序章
まずお詫び…
ジパング〜都会の中の小さな日本〜は一部のノンフィクションによるクレームにて休載となりました
心より深くお詫び申し上げます…
今度は完全フィクションです!!
そして、あくまでコメディーです!!
安心して、楽しんでお読み下さい(笑)
岸本 政臣
8月、アスファルトを太陽がジワジワと照らし町全体に暑さが伝わる…
特にこの町は、見渡す限りアスファルトの団地の並ぶぶ住宅街で早朝五時であっても目に見えるような熱気と、蝉の鳴き声が鳴り響く、
建ち並ぶ団地の中の一号棟の中にある一家庭、早朝から忙しく食事の支度をする娘の姿がある。
加藤 綾高校二年生
父親の仕事の関係で、綾はいつもこうして早朝から母の手伝いとして家事を手伝う、いつもなら母と肩を並べて朝食の準備を行うのだが、今日はまだ、母の姿はない…
しばらくすると、あわててエプロンをしながら、母の久美子が現れる、
「おはよう、ごめんね…昨晩お父さん仕事場の人達連れてきたから遅くなっちゃって…」 手を合わせて謝る久美子に、綾はクスクス笑いながら、
「今日はもっと、ゆっくりでよかったのに…朝ご飯だけなら私一人でも大丈夫だから」と、言葉をかける。
すると、父の大祐も大きなあくびをして、頭をクシャクシャとかきながら食卓に顔を出す、
「母さん、すまんなぁ 昨日は遅くまでつき合わせちゃって」
「私はいいから、綾に謝ってちょうだい」
二人のやりとりに綾はまた、クスクスと笑う、
大祐は大工をしている為に朝が早い、 どんなに朝が早くても、一日の始まりは、家族で食事をして父を見送ろうと言う久美子の方針から朝は、家族で食事をとる、
「由香はまだ寝てるのか」
大祐が首をかしげながら障子をピシャッと開けると、綾の妹である由香のがまだ布団に入り込んでいる。
「おい、起きろ!!少しは綾を見習え!!」
気だるそうに起きてくる由香に、綾は
「おはよう」と声をかける、
「お姉ちゃんも大変ねぇ、夜中までお祭り騒ぎしてた人のお世話しなくちゃならなくて」と、嫌みを言う由香対して久美子は叱る、
ゴタゴタしながらも賑やかな朝食をむかえて加藤家の朝は始まる、六時半になると大祐も自宅を出る。 面倒くさそうに後片付けをする由香、それを手伝う綾、
久美子は洗濯物をほしながらパートに出かける準備を行う
「綾、そろそろ部活に行かないとでしょ、由香も受験生なんだから…昨日みたいに夏期講習さぼるんじゃないわよ」
二人にそう伝え、久美子はパートであるスーパーへ出かて行った。
綾は高校の陸上部に所属している、昨年も一年生でありながら関東大会で四百メートル走にて優秀な成績を残していた。
夏の地区予選にむけて今日も練習に向かうのであるが、綾は昨日から気になる事があった…
左下の奥歯に痛みを感じるのである…
昨日からズキズキと痛んでいた奥歯だが、今朝からまた調子がよろしくない、
だが、地区予選の近い綾にとってはそれどころではなかった…
部室に着くと、友人の朋美が綾に話かける、
「おはよ〜綾、昨日○○のライブ行ったんだけど最高だったよ〜超しびれた〜」 なぜか朋美は失神して倒れた…
女子陸上部、部室… だが本当に女子?と思える風景、まるでライブハウスのように流れる音楽と、短パンと下着のまま団扇を仰ぐ女子の姿もちらほら…
昨日からやっていたのかと思われる雀卓のあと、まるで獣のように、スナック菓子にむさぼりつく先輩達…
「おっはよ〜綾」と言いながらポッキーを差し出す先輩…「おはようございます…お菓子は結構です」と答える綾、
面白くない顔をして、その場を去る先輩、するとちょうどそこに顧問である吉岡が入ってきた。
「おまえら〜地区予選まであと一週間だというのに…なんだこのザマは!!、おまえら全員横にならべ!!」
「なんで私まで…先生だってわかってるでしょ…私はこの人達とはちがうって…」心の中でつぶやく綾… 「これから先生はお前らを殴る!!歯を食いしばれ!!」
「昨日なんの番組見たんだ…」と思う綾、
「明日から地獄だぞ〜一人はみんなの為にだ〜」一人目を叩く吉岡、何故か
「先生〜」と泣きながら叫ぶ部員…
「うわっ、わかった…スクール○ォーズだ…吉岡先生ただやりたかっただけだ…」と思う綾、
噛み締めるだけで痛い綾の奥歯…痛みをこらえながら、この吉岡のパフォーマンスと思える行動の終了をまつ綾、心の中で
「私にはないでしょ」と、どこかで思ってた…
「加藤…オマエまで…」吉岡はなぜか泣き出した、
「オマエは陸上辞めたら学校もやめる、加藤!!陸上はルールのある喧嘩じゃ!!」
「は?、何?、陸上も学校も辞めないし…あっ!!この人言いたいセリフ言ってるだけだ!!」と気付く綾の左頬を吉岡の右手が
「バチーン」と命中した…
綾はまるで明日の○ョーの気分だった…
頬よりも左奥歯を綾の脳がヒットした…
「だけど…ルルルル〜ル〜ル〜ル〜ルル〜」
この世の痛みとは思えない激痛を綾の神経が走った…
「ちがう…私はこんなキャラじゃない…」
そう思いながら綾は意識を無くし倒れこんだ…