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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
社交シーズン春①

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伯爵、カフェ店ゲットだぜ

馬車の車輪が脱輪して直している間にふらっと入った店の菓子がそこそこ美味かったので、領地の店舗経営者としてスカウトしてみました。


田舎から出てきた爽やか青年、店主兼菓子職人のトビー君。「(オーラ)」はミルキーオレンジにパステルピンクが混じる。王都の生活に不安が募るせいでグレーの水玉模様ができているけど。


そのトビー君の幼馴染で恋人の店員兼飲み物担当のリタさん。「(オーラ)」は赤味の強いオレンジに黄色が放射状に広がる。こちらも生活の不安でグレーの水玉模様ができているよ。

トビー君が穏やかな気質でリタさんは明るくてハッキリした性格かな?


ちなみにトビー君の「(オーラ)」を見たときに、俺は自分の兄上、レイフ・ハーディング侯爵を思い出した。

兄上の「(オーラ)」もパステルピンクだった。全体が淡いピンクで黄色やオレンジのリボンがあちこちに飾ってある。キラキラとしたクリスタルな輝きがあり、ほんの少し頭上に水色が滲む。


この「(オーラ)」を見たとき、俺の顔はスンッとなり、心の中で「オトメンかよっ!」と叫んだのは内緒だ。


さて、俺のスカウトに二人は顔を見合わせ困惑中。でしょうね、急に客の白豚から誘われても怖いよね?


「こちらをご覧ください」


スクッとベンジャミンが静かに立ち上がり、テーブルの上を片付け、一枚の地図を広げる。


「こ、これは?」


「先ほど主人が申し出ました店舗の場所です。王都がこちらでこの店はだいたいここら辺り。王都から南下したオールポート伯爵領の領都クレモナ。こちらのメインストリートのここら辺が貸店舗の場所になります」


ベンジャミンは二人がわかりやすいように指で場所を指し示しつつ説明していく。


「こんな、目立つ場所に?」


「ああ、こっちが役所でここが広場。人の行き来は領内で一番の通りだ。だが、普段の客は領民が主だから高いものは敬遠される。春と秋の社交のシーズンには、王都に向かう下位貴族たちが通るから、そのときは高級志向な菓子でも売れるかもな」


「き……貴族様」


ゴクリと店主の喉が鳴った。あのぅ、俺も貴族様ですが?


「本当にそんなにいい場所の店舗なのに、改装費はタダで開業資金も半分出してもらえるのですか?」


リタさんの質問に俺はハッキリと頷いて肯定してやる。


「ただし、条件がある」


一つはイベントなどの催し物のときは協力すること。例として現在行っている下位貴族へのイベントの説明をする。スタンプラリーの話で目を白黒させていた。


もう一つは食材はなるべくオールポート産のものを使うこと。こだわりのある小麦とかバターとかはしょうがないけど、なるべくなら地産地消を目指したい。

しかし、これには二人ともあっさりと賛同した。こだわり……なかったみたい。


「紅茶の茶葉とか、絶対にコレってないの?」


「ありません。紅茶の淹れ方だって知り合いの方に倣った見様見真似です」


マジか……あんなに美味い紅茶だったのに。ほら、ベンジャミンも目を見開いて驚いているよ。


あとはどこに行ってもそうだけど、地元の人と揉めずに仲良くしてねってこと。

ま、この二人なら大丈夫だと思うけど。


「準備なんていりません! すぐに移動できますっ」


ちょっ、ちょっと食い気味すぎませんか? フンフンッて鼻息が荒い!

とりあえず店舗の賃貸契約はすぐに解消できるらしい。貸した相手もここで茶店はないだろうって、潰れるのを見越していただろうしね。


とにかく店主のトビー君のやる気に燃料ドンドコ追加したのは、騎士たちに配っていた茶と菓子の食器を戻しにきたディーンの一言。


「すみません。このクッキーがめちゃくちゃ旨くて。持ち帰り用で包んでもらえませんかね?」


あ、俺も欲しい!

店主、ここで涙目。リタさんが飛び跳ねるように奥へ引っ込みガサガサとクッキーを袋詰めしていた。


「あとさ……こう、菓子をデコレーションしないの?」


「は?」


だからね、生クリームをこうこう。んでフルーツを飾り切りしてこう。チョコソースとかジャムとかで飾るのもいいし。パンケーキだってもっと膨らむでしょ?

俺の助言に店主が大興奮!


こうして、白豚はケイシーさんが望むお洒落なカフェ店をゲットできたのです。


















「では、明日オールポート伯爵家のタウンハウスまでお越しください。こちらから迎えを寄越してもいいのですが……不安でしょうし」


確かにな、ウキウキワクワク新天地へ! と思って乗った馬車が人身売買の馬車で、気が付いたら奴隷でしたなんてオチはいやだもんな。

ここは、信用してもらうためにも、君たちでオールポート伯爵家まで来てくれたまえ。ワハハハハ。


「はい。ここは明日で引き払います。そのまま伯爵様と一緒にオールポート領へ行きます。どうかよろしくお願いします!」


ぺこーっと90度に上半身を折り曲げるトビー君に、俺は顔を上げるように伝える。


「明日からはうちの厨房でいろいろと菓子を試作すればいいよ。材料はいくら使っても構わないし、うちの料理人たちとも切磋琢磨してくれ」


ついでにリタさんは、うちのメイドから立ち居振る舞いを習うらしい。お茶を淹れる技術は天才的だけど、それ以外は田舎娘丸出しとベンジャミンが眉を顰めるので、厳しい教育を受けてください。


ちなみに、この白豚様がオールポート伯爵その人だと知った二人は口を大きく開いてしばらくフリーズしていた。

おっかしいなぁ? 俺もそろそろ伯爵様として諸々身に付いたと思ってたんだけどな?


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