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4章-17

 ヨミ先輩は、胃薬で復調(ふくちょう)したらしく日が高くなる頃には、いつもの調子のいいヨミ先輩に戻っていた。

 ホント、わかんないお天気やさんだよ。


「男子諸君! 今日の予定をご存じかな?」

 さっきまで「うわ~ん」といって廊下をバタバタ駆けていった人とは思えん。


「益込先輩。俺達なにも予定を聞いてないんですが」

 大江戸が生真面目に答える。

「そうだろ、そううだろ。さもありなん。キミたちには極秘にしてたからねぇ~」

 じゃ聞くなよ。


「何かヒントくださいよ、ヨミ先輩」

「おっ! 答える気満々だねぇ、瑞穂君。じゃあヒント出しちゃおうかな~。ヒント1 スイカ」

「スイカか、普通に食うんじゃないのか」

 新田原のひねりのない答えが返ってくる。

「キミたち、夏とスイカときたら答えは?」

「風物詩か?」

 大江戸、それは語呂(ごろ)がいいだけだ。答えになってないぞ。


 新田原がそっと手を挙げる。

「スイカ……割り?」

「バカかお前、そりゃ海だ! こんな山の中でスイカ割ってどうすんだよ」

「正解! 新田原くん!」

「ええっ! アタリですか? 田んぼでやるの? まさか!」

「ちちち、愚かだなぁ、瑞穂君は。昨日、葵先輩が言ってたじゃないか。ここらへんに沢があると」

「おおっ、確かに言ってた。その沢でスイカを冷やして食べようというわけですね」

「そうなのだよ。ということで、ヒント2 キミたちにはコレを」

 そう言って渡されたのは、お店でよくもらう茶色の紙袋。

「開けるんですか」

「うん」


 手を突っ込んで中の物体を触ると、布?

 新田原が疑問の声を上げる。

「短パン?」

「いや海パンじゃないのか」

「大江戸君、正解! 1ポイントゲット」

 いつからクイズ大会になった!?

「泳ぐんですか? 沢なのに?」

「泳げるらしいんだ。流れが緩やなところがあって、そこは泳げるんだって」

「俺らが」

「うんうん」

「川遊びをしようという事ですか」

「そーでーす! 正解! 勝者は新田原君に決定!」

 だからクイズじゃねーだろ。ちょいまち。ということは先輩達もってことじゃないのか。


「先生、質問です」

「何かね。瑞穂君」

「先輩も行くんですよね」

「もちろん」

「ということは……ぐふふ」

「はい、エッチな想像しない。キミは分かり易す過ぎ。減点1ね。エロ瑞穂くんは、バツとして荷物を持って行ってもらいまーす。そこのテントと傘を一人で持って行くこと」

「マジかよっ、みんな同じこと考えてんのに、言った奴が悪いのかって」

「さっきも言ったじゃん、デリカシーがないんだよ瑞穂は」

 すみませんね。本当に欲望に 素直のは大江戸だと教えてやりたいわ。



 雑木林は結構な坂道で、そこをテントと傘を持って移動するのは男の俺でも大仕事だった。もう汗だく。

 もっとも、残りの男子もスイカやらお昼やらキャンプ用具を運ぶ歩荷(ぼっか)として、こき使われたのだが。ただし神門は除く。


 雑木林を抜けると、そこだけ天が抜けた川になっており、上流のコケ蒸した岩間から清流が滔々(とうとう)と流れ出でていた。

 下流はゆるやかな流れ溜まりだ。水草がゆらゆら遊んでいるのが見えるので、それほどの深さではない。

 これはなかなかの穴場である。


「すごいですね、ここ!」

「だろう。幼い頃は父上に連れられて、ここでよく遊んだものだ。帰りは疲れていつもおんぶで帰った」

 遅れて到着した、水分やヨミ先輩も「うわ~」の歓声を上げる。

 緑のドームに青く抜ける空。さらさらと流れる水の音。耳を澄ませば鳥の声に交じって滝の音も聞こえてくる。雑木林の外ならばこの暑さで草熱(くさいき)れになるところだが、森を抜ける涼風は心地よい緑の香りを運んできていた。

 別世界、桃源郷とはまさにココの事だ。


「葵先輩! 予想より凄い!」

 ヨミ先輩が感動している。計画は立てたが、ここに来るのは始めてなのは俺達と同じだ。

「わたしも、こんなプライベートビーチみたいなところがあるなんて思ってもみませんでした」

 弾む声ってこういう声なんだね。

「気に入ってもらえて何よりだよ。まぁビーチはないが私らが遊ぶには十分だろう」

 ヨミ先輩も水分も目をきらっきら輝かせて、桃源郷に見入っている。

「さて、ではテントを張るか。スイカはそこの石の淀みに置いておけば冷えるだろう。荷物はまとめて、そこらへんに置いておけ」

「はーい」


 川から少し離れた平らなところを探してテントを張る。地面を均して大きな石を弾きグランドシートを敷く。入り口は雑木林の方を向ける。風は川に流れて吹くからだ。

 ペグは砂地だから全然効かない。そこで大きめの石を拾ってきてそれにロープを巻きつける。

 ここらへんは、新田原が良くわかっており、俺よりも手際よく設置をこなしていく。最後にロープの張を確認して完成。

 水分が凄い凄いと大はしゃぎだ。

「テントを張るのは初めてなんですっ!」

 新田原程じゃないけど、大江戸くんも活躍できて、よかったのう。


 先輩もココによく来たというのに、テントを張るのは初めてだそうだ。

「テントがあるだけで、急にワクワクしてくるな。俄然(がぜん)楽しみになってきた。ありがとう新田原」と、軽く挨拶程度の感謝を伝えると、新田原は(ひざまず)いて「葵様のためにテントの張り方を自宅で練習しておいて、よかったです。お褒め頂き恐悦至極(きょうえつしごく)に存じます」

「……」

 だからお前は何時代の人なの? いや突っ込むなら自宅でテント張りの練習をするところか。


 さておき、このテント。何に使うのかと思ったら、この中で着替えるのだそうだ。

 何に?

 そりゃ水着に決まってるよね。


「え、ここで着替えるの?」

「ああ、我々は水着は着てないからな」

「覗くなよ、瑞穂っ」

「覗きませんよ。そんなことを思ったことなんて一度もありません」

「ウソつけ」

 新田原が小声でつぶやき俺のふくらはぎを思いっきり蹴る。

「いってぇな、蹴るな!」

 俺も小声で「言うなよ、言ったらお前らが壁越しに聞いてたのバラすからな」と脅す。

「うるさいわ! 監視してるからな。貴様が葵様の、は、はっ、はっ、はっ」

「キモイわ! 素直に裸って言えよ! 見ねぇよ、どうせ着替えたら見れるんだから」

「うっ」

 やめろ、いきなり鼻血を出すなよ。やだなぁコイツ。



 ほどなくして、きゃっきゃきゃっきゃの声が静まり、テントから女性陣が出てきた。キター!!!


 最初に出てきたのはヨミ先輩。

 うっ! いきなりヤヴァイです。やっぱこの人着痩せする人だったんだ。

 想像以上にたわわな巨乳。ということは普段はこの爆乳が制服の中でぎゅうぎゅうに詰め込まれてたってこと? こんな大きいのがあったなんて驚きだよ。

 そりゃ走るのも苦手になるわ。

 ヨミ先輩はオレンジ色をベースに花柄をあしらったビキニ。下はぴらぴらとした布が付いているが、隙間から健康的な太ももが見えるのが寧ろエロい!

 まだちょっとお腹が出ているのが気になるが、ウエストがきゅっとしてるのと肩や背中の絞まったシルエットから野球のために体を作ってるのが分かった。

 (あなど)ってないけど、侮れませんヨミ先輩。


 次に出てきたのは水分。

 水分は布が多めのホルターネックのビキニだ。上は前で布を結ぶようなアクセントがあって、申し訳ないけどちょっとでも大きく見せたいんだな、なんて思ってしまいました。

 色は黒。黒一色。個人的には白とか花柄みたいな可愛いセパレート水着じゃないかと思っていたのだが、意外なチョイスをしてきやがった。

 でも目を引くのは色ではない。その足の長さだ。細く真っ直ぐな足がすらっと伸び、ほどよい肉付きを経て小ぶりなお尻へと。

 足を軽くクロスして立っているんだけど、それでもわずかに太ももの間に隙間ができる。いやグッときます。

 そして細いウエスト、華奢な肩。

 そりゃお姫様だっこをしても軽いと思うわけだ。出てるとこは出てないけど、引っ込むところは引っ込んでるもの。

 そうだ! 大江戸は? 奴はどんな反応をしてる!?

 はっと振り返り大江戸の顔を見ると、人さし指を鼻の下に掛け、怖い顔をして水分を見つめていた。

 読めない。ヤツの心が読めない。嬉しいなら素直に『ひゃっはー』とか言えよ。


 そして最後に先輩がテントの入り口を右手で上げて(くぐ)り出てきた。

 その仕草に俺はすっかり舞い上がってしまって、どんな顔で先輩の水着姿を見たのかよく覚えていない。

 ブルーや茶色の入ったストライプ柄だった。後で聞くとタンキニというタンクトップとビキニの合いの子のデザインだという。内側にくるんと巻いたロングの髪が胸に掛かっていた。それを手で後ろに払い、恥じらいながら俺をちらっと見る。

 首筋がやたら綺麗で、滑らかな肩から腕へのラインを俺はゆっくり目で追った。

 くびれたウエストと肘が作る僅かな空間から、川辺(かわべ)の緑が風にそよぐのが見えた。

 先に水分を見たせいだろうか。腰から太もも、ふくらはぎの曲線がダイナミックな存在感を持って目に飛び込んでくる。三人の中で一番露出が少ないが、とてもこんな布きれでは隠し切れない。

 胸があるとかスタイルがいいとか、むっちりしているとかスレンダーだとか、そんな言葉が吹き飛ぶような、瑞々しい命を宿したはじける肢体。輝き溢れ若さを謳歌(おうか)する肉体そのものであった。

 慣れない言葉を尽くしたが、つまり俺は見とれてしまったのだ。白い肌に、やわらかそうな肉感に。


「ど、どうだ政治」

「……」

「買う段になって恥ずかしくなってな。その……いろいろ隠したくなったのだが」

「……」

「政治?」

 ぼーっとしていると、ばんっと背中に衝撃がっ。それも思いっきり。

「いてっ!」

 振り向くと、ちょっと眉を吊り上げたヨミ先輩が。

「オレ達の水着姿にみとれてたんだよなっ」

「はい……」

「ダメだなこりゃ?」

「何が?」

「オレも水着なんですけどっ。宇加も」

「は、はい! 似合ってます! 凄く。ヨミ先輩、大胆な水着でちょっと俺、ヤバいです」

 ぽ~っとして、なんかつるっと口走ってしまった。

「あら、瑞穂くんは何がヤバいの?」

「ヤバいって、そのいろいろ。だってこんな美人が水着で三人もいたら、まともな男なら襲い掛かっちゃうって」

「瑞穂くんも?」

「いや俺は……」

「私はどう? ヨミさんだけコメントするのはズルいわ」

 いつになく水分が大胆で攻撃的だ。

「え、びっくりしたよ。黒の水着なんて思ってもみなかったから。でも大人っぽくて……」

「黒も水分の色だと思う!!!」

 急に大声を上げたのは大江戸。

「えっ!」

「いや水分は何を着ても似合う。服の魅力を水分が引き出す」

「ぷっ、大江戸くん。逆でしょ」

「水分、なんか大胆だな」

「そうかしら? でも大阪のおばちゃんなんでしょ、私。 なら、こういう時ははしゃいじゃうんじゃない」

「あれは失言だ。いい意味で思いやりと行動力があると言いたかったんだよ」

「うーん、じゃそうしておくわ」

 小さく口角を上げて可憐(かれん)に微笑む。


「瑞穂。オレはどうなんだよっ、他にはねーのかよ?」

 それを遮るように、ヨミ先輩が俺の左腕に近づいてくる。

「えーと、オレンジですね」

「それだけかよ」

 腰に手を当てて前屈みになり、横から俺を覗き込む。ずっしりと重そうな胸がぐぐっと寄って、胸の谷間がバッチリ見えてしまう。

「ヨミ先輩、あの胸が」

 朝の学習を活かして小声でヨミ先輩の伝えれば、ヨミ先輩は同じく小声で俺にこう返してきた。

「水着なんだから当たり前だろ、バカ」

「いやでもさっきは……」

 と思ったら大きな声で「もう、瑞穂のえっちー」と!

 ええ!? もうこの人わかんない。何考えてるか全然分かんない。さっきはダメで何で今はいいの? 俺は黙ってヨミ先輩の胸の谷間を見るべきだった?

 助けを求めて先輩を見ると、頬がひくひく動いているではないか。これはマズい!


 とりあえず、ヨミ先輩の胸元を視界から外そうと僅かに体を右に捻ると、ヨミ先輩も、くっと寄ってくる。

 ちょっと。

 半歩右に避けると、ヨミ先輩も半歩寄ってくる。


「ヨミ!」

 見かねた先輩が、むんむんと胸を揺らしてこちらに歩いてきて、俺とヨミ先輩の間をちょきんと手で切って割り込んだ。

「なんだよっ!」

「羽目を外し過ぎだ! 政治、お前もお前だ! 嫌ならふり払え!」

「見せない水着なんて意味ねーじゃん」

「節度を持てと言っておるのだ」

「葵先輩だって、どうだなんて聞いてただろ」

「気を遣ってだ! 私は」

 にらみ合いだ。


 ヨミ先輩が先輩と向き合って腕を組む。すると腕に擦れた水着がぷるんと弾力をもって揺れ動く。双丘がとっぷりと腕に乗っている状態に。

 先輩も負けじと腕を組んでヨミ先輩を睨む。相当手に力が入ってるらしく、掴む二の腕の肉がうにゅと盛り上って見えるほど。

 それを見て新田原がオロオロしている。

「葵様、ご冷静に!」

 ここは自分の出番と、先輩の水着姿に悩殺(のうさつ)され真っ赤になりながら仲裁(ちゅうさい)に入ってきた。だが先輩は片手を広げると新田原を制し「引けん」と一蹴。

「ヨミ、よもや忘れたとは言わせんぞ」

「覚えてるぜ、だからこの位にしてんだ」

「もっと細目を決めておくべきだったな。私も会長職を辞して鈍ったものだ」

「自分の甘さを恨むんだな。オレは勝負には厳しいぜ」

 また喧嘩だよ。もう。

「勝負か。なら判定は政治に頼もうではないか」

「面白い」

「決まりだ」

 なんだ、なんだ?

「ちょと何で俺が、判定?!」

「ちっとは考えろよ! 新田原に聞いたら葵様っていうに決まってんだろ!」怒るヨミ先輩。

「大江戸はこの勝負に関係なく宇加というだろう。だからお前だ」突っぱる先輩。

「だったら神門は!?」

「あいつは見てない!!!」

 なんでここだけハモるんだよっ。


「水分~」

「は~、身から出た錆びよ。自分のなんとかなさい」

 いつから錆びた、どこから錆びた! この騒動は俺のせいか。

「じゃ、瑞穂。コメントを頼むぜ」

 と言いながらヨミ先輩は必要以上に胸を強調して俺に見せつける。見えてますって。十二分に。それを先輩が猛禽の瞳でにらむ。

 困った。これは困った。なんて答えたらいいんだ。

「はやく、なんとか言えよ!」

「は、はい!」 

『思った以上におっぱい大きいですね』

 なんて言えるわけないだろ。どんな変態セクハラ野郎だ。

「……ヨミ先輩の元気さがそのまま出たようで、素敵です。ダイナミックで目を奪われました。本当に」

「お、おう」

 言えと言っておきながら、言われると照れるのが女性というものなのだろうか。


「政治、わ、私は」

「ええ、先輩も素敵です。その水着」

 あれ? 頬っぺたを膨らませて、凄い不機嫌になったぞ。

「ありがとう。褒めてくれて私『()』うれしいよ」

『も』をことさら強調して低い声で言う。シマッタこれじゃもののついでに褒めたみたいだ!

 ヨミ先輩が、にひひと声を殺して笑ってる。

「違います! 違いますって!」

「ほほう」

「いつも素敵ですが、水着姿は更に素敵という意味の『も』ですから」

「では、なんで私が出てきた時に何も言わんのだ」

 追及するなぁ、今日の先輩は重い。

「それは……」

「それは」

「その……」

「その」

「……」

「えーっと」

「もういい! そんなに困るならもう聞かん!」

「先輩!」

 ぷいと背を向ける。


「済まなかったな政治。無理強(むりじ)いをして」

 顔は見えないが失意に曇るのが、ありありと分かった。

「無理強いだなんてそんな、違うんです! 先輩は似合ってるとか素敵だとか、そんなんじゃなくて。(まぶ)しくて。見とれちゃって言葉がでなくて。先輩の体が、ただ綺麗で。シロジロ見ちゃいけないのに目が離せなくて」

 ぴたっとこの空間の時間が止まる。


「……カラダって。瑞穂、エロいな」

「違いますよ! 言葉にしたら下品になるから言わなかったのに~」

 先輩は振り向き、ぽかんとなって俺を見ていた。だが、しばらくすると、恥じらうように胸元を腕で隠した。

「政治は思ったよりエッチだな」

「ほら! そうなる!」

「瑞穂! 視姦(しかん)は重罪ぞ! 戒律(かいりつ)を忘れたか!」

「お前どこの者だよ。変な言葉つかうな! 感動して心を奪われたんだよ。(みだ)らじゃねーっーの。それを言ったらお前もだろ」

「俺に淫らな心など」

「……そう、それ! 心を奪われました! 先輩!」

「今更言っても遅い!」

「だって感動ってそういうもんでしょ。色んなものか押し流されて、真っ白になるような」

 先輩は俺に視線を合わさず、ふわふわしていた。


「先輩~」

「……」

「先輩ってば~」


「政治は、気がきかん」

「……」

「だが、嬉しくなくもない、と」

「先輩!」

 俺が声を高めて呼ぶと、先輩はすっと通った滑らかな背中を赤くした。


「はーい、ストップ。水着のJKが三人もいるのに二人でいいムードにならない」

「なってないっ」裏声で否定する先輩。

「葵先輩、今回だけですからね。雰囲気悪くなったら楽しくないもん」

 図らずも出来たいいムードをヨミ先輩が、巧みな取り回しでほどいていく。まぁ喧嘩が収まって良かったけど、ちょいと残念。


「瑞穂くん、早く着替えて泳ぎましょう。私、ビーチボールを持ってきたのよ。水着売り場にあったの。どう使うのか楽しみなんだから」

 それを聞いた大江戸が、鼻息も荒くしゃしゃり出てきたので、誤魔化しついでに奴の尻を蹴りあげてやった。

 俺達の川遊びは始まったばかりだ。

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