概要・設定集
(仮)生物兵器及びパワードスーツを題材とした構想
次に企画している作品の構想です。ご意見等あれば宜しくお願いします。
あらすじ
シーズン1
中国の宇宙進出が活発となった。2023年、中国は国家の一大プロジェクトをたて、月の裏側に有人探査機を打ち上げた。この探査機の目的は調査ではなく、月表面に付着している物質を収集することにあった。そして2024年、探査機はソマリアに着陸。中国軍が回収に向かった。しかし、回収部隊との通信は途絶。中国政府は現地の武装グループに襲撃されたとの見解を示し、宇宙飛行士の救助を目的に特殊部隊を現地に派遣した。ちなみに2024年のソマリアは太陽光発電による国家収入を得はじめ、治安は安定していた。それに伴い国家的な建設プロジェクトが各地で始まり、日本政府はこれを支援すべく自衛隊の施設科部隊を派遣していた。これにより、現地住民との交流がより一層深まり、この結果を見た日本政府は国内企業の進出を検討し始めた。しかし、突如としてソマリア国内にて頻発し始めた不可解な殺戮事件。自衛隊は警戒を強めながらも通常業務に励んでいた。が、ある日、学校建設をしている小さな村に正体不明の奇怪生物が出現。人型の奇怪生物は住民を殺し始めた。パニック状態となる村の状況を見、自衛隊の現場指揮官は正当防衛による危害射撃を命令した。しかし小銃弾による攻撃は効かなかった。結果、駐屯地から増援部隊が到着した時にはその場にいた住民と、自衛隊員全員が死亡。奇怪生物は既におらず、増援部隊は死亡した隊員のヘルメットに装着されていた記録用のカメラを回収した。カメラはすぐに司令部に持ち込まれ、分析が行われた。小銃弾を全く受け付けない全く未知の奇怪生物。その悍ましい姿に全員が驚愕し、派遣隊の指揮官を務める隊長はすぐに撤退の指示を下した。この生物に基地を襲われたならば、隊員の生命の保証が出来ないからだ。事実、8名の隊員が殉職しており迷うという選択はなかった。隊長は防衛省と国連に連絡を入れようとした。が、突如として発生したシステムダウンと障害に、自衛隊基地は孤立無援の状態となった。原因は中国軍にあり、生物に関するデータの引き渡しを求めてきた。部下の命を第一に考える隊長は即座にデータの引き渡しを承諾した。しかし、データを引き渡しただけでは済まず、中国軍は口封じを目的として、生物が捕獲されるまで基地から出ないよう勧告をしてきた。基地から出た隊員については、その場で射殺すると宣言し、また通信を行い暴露しようとしたならば基地ごと爆撃するとまで警告をしてきた。事実、基地周辺には中国軍の大部隊が展開していた。普段であれば怪しまれる動きであるが、中国外務省は会見においてソマリア近海において海軍の遠征訓練を実施する旨を既に発表しており、日本政府はこの事態に何も感じていなかった。
孤立無援と化したソマリア派遣部隊。隊員らが身動き一つ取れない中、外では中国軍による生物捕獲又は殲滅する作戦が展開された。兵士の多さにモノを言わせ、沿岸部からローラー作戦を開始した。そして二日目、中規模の街で休憩していた部隊が生物を発見し、街は戦場と化した。中国軍は一匹の奇怪生物に対し次々と部隊を派遣、戦車や装甲車も送り込まれたが部隊は全滅。街は焦土と化した。しかし、中国政府は街一つ潰しても意志は変わらなかった。巨額の支援金をソマリア政府にちらつかせ、新たに部隊を派遣。生物の捕獲に躍起になっていた。その頃、自衛隊はというと、生物に襲われた隊員の遺体を解剖し、生物の弱点を分析していた。隊員の遺体は生物の細胞によって浸食され見るも無残な姿になりつつあったからだ。このまま浸食が進めばこの隊員も動き出すかもしれない。その前に弱点を調べなければいけない。その思いから、包囲している中国軍の目をかいくぐり研究。そして結果、生物は極度の冷たさに弱い事が判明した。冷凍庫に生物の細胞を入れるとたちまち細胞崩壊を起こしてしまうのだ。これを受け、隊長は浸食された隊員を冷凍庫に入れ、国連に送る空輸準備を始めた。
その頃、防衛省では一週間に渡り連絡の取れなくなったソマリア派遣隊の安否確認に奔走していた。当初は中国軍が行っていた演習のせいだと思っており気にしていなかったが余りにも連絡が取れず、その安否を確認するため特戦群の派遣を決定し、即日C2輸送機にて現地に飛んだ。そして生物はというと、中国軍の猛攻撃によってようやく倒れ中国国内に移送が決まった。これを受け中国軍はソマリアから直ちに撤退。自衛隊基地の包囲も解かれた。しかし、感の良い中国軍将校によって、殉職した隊員の遺体は中国に捕られてしまった。だが、隠しながら行っていた研究材料は安否確認に来たC2輸送機の部隊に引き継がれ、国内に運び込むことが出来た。そして、このソマリアでの事件を知った日本は、生物への対応策をとることを余儀なくされることとなる。
シーズン2
ソマリア事件から二年。日本の公表によって中国は隠し切れなくなり、生物の存在は世界に知られることとなった。
よって、地球に存在してはいけない細胞であるとの国連決議に基づき、N細胞と名付けられた細胞はWHO監視の元、処分された。しかし中国はN細胞の培養に成功。軍事利用を目的に研究を進めていた。この動きを日本は察知、防衛上の観点から、N細胞に浸食された生物兵器に対抗する技術の習得を急いだ。そして開発されたのがパワードスーツであった。
試作タイプとして開発されたスーツであったが、性能は上々であり、すぐに配備が決まった。しかし、コストが掛かりすぎる事と、中国が確かにまだN細胞を持っているという物的証拠はなく、このパワードスーツに予算を割くことが出来なかった。よって、一着のみが統幕内に新設された部隊に配置された。
それから一年。生物災害は世界で一回も起こらなかった。そのため、パワードスーツの存在を知っている議員からは部隊の解体を望む声があがり始めた。
防衛省も、生物災害の起きていない現実に渋々、解体を承諾した。しかし、解体一週間前、神戸にて奇怪生物の出現が確認された。中国から運ばれてきたコンテナの中に入っており作業員が被害にあっていた。これを受け、初の戦闘となるパワードスーツの部隊。これを契機に日本各地で奇怪生物の出現が重なるようになった。その度に立ち向かう姿を描く。しかし、黒幕が暗躍をする。
設定
・N細胞
月に降り注いだ隕石に付着していた細胞。寒さに弱い。月で捕れた理由は、探査機が丁度月の正午に採取したため。夜であれば寒さから死滅している。しかし偶然、N細胞が付着していた隕石が探査機が来る前に月に落ちた。そのため死なず、地球への帰路の途中に小さな隕石を素手で触ってしまった宇宙飛行士に付着。悍ましい生物に変えてしまった。
・奇怪生物
N細胞に浸食された人間の成れの果て。主として奇怪生物に襲われる事から浸食される。
浸食初期段階においては、生前の姿を保っているがN細胞の起こす力によって筋力は桁外れである。また生前の姿を保っていることから、一番に周りの人間を浸食してしまう形態でもある。中期から後期段階においてはもはや人間の姿はなく、組織破壊と発達が極度に進行しており、絵に書いたような化け物になっている。初期段階においては、N細胞の本能として、細胞の増殖がその目的となっている。しかし中期から後期に掛けては自ら築き上げた領域を保持し、広めることが目的となっている。
・26式対生物戦闘防具
2026年。奇怪生物に対抗するため防衛省技術研究所が開発したパワードスーツ。
ソマリア派遣隊の情報と、国内に持ち帰ってきたN細胞を分析し設計された。全身が軽量の複合素材装甲に守られており、奇怪生物からの強打撃にも耐えうる性能を持つ。
また、装甲内に隊員の戦闘力を補完する目的からパワード機能を搭載。強打撃による攻撃を行える。
尚、この防具を装着可能なのは特戦出身の隊員であり、格闘指導教官徽章は勿論のこと、レンジャー徽章、体力徽章、射撃徽章、空挺徽章、等、任務に必要な教育訓練過程を修了し、尚且つその能力、適性がある隊員限定となる。また、任務中の判断力や決断力、他部隊を指揮する能力がいることから階級は幹部要員、体力及び経歴、年齢から鑑みるに防大出身の一等陸尉が適任となる。
・26式対生物用小銃
奇怪生物用に開発された小銃。形式は一般隊員と変わらないが、特殊弾を発射可能。液体窒素を弾頭に積めており、奇怪生物に効果のあるよう改良が加えられている。
神戸港での事件を受けて、27年より各即応機動連隊に配備が始まる。
・9ミリ拳銃(改)
1982年から自衛隊に配備されている拳銃。使い勝手の良さから一部の部隊では未だ現役であり、これも弾種を特殊弾を撃てるよう改修されている。尚、パワードスーツの右脚の太ももにホルスターを付けることが出来、任務によって使用可能。
・27式対生物弾及び発射機
神戸港での事件を受けて技研が新たに開発したパワードスーツ用のグレネード
ランチャー。原型モデルは米軍のM32。しかし対生物用に大きくしてあり、片手での所持は難しい所がある。そのため反動も大きく一般隊員が使用することは出来ない。装弾数は六発で、一発で初期浸食者なら一撃で殲滅可能。
・N細胞戦闘実験課
2024年に防衛省技術研究所内に新設されたチーム。主にN細胞と奇怪生物の研究を行い、その対抗装備を開発する。また新設当初は実験課という名前ながらも奇怪生物が出現した際には戦闘を実施する事も想定されていた。神戸事件後は重要な研究拠点となる。
・特殊戦闘隊
2025年に統合幕僚監部内に新設された部隊。中国がN細胞を培養している可能性が出てきた事から極秘裏に新設された。26式対生物戦闘防具の実戦配備に伴い、戦闘防具を用いた戦闘方法や運用方法を実地訓練にて模索。奇怪生物出現時には出動出来るよう態勢を整えていた。
・第一特殊戦闘中隊 (通称N中隊)
神戸事件を受けて、防衛省が本腰を入れ統合幕僚監部内に新設した部隊。N細胞戦闘実験課と特殊戦闘隊を一元化。市ヶ谷に拠点を置く。編制としては、本部管理小隊、戦略小隊、技術研究小隊、化学防護小隊、戦闘小隊と、中隊本部付隊になる。戦闘小隊はパワードスーツを用いた実戦部隊でそれ以外は全て支援になる。
・即応機動連隊
神戸事件を受けて既存の各方面隊にあった即応機動連隊が改編された。第一特殊戦闘中隊到着までの現場対応が主任務となる。編制面で言えば第一中隊が奇怪生物対策部隊となった。隊員の主装備を26対生物用小銃に変更し、訓練内容も他部隊とは一線を画すようになった。また、中隊の半数が化学科から異動してきた隊員で構成されている。
・奇怪生物教育訓練隊
陸上自衛隊富士学校に新編された部隊。即応機動連隊の改編に先駆けて作られ、奇怪生物との戦闘訓練を隊員に教育するのが主任務。また警察の専門部隊にも教育を行っている。神戸事件後は米軍に教育を行うなど、先進的な戦略指導を行う。
・奇怪生物対策課
全国の県警に設置された課。同じ名前の課が全国の市役所や県庁にもある。主な任務としては奇怪生物が出現した際の初動対処である。この課の隊員は全員機動隊あがりであり、自衛隊での訓練を修了した者のみである。装備は、奇怪生物の動きを鈍らせる化学弾とその発射器である。
・N細胞処理課
神戸事件における奇怪生物災害を受けて、厚生労働省内に新設された部署。業務としては、自衛隊が奇怪生物を処分した後の現場の衛生保全である。具体的にはN細胞の除染等になる。また、職員の半分は環境省からの出向である。
・復興庁
東日本大震災における復興を目的として設立された官公庁であったが、N細胞による度重なる生物災害を受け、奇怪生物等による被害後の復興も、その業務となった。よって、国会は復興庁の規模を拡大し、各種生物災害に対応出来るよう組織改革を行った。
・一般社団法人 N細胞被害者の会
N細胞によって奇怪生物になってしまった被害者の家族で構成される法人機関。会員の出資金はN細胞の不拡散を目的とした研究資金になる。また、この法人に入ったならば国から手厚い支援が受けられる。尚、この会長は時の総理大臣がなることになっている。
・N細胞医療課
全都道府県の市立病院に設立された課。業務内容はN細胞感染者の治療及び、感染拡大の阻止である。感染拡大の阻止においては、市役所及び県の業務になるが、医療面でのバックアップを行う。
・Nアラート(N細胞感染者出現における全国瞬時警報システム)
神戸事件を受けて、国会にて決議され全都道府県に義務化されたシステム。N細胞感染者又は奇怪生物の発見報告を受けた際、該当の自治体は直ちにこの警報を発する。また、このアラート発生を以て、第1戦闘中隊は派遣任務を行う。
・奇怪生物に係る自衛隊法の一部改正
神戸事件を受けて、内閣は臨時国会を召集。奇怪生物に対応出来るための法律の立案及び改正を急いだ。その中において自衛隊の出動における法律の一部と、自衛隊の武器使用に関する法律を改正した。内容としては、奇怪生物の対応に対しての出動要件は、災害派遣の1画であるとされた。よって、自衛隊は該当の都道府県の長による災害派遣要請によって出動することが可能となった。
また、武器使用に関する一部改正においては災害派遣における害獣駆除の範囲を拡大し、武器使用の上限も明文化された。
よって、方面総監の裁量により武器の使用が自由化。法律に明文化されている武器の範囲内であれば使用が出来るようになった。
しかし、武器使用に関しては総理大臣の承認が不可欠となっている。だが、承認の殆どは事後の承認となっている。
・N細胞不拡散機構
ソマリア事件を受けて、日本やアメリカ、EU各国を中心にした国際同盟である。
N細胞の研究と対処、そして不拡散と根絶の四つを主目的にしている。研究本部は日本の防衛省技術研究所である。ここでN細胞の研究が行われている。また不拡散と根絶についてであるが、これは主に軍事行動によって抑えるものであり、本部はアメリカ国防省内にある。尚、この軍事行動に参加を表明し常備部隊として世界各地に待機している人員は1000万人を超えている。これだけの人員を各国が輩出しているのは、ソマリア事件後の国連におけるN細胞に係る国際会議において、全会一致で不拡散と根絶が採択されたことが大きな要因である。N細胞による生物災害が発生した際には連合軍としてその対処にあたる。
登場人物
・佐藤武 一等陸尉
普通科所属の陸上自衛官。陸上自衛隊高等工科学校卒業後、防衛大学校、幹部候補生学校卒業後は第1普通科連隊小銃小隊長となる。その後、幹部レンジャー課程を修了。そして空挺隊員を志し、第1空挺団の小銃小隊長になる。2年務めた後、特戦隊員よりスカウトを受け特戦群に入る。二等陸尉昇任後は対化学テロ事案への対処法を学ぶため化学学校に入校する。その後、特戦群にて隊員への指導を行いつつ、格闘指導教官の資格を得るため演練に励む。格闘指導教官の徽章を手にした後、経歴を買われ市ヶ谷の統幕に出向。異動した初日に神戸事件が発生し、N中隊に配属された。