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プロローグ 『村での生活』

※この作品は結構重く、残酷な話になっています。


僕はラング・ガンデイル。

ごく普通の村人、ってことになっているが、僕の種族は魔人族だ。

ちなみに年は十七歳。


頭には、角が生えてるが、髪の毛で隠してる。

角が小さくて本当に助かった。


この世界では魔人族や亜人族は、人間族に差別を受けている。

およそ五百年前、人間族と魔人族が戦争していた。

そして僕の種族、魔人族は負けてしまった。


だから、魔人族より人間族のほうが多い。


なぜ、人間は差別をするのだろう。

もちろん、差別をしない優しい人間もたくさんいるだろう。それはわかってる。

でも、差別をする人間の方が多い。


差別するのには、理由がある人もいる。家族が魔人に殺されたとか。

でもそれは悪い心を持った魔人だ。

なのに、普通に優しい心を持った魔人までそいつらと同じと思われる。

人間にも悪いやつはいるだろうに。

だから、人間は嫌いだ。

だけど、この人たちは違う。

いつも笑顔で接してくれるし、悪いことしてしまったときはちゃんと叱ってくれる。

例え僕が魔人とバレても差別することはないだろう。



僕は魔人であることを隠して、村人、として過ごしている。

この村は貧乏でお金があまりない。だから、食料とかは自分でイノシシとかを狩ったり、木の実をとったりしないといけない。

でも、僕はこの生活に不満は抱いてない。

だって、優しい人たちがいるから。


あ、風呂はちゃんと入ってるから。


「ラング~!」


僕のところに笑顔で走ってくる彼は、エルザ・イガラム。

僕の友達であり、かけがえのない存在だ。


「遊びに行こうぜ~」

「もう何言ってんの、エルザ。さっきメランおじさんに服を洗えって言われたでしょ?」


メランおじさんってのはエルザのお母さんの兄で親が忙しいときに面倒を見てくれる。


「え~、殺されるならまだしも怒られるだけだろ?だったら別にいいじゃんか」


エルザは相変わらずの悪ガキだ。

いつの間にか、エルザの後ろにごつい体形をした男が立っていた。

あの人がメランおじさんだ。

おじさんは、手に拳を握ってエルザの頭に振り下ろした。


「なんの話をしてるんだ?クソガキ」


笑顔で言うとそれはそれで怖い。


「いってぇ、何するんだよ、おじさん」

「うるせえ!ちゃんと手伝いしろ!」


最後にそう言い放ち、もう一度頭を殴る。

エルザの顔を見るに、相当痛いことがわかる。


「わかったよ、ったく、なんで俺がこんな目に」


愚痴をこぼし、しぶしぶ洗濯しに向かうエルザに、ついていくように僕も向かった。




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