ユニコーンは男嫌い
我輩はユニコーンである。
処女好きの変態獣やら性獣など呼ばれているが、我輩それについて大変遺憾に思っている。
人間とにゃんにゃんしたわけではないのに何故性犯獣扱いされなければならないのか甚だ腹ただしくおもう。
それに人間の男を角で突き殺す等野蛮な獣と言っているようだが、少女を囮に我輩らの命とも言える角を奪うのは何処の畜生かと嗤ってしまう。
人間の男を襲うのは仕方ない。
我輩達が人間の男が嫌いなのも、あいつらは臭すぎるせいなのだ。
人間風に言うと精液臭い。
我輩達はそこまで鼻が効くわけではないが人間の精液はすぐ分かってしまうのだ。
できるものなら嗅ぎたくないのだが、 人間のために鼻を潰していたらモンスターの臭いに気づけなくなってしまう。
だから人間には近づかないようにしているのだ。
ついでだからもう一つ誤解を解いておこう。
我輩達は別に処女が好きなわけではない。
ただ性行為をした女は精液の臭いが付いてしまって中々取れないのだ。
せめて4、5年は性行為から離れてから近づいて欲しいものだ。
それならまあそうだな、近づくだけならゆるしてやろう。
お前達人間も臭い奴がいるとイライラするだろう?我輩達の場合その匂いは気が触れそうなほど臭うのだ、これは原因を断つしかないため襲うのであって正当防衛なのである。
確かに我輩達は召喚されたら主人が処女でなければ契約は結べない。
故に少女の守護者など呼ばれている。
人間の貴族ではユニコーンと契約している者は一種のステータスであるらしいな。
我輩には関係ないけど。
どうせ結婚したら契約は切られるし。
ここまで言えば分かるのではないだろうか?どんなに幼くて、少女みたいとはいえ男は男、精通前だとしても男は拒否する。
「えーと、ユニコーンだからお前はユンユン!」
そう言って、目の前に立つ少年は我輩の抗弁に答えず、勝手に契約のための仮名付けをしてきた。
我輩と少年の間に仮契約の術陣が光る。
了承なしの仮契約の成功は少年の魔力の高さを証明するが、我輩は決して男に屈しない所存である。
これは本来男には召喚されないユニコーンと、魔力が強すぎて召喚の制限を壊してしまった少年との始まりの物語。