表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

第7回「トクサツガガガの仲村さんに学ぶオタクとしての生き方」~お題「オタクとしての生き方」~

~お題「オタクとしての生き方」~

 「某企業に勤務するOL,仲村叶さん(26)は仕事も出来て、愛嬌もよくて、ルックスもそこそこ良い女の人です。でも彼女にひみつがありました。重度な隠れ特撮オタクだったのです!」


 これが現在週刊少年スピリッツで連載中の「トクサツガガガ」(作者:丹羽庭先生)のあらすじです。


 この作品では特撮好きなOL仲村さんの隠れオタクな日常を描きます。


 時には好きな作品への熱い思いを爆発させたり、時には好きな作品のグッズ買いに行ったり、時にはオタク仲間と苦楽を共にし、時には周囲に自分がオタクであることがバレないような工作をしたりする姿が描かれます。


 何故、仲村さんが特撮好きか周囲に公言しないのか。


 それは「特撮=所詮子供が見るもの」という風潮のせいです。


 それでもし、特撮好きだとバレてしまって、周囲の人間から「あんなもの良い年こいてまだ見ているの?」と後ろ指を刺されて恥ずかしい思いをしたくない為に隠れオタクやっている訳です。


 特撮は素晴らしい日本の文化だと思います。自分も大好きですが、あまりそれを理解してくれない人間も確かにいます。


 「いや、好きなのだから周囲の視線を気にするな!」という意見もあると思いますが、彼女がオタクである自分を隠している最大の理由は「その昔、自分の母親に特撮好きという事を完全否定されてしまった」のがトラウマになっているからです。


 仲村さんの母親は「女の子は特撮見ちゃダメ!あんなのは男の子が見るもの!」という一方的な意見しか言わない人間でした。仲村さんは必死に集めた大切なコレクションを捨てられた事もあったようです。


 そんな事があったせいで、仲村さんはまた誰かに特撮が好きとバレてしまって、それと同じことが再び起きるのではないかと極端に恐れるようになりました。


 だから隠れオタクとしての生き方を選んだのです。


 自分も母親とかに特撮好きを否定される場合もあるので、彼女の気持ちには共感を覚えます。


 でも仲村さんはそんなトラウマのおかげで(せいで?)ある真理に到達しました。


 それは「絶対に相手の価値観を否定してはならない」という事です。


 それをやってしまうと、かつて自分の価値観を全否定した母親と同じ事をやってしまう訳です。それだけは絶対にやってはならないと彼女は考えて生きているように見えます。


 仲村さんも色々と自分の意見と、考えている事が違う相手と遭遇する場合もあります。


 自分と異なった意見を持った相手の話を聞いていて(そこは違うでしょ!)と彼女が思うシーンは何回かありました。


 でも彼女の場合はそれを聞いてあげて完全否定するのではなく、「何故相手がそう考えるのか」と理解しようと努力をする訳です。他者の完全否定は、彼女には出来ませんから。


 なかなか相手の意見を100%受け入れるのは確かに難しいと思います。


 でも、その仲村さんのやっている事は、オタクとして生きていく上でも実はとても凄い大事な事なんじゃないでしょうか。


 昨今では「つまらないアニメ(作品)が増えた」というオタクの意見をよく耳にします。


 実はこれは逆で、つまらないアニメが増えたのではなくて、「その作品の素晴らしさや価値をちゃんと理解できてない」オタクが増えたのが原因ではないでしょうか?


1つのアニメを全話も見ず、作品の善し悪しをオタク達が早急に判断してしまっているのが原因なのかもしれません。


 これにも色々原因があります。


 深夜アニメが多すぎるのです。そのせいで視聴者が全話見てない作品も沢山あります。


 最終回までたどり着けずそのアニメの視聴を途中で打ち切るオタクの多いこと、多いこと・・・


 自分もそうです。自分なりに色々見ているつもりですが、まだ見たことない作品の方が多いです。


 そういうのもあってか「魔法少女まどかマギカ」のブームで「アニメの善し悪しは第3話まで見て判断しろ!」なんて言葉まで生まれてしまいました。


 1つのアニメを最終回まで見てその作品の善し悪しを判断する時代ではないのです。


 深夜アニメ増えすぎて全部見るのは不可能です。どこかで折り合いをつけるか、最後まで視聴するかの話です。


 第1話で「これは自分の趣味ではない」と思って視聴断念した作品が、実はネットで絶賛されていて、最終回では神作と言われるようになっていたりする場合もありました。


 ネットや周囲の意見を鵜呑みにしてしまって「これつまらないでしょ?」と思って決めつけていた作品が、実は見てみたら「凄い面白いじゃないか!」というのもありました。


 そう実はまだ面白い作品は世の中ゴロゴロあると思います。オタクが勝手につまらないと判断している訳です。1回しか見たことない作品が2回目見たら凄い面白い場合もありました。ちゃんとその作品を理解して愛する事を拒んでいる可能性もあります。


 それでも「日本のアニメはもうダメ」というオタクがいるなら、洋画や海外ドラマを見てみるのもいいかもしれません。


 洋画・海外ドラマは日本のドラマやアニメでは出来ない味もあります。


 洋画・海外ドラマ多すぎてどれ見ればいいんだ・・・という話にもなってきますが。



 今のオタクには足りないのは実は理解力なのかもしれません。ネットの意見が絶対的な正義と思い込んで、それが思考を曇らせて、「素晴らしい作品」が発見出来ずにいる可能性もあります。


仲村さんの生き方には「自分の価値観が絶対的ではなく、まだ出会った事のない作品への理解力を持て」という事もあるのではないかと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ