表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

奴隷の〇

 【治癒魔法】を使った高額依頼の仕事を『ラレッド交易都市』であるだけ受けた。(実際の仕事は弟子のミラにやらせた)ラレッド交易都市で金を稼いだので、ケンとミラは次の目的地である南にある『海辺の町ラーロック』に行くことにした。


 「ここが海辺の町『ラーロック』か」

 「……そう」


 ケンの言葉にミアは気の抜けた返事をする。

 馬車から降りたケンとミアは町に入る列に並ぶ。


 「町全体が白いな」

 「……そう」

 

 『海辺の町ラーロック』は全ての建物が白い塗料で統一されていた。

 町の景観に感動しながら今日泊まる宿、『ラッパの夜明け』を探している。


 「まだ宿に着かないな。そろそろどこかで昼飯にでもするか?」

 「……そう」

 「……いい加減機嫌を直せよ。あの男の治癒はお前が成功させた。限界まで疲れてたのにやらせた理由はもう話したよな。お前の【治癒魔法】の練習のためだよ。俺もさあ、昔おまえた同じことをやったから気持ちは分かる。(嘘だが・・・・・・)辛いよな?でもな――」


 ケンはミラを酷使させて金を稼いでいた。そのせいか、ミラの機嫌は悪い。いつ爆発してもおかしくないほどケンを憎んでいると思う。どうせ1年だ。その間搾り取るだけ利用させてもらう。こっちは「命」が掛かっているんだ。悪く思うなよ?と思いながら言い訳をミアに永延と話す。


 弁明に夢中になっていたケンの服の袖を、グイと引き寄せられた。

 下に目線を向けると7歳くらいの小さな男の子がいた。


 「だんなさん、だんなさん」

 「ん?俺の事か?」

 

 ケンは自分に指をさし子供に確認をとる。

 男の子は小さく頷く。


 「何かようかな?俺ら急いでるんだけどさ」

 「しょくじをしていきませんか?ぼくの家はしょくじをていきょうしています」


 たどたどしい口調で男の子は話していた。この年齢で仕事をしているのか?よく見れば小さい子が店番をしていたり、働いているのが目についた。意識してなかったがラレッド交易都市でも子供が働いていたな。


 「いいタイミングだ。昼飯にしようかと連れと相談していたんだ。飯は美味いか?案内してくれよ」

 「はい。おいしいとひょうばんのお店です。ぼくについてきてください」

 「ミラ、飯にするぞ」

 「……」

 

 男の子に案内された店は通りから外れた寂れた場所にあった。


 「隠れた名店的な……か。中に人はそこそこいるみたいだ。ハズレではないな」

 

 男の子は手をケンに差し出す。


 「何だ?握手でもすればいいのか」

 「チップよ。くず」

 

 ぼっそとか細い声でミアがケンに助言をする。


 「金は払いたくないがしかたがない」


 一番安い硬貨を一枚だけ渡し店の中に入ることにした。



 □



 「海の幸も悪くなかったな。どうだい?少しは機嫌を治してくれよ」

 「そうね。味は悪くはなかった。でも、それはラレッド交易都市に新鮮な魚介の流通は少ないから。ところで次はこの町で治癒の仕事を始めるつもり?」

 「そうか。ここ『海辺の町ラーロック』での、目的をまだお前に言ってなかったな。「奴隷」を手に入れるためだ。南の大陸に近く、奴隷が手に入りやすいからなあ。どんな奴隷にしようかな?綺麗な女性にしようか?」

 「屑野郎。あんたはまだ一度も【治癒魔法】を使ってない。ミアに仕事をさせてそのお金で奴隷を買う?……女の奴隷を。欲望に忠実な屑が。……ミアは知っているんだから。お父様からあんたは沢山の金貨を受け取ったことを。そのお金はお父様が【治癒魔法】をして稼いだお金。領地経営とは別に「もしも」のための!」

 

 やっとミアが話してくれた。


 「今がその「もしも」の時だ。娘である君に投資をするために俺に金を払う。だから俺が教育してあげる。お前には一度【治癒魔法】を見せただろ」

 

 言い合いをしながら、奴隷商の家に着いた。

 待合室でお茶を飲みながら待つこと10分。

 ようやく奴隷商の主がやってきた。小太りに太った中年の男だった。禿げ上がった頭を掻きながら、目はギョロっと動きこちらの懐具合を油断なく観察している。俺の恰好は仮にも神様から頂いたありがたい服装。ミラ、彼女は最初に会った時の修道服のようなものではない。村娘が着るような軽装な恰好になっていた。


 「お客様、今日はどういったご用件で」

 「ああ、紹介状はない。急いでいるんでな、腹の探り合いは無しだ。単刀直入に言う。若くて強い奴隷の男が欲しい。俺の護衛に奴隷が欲しくてな。出来れば従順な性格をしているとありがたい」

 「ほう、いいタイミングで来ました。今朝、南の大陸からの奴隷船が着まして。お客様の要望通りの強者を仕入れました。ただ……」


 言いよどむ奴隷商人の主。なんだ?怪我くらい俺やミアがいれば治せる。


 「ただ、なんだ?はっきりしろ」

 「いや、女の奴隷なんですよ……」

 「連れてきて紹介してもらえませんか?その女奴隷を」


 予想外の展開になったが強ければ問題ない。あとは人柄と値段次第だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ