異世界チートしたが、魔王を倒すために地球にある魔剣が必要になった件について
彼は誰もが無視したくなるような奇声を叫びながら、町をかけていた。
彼が非常に空っぽの存在だと思い、それが耐えられなくなってしまった。
それから、体が勝手に動き、気が狂っているとしか思えない行動をとっていた。
はたから見れば、異常者だった、いや本当に異常者だった。
そこから、自分の存在意義を作り出した。
そう、数年前、自分がスピリチュディアと呼ばれる世界へ転移した。
そこにきて、転移ボーナスとして脅威的な魔法の才能を与えられ、魔王ギルテムを倒した。
しかし、魔王ギルテムは復活した。
その魔王を復活させないために、この地球に眠ってるといわれている魔剣、エクスカリバーが必要ということを賢者から聞いた。
だから、この地球に戻ってきた。
「そうか・・・、そうだったのか」
っと鼻づまりの状態で涙をぽたぽたと流しながら呟いた。
彼は彼の頭の中では異世界最強の魔法使いだ。
頭の中ではあらゆる物を破壊でき、あらゆる物を創生し、あらゆる存在を殺し、あらゆる存在を生き返らせた。
そして最強の魔術師は右手を前にだし、手のひらを上に向けてつぶやく。
「炎よ発現せよ」
しかし、何も起こらなかった。
「おかしいじゃないか。魔王ギムテムによる工作活動がここまでとは」
彼は、魔王ギムテムの恐ろしさを感じた。
かれは魔法が使えないことが納得できなかった、というか納得したくなかった。
しかし、魔法が使えないことは事実であった。
彼のスマホの着信音がなった、彼はすぐにその携帯を地面に向けて叩きつけた。
スマホの画面が割れ、液晶の破片がきらきら輝いている。
そして、彼はさらに追撃を加えるように全体重を掛けてスマホを踏みつけた。
「っくそっくそ、魔法が使えなければエクスカリバーを探すことができないじゃないか」
彼は怒りをあらわにしながら、仕方がなく自宅に帰った。
自宅は駅から歩いて15分ほど離れており、決して都会とも田舎とも言い切れないところにある。
彼の部屋は生活感がある部屋だ。彼は黒色のマーカーを拾い自分の手の甲に五芒星を書いた。
そして、彼は自分の手の甲に五芒星が書いてあることに気が付いた。
「こ・・・このマークのせいか・・・。これさえなければ魔法が使えるようになる。」
「しかし、魔法の力がなくても」
彼は自宅にあるパソコンを起動した、検索エンジンに探偵と入力し、インターネットで探偵事務所を探した。
そして、彼は自宅から車で20分ほどの距離にある探偵事務所を見つけた。
彼はノートを切り取りその場所を記録し、パソコンの電源を切った。
そして彼は車を使いさっきインターネットで調べた、探偵事務所まで移動した。
その探偵事務所はマンションの一室を探偵事務所にしただけという簡素なものだった。
そして、彼は探偵事務所の中に入った。
部屋の様子は窓からは青色の空が見え、白い壁にカレンダーが貼ってある。そして何やら書類みたいなものが散らかっていた。
真ん中に長細いテーブルがあり、その後ろに見た目が30歳ぐらいの人が背もたれの無い椅子に座っていた。
「おや、おや人が来るとは珍しいですね。まあここに座ってください」
探偵はそう話した。
彼は手足を震えさせながら椅子に座った。
「浮気調査ですか、それともペット探しですか。」
探偵は依頼内容を聞こうと口を動かした。
「いえ、そういうものではなくてですね。私は異世界から来ましてねそれで魔王を倒すために必要な魔剣があるのです、それを発見することを依頼したいのです」
探偵は目を丸くしていた、そして探偵は彼を哀れみの目で見た。
「そうですか、お金はいらないので。ここから右側にまっすぐ進み、3個目の信号で右を曲がり、数メートル進んだところに病院があります。」
「そこにいる医者が魔剣について詳しいです。私はその件についてはあまりかかわりたくないので依頼を受け付けることはできません。」
彼は、探偵が魔王に狙われることを恐れて関わりたくないと思ったと解釈した。
そして彼は探偵がいった病院まで行った。
そこは精神病院であった。
彼はその医者に会うためにまず受診することにした。
受付に、財布から出した保険証をだしたら、初診問診票を渡された。
その紙に書いてあった質問に対し、適当に答えを書き、受付の人にそれを渡した。
こうしていると、診察室に呼ばれた。
診察室に行くと、白衣をきた40歳ぐらいの医者はやわらかな笑顔を見せた。
「ふーむ、私にはあなたに書いてもらった問診票に書いてあることについて理解ができないですね。魔剣とかについては詳しくないもので」
彼はその発現を聞いたとき、あの探偵は誤解してたのだと思った。
「じゃあ、私はこれで」
彼はそう言いながら立ち上がり・・・
「ああ、待って待って。まあ貴方はついさっきまで涙を流してたから、強いストレスを感じてると思うんだ。おそらくだけど君は鬱という病気を発症しているのだと思う」
「はぁ」
医者は深呼吸して。
「いくつかの質問に答えてくれれば確信できので、幾つか質問していいですか。」
その問いかけに対してうなずいた。
「まず、最近、仕事中いらいらしていましたか。」
「はい」
・・・
このような質問が繰り返され、医者は確信したような顔つきになった。
「これは鬱ですね。薬を出しときます。」
そこから彼は診察室から出た。
病院内で少し待っていると受付のひとに呼びだされ、お金を払った。
そして病院の後ろにある、薬局まで行って薬をもらった。
ジプレキサと呼ばれる薬だった。
自宅に帰り、ジプレキサという薬についてパソコンで調べる。
統合失調症の薬だった。
「まさか・・・」
彼は統合失調症の薬は、過敏になった神経を抑えるために、副作用として体がボーっとなってしまうことを知っている。
彼は確信した、あの探偵もあの医者も魔王ギムテムによって操られ支配されている。
「もしかしたら、ギムテムのせいで地球にいるすべての人が操られてるんじゃ。あり得るかもしれない、なぜなら地球人は魔法に対して耐性をもっていないからだ」
彼は自分に言いつけるように話し、彼は自分の周りにいるすべての存在が敵に思えてしまった。
彼は周囲を警戒しながら、ジュエリー店舗まで車で移動した。
そして彼は商品棚から、銀の指輪を見つけた。
そして彼は、店員に購入することを告げ、2万円ほど買った。
銀とは、過去 裕福層が使っていた食器に使われていた、これは自己の経済力を他人に見せびらかせるためと言われているが、
銀は毒に反応すると変色するため、毒殺防止をするためにも使われていたといわれている。
彼は自宅に帰り、その指輪を使って自分の冷蔵庫の中にある食品をすべて毒がないかどうかチェックしていた。
「・・・全て・・・変色してない・・・。」
銀は変色しなかったため、毒と思われるものはなかった。
彼は、その状況に対し、魔王の魔の手は自宅まで来ていないことに安心した。
、
「さて、どうすればエクスカリバーが手に入れられるのだろうか」
彼は、悩んでいた。なぜならば魔剣エクスカリバーを入手する手段が思い浮かばなくなっていたからである。
もちろん、魔剣エクスカリバーという物はどこにも存在しないため、いかなる手段を持ちようとも見つけられないのは自明である。
そのとき、彼は家の中にあった縄跳びのひもを、玄関に水平になるように、伸ばし。空中にぶらぶらさせながら壁に貼り付けた。
そして、セロハンテープを使って風鈴を縄跳びのひもにつけた。
そう、彼がしたことはただただ稚拙な鳴子を作っただけである。
彼は魔王はエクスカリバーを探してほしくないため、魔王はエクスカリバーの場所から遠ざけるためにインターネットに偽の情報を置いたと考え、
逆にそこからエクスカリバーが存在する場所が導けるのではないかと考えた。
彼は誰かが乗り移ったかのようにパソコンからそれらしき情報を探しまくっていた。
インターホンのチャイムが鳴る。
彼は、恐ろしくなった。どうやって生き残るかを考えた。
彼は、魔王が奇襲をかける必要がないからインターホンを鳴らしたと考えた。
すぐに、彼は財布をとった。彼は玄関から一番遠い場所にある窓を開き、そこを潜ろうとした。
なかなか、体がうまく出れなかったせいで、背中の傷を負ってしまったが、窓からは出れた。
彼は体の痛みを無視しながら、できるだけ自宅から遠い場所にから逃げようと考えた。
彼は、走った。更に走った。存在しない敵から逃げるため。
彼が走り終わったとき、夜になっていたため暗かった。
「あのー、ちょっといいですか」
警察が話かけてきた。
「ひっ」
彼は間抜けな悲鳴を挙げた。
「こんな、時間に何してるのだ。その恰好もランニングの恰好じゃないからねえ、気になってしまうんだ。」
「どうせ、どうせ、みんな、みんな、操られてるんだ」
彼は警察から逃げた、もはや走りになっていない走りで。
しかし、警察はそんな走りを追いかけられないほど無能ではなく、すぐに彼は捕まってしまった。
「あのねー、何言ってるのかよくわからないから。とりあえず身体チェックさせて。」
警察は彼の持っている持ち物を探った。
「うーん、特に変なものはないね。問題ないよ。」
彼は警察から解放された。
彼は、周りを見渡してみるとそこは見たこともない公園だった。
「そうか、こんなに遠くに」
彼はひっそりとそうつぶやいた。
「ねぇ・・・誰なの、そこにいる少女は」
彼は、何もない真っ暗な空虚な空気に話しかけた。
彼には、見えていた、いや、彼は作り出していた、存在しない存在を、見えるように。
彼には、鎧を着た金髪の少女が見えたいた。
「そうか、エクスカリバーを探すのを手伝ってくれるんだね。ここにきてほんと辛かったよ、魔法も使えなくなってしまったし」
彼は涙を流せなかった。なぜなら、もうすでに涙腺にたまっていた涙を全て出し尽くしてしまったからである。
「そうだね、君がいる。もう自分だけじゃないんだ。それでエクスカリバーの場所に検討がついているかい。」
「そうか、それなら仕方がない。一緒に探そう。」
彼は、自宅は危険が判断し、空き家を仮拠点にすることに決めた。
しかし、空き家を探すのは意外にも大変である。
なぜなら、空き家が空き家であると証明するのは非常に大変なことであるからだ。
仕方がなく、橋の下という案を考えた。
「橋の下、それが今、最善の選択だよ、アリス」
彼は、存在しない少女の名前をアリスと決めた。
正確には妄想が勝手に動き出し、存在しない存在が自分のことをアリスと名乗ったのである。
彼は、橋を見つけるために40分ほどかかりようやく、住めるような橋の下を発見した。
「なあ、アリス。おなか減ったな。」
彼は、すぐに眠りにつこうとしたが、毛布の無い所で寝るのは初めてだったため、寝付くのに2時間ほどかかった。
夢は眠りが浅いとよりはっきりとした夢が見えると主張している人もいる。
彼は現実よりもリアルな夢を見た。
そこは黒色の石で作られた部屋で、窓からは赤い光が流れていた。
そして、目の前に全長3mの人型の存在がたっていた。
「ギルテムめ、これでおしまいだ。」
彼は、剣で魔王ギルテムを切った。
そして魔王ギルテムは上と下が完全に断絶された。
しかし、魔王ギルテムの上と下が勝手に動いて、勝手に接着した。
「ふ、我は死なない。いかなる攻撃を受けようと復活するのだ」
そして、彼は目を覚ました。
橋の下で寝ていたため、彼は熟睡できず、3時間ほどしか寝れなかった。
もちろん、3時間とは彼の感覚的な数字である。
ただし、外が暗いことを考慮すると、そこまで寝ていないことは事実であった。
「・・・アリス」
また、彼はつぶやいた。
彼は、人を脅して聞くことを考えたが、魔王が自分を捕まえる正当な理由を見つけてしまい、
エクスカリバーを探すことが出来なくなるっと考えたため、そのことを行動に起こすことをやめた。
しかし、彼はアリスの魔法を使って探すことを考えた。
「アリス、魔法を使って魔剣を探せるか」
数秒たった後、彼はまた発言した。
「そうか、できないか」
彼は落ち込んだ、エクスカリバーを探す方法が断たれたと考えたからだ。
彼はコンビニへ行った。ただ空腹だったからだ。
適当なおにぎりを6個ほど買い、お会計をした。
そしてコンビニから出た後、おにぎりの3つを地面に落とした。
そして、彼は残った3個を食べている。
彼はもはや、地道にエクスカリバーを探すことしか方法が残っていなかったと言える。
彼は、方向も定めず、ただただ歩いた。ただエクスカリバーを見つけるために。