最終話
何時ぞやに見た光景。海の上5メートルくらいに、テーブルとイスが宙に浮いている。椅子は2つあり、片方に男が座っていた。
「よくぞ金貨100万枚も集めたな」
「それが俺がした契約ですから・・・・・・神様」
男は3年前にケンに【治癒魔法】の力をくれて、異世界に送ってくれた神様であった。
「会うのは遅くないですか?1年で金貨100万枚分は集め終わったのですが・・・・・・」
「まさか本当に3年以内に金貨100万枚も稼ぐとは思っていなくてな。ギリギリでケンの現状を確認して処分しようと思っていたところだ」
「(ひどいいいようだな。処分って……金貨を稼いで良かった)では、金貨100万枚分をお納めください」
「うむ」
金貨を入った魔法の袋を渡した。
「確かに金貨100万枚を確認した。【治癒魔法】はそのままくれてやる」
「はい」
「ケンの過去3年以内の出来事を覗いてみた。それにしても驚いたぞ。【治癒魔法】を使わずに金貨100万枚を稼ぐとはなあ。まさか、そうくるかと。ほう、活躍したようだな?」
「はあ、そうですか……。活躍の話より、俺は約束は果たしました」
「お前。仮にも神様に向かって何という態度だ。今日は金貨100万枚を稼いだ功績。治癒魔法で貴重な人材を治癒した功績……で不問とするがな」
3年か……。3年もあれば、中には学校を卒業、就職するものもいよう。ただ、ケンはチートの魔法を貰い、金貨を100万枚稼いだだけだ。
「妹はどうしてますか?元気ですか?俺がいなくて泣いていませんか?」
「なんだ。地球に未練がまだあったのか」
「ないと言えば嘘になりますが。妹のことだけが気がかりで」
「お前のことなぞ綺麗さっぱりに忘れてるぞ。最初は都合のいい金づるがいなくなったと憤慨していたが……おっと、これは言わない方がよかったか」
「…………そうですか」
妹が元気ならいいか。言伝を頼もうかと思ったがやめることにしよう。
「ケンの弟子のミアは・・・・・・」
「あいつならイケメンの若手冒険者と駆け落ちしましたね。今はどうしてることやら。護衛に女剣士ヘルガと男戦士ニコロがいるから無事であると思います」
ケンはヘルガの恋人ニコロを救出していた。二人にはミアの護衛をお願いした。
「お前も春がきたようだな?結婚したんだって?ゴリラと」
「……人間 (ゴリラなので人間ではなかった)……顔だけではないですから(強がりではない)」
ケンはクロの3番目の嫁の娘と無理やり結婚された。
「ひとつお願いがあります」
「何だ。内容次第で叶えてやる」
「俺は昔【猿風】の男メンバーに一方的に殴られました。そのことがいまだ許せません。仕返しにいこうにも南大陸から離れるのは無理そうです。彼らの持つ全ての財産を金貨にして俺にください」
「それくらいならいいだろう」
金貨が入った袋を渡されてケンはにやりと笑う。
「俺もっと金貨を稼ぎます」
これからもケンの果てしない欲望の旅は続く。




