役所も悠長だな。と、考えてるオレが、いちばんの暢気者。そもそも、こんな事態ははじめから想定できたわけで。
「まあ、それくらいに思っておけば安全ってこった。二週間かかってもおかしくねぇ」
「そうか。それなら、いろいろ片付けて行けるな」
あ、でも、こっちの一週間って、五日だっけ。
大波の時と同じだ。慌てず急ごう。
とりあえず、役所に行って。住居の手続きかな。
部屋の借り方を訪ねると、エイトはあきれたように笑ってた。
「まあ、向こうを油断させるられるか」
いや。そこまでは考えてなかった。ただ、後で細かいところ突かれたくない。
手続きは簡単だった。役所の窓口で、希望の部屋番号を告げる。数年分でも、数カ月分でも、一日分でも。家賃をその場で払うだけ。あくまで自己申告。一応、薄板に部屋番号と払った金額、書いとくみたいだが。これじゃ、誰が借りてるのかわからない。職員もいちいち覚えてられないって感じ。退去時の申告は不要だから、と面倒臭そうに言われた。
「ひとまず、一月分の家賃を納めます」
微妙な罪悪感もこれで消える。
「九千九百九十ミミだ」
安っ。半分は捨てることになるが。そこは、エイトの言じゃないが。偽装工作ってことで。
ぎりぎりまで秘密にしておくべき。そう考え、すぐに思い直す。せっかくの偽の名目。話さない方が不自然だ。
いちばんの問題。西の街門が、まだ見えない。修学旅行と同じだ。準備してる間に、段々とその気になることを祈ろう。




