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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
社交シーズン春①

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伯爵、罠に嵌る

オールポート伯爵夫妻が不慮の事故で亡くなってしまった。


跡継ぎは一人娘のルチアのみ。婚約者もいない。まごまごしていると爵位を狙った親戚に奪われてしまう。

しかし、ルチアはセシル以外と結婚はしないと暴れ出してしまう。


困ったベンジャミンの父はセシルの母、グリゼルダに相談する。相談してしまう。

結果……最悪な事態を招く。


「グリゼルダ様はまず学園で寮生活をしているセシル様へ手紙を送りました。……自分の命が尽きようとしている。今までのことを謝罪したいから、最後に会いたいと……」


ン? 死んだのはオールポート伯爵夫妻で、俺の母親じゃないよね?


「母上はセシルを呼び出すために嘘を吐いたのか?」


「はい。それも、お会いする場所はハーディング侯爵の屋敷では邪魔が入るからと……オールポート伯爵家の屋敷を指定しました」


確かに、ハーディング侯爵家で会うと父や兄の息がかかった使用人に邪魔される可能性が高い。

いくら、領地の屋敷を母が掌握していたと言っても、父はスパイを紛れ込ませ動向を注視していただろうからな。


オールポート伯爵家の屋敷は幼いころ、母親に連れられて行き来していたから、セシルには馴染みがある。

母危篤の知らせを受けた俺は王都からホイホイとオールポート伯爵家の屋敷を訪ね、まんまと罠に嵌った。


その屋敷には両親を事故で亡くしたルチア嬢が、手ぐすね引いて憧れのセシルを待っていた。


「……いや、さすがに成人しているなら、五つ年上でも女性を振り払って屋敷から出ていくことはできるでしょ」


騙されたとわかった時点で逃げるの一択のはず。


「……それが……母上の最後に間に合うために単騎で馬を飛ばして来られたセシル様に、喉が渇いているセシル様に出したお茶に……」


媚薬が混ざっていた……なんちゅうことすんの? 貴族令嬢って、そんな危ないクスリを持っているの?

しかも、母親公認の行為ってどうなってんの?


あまりのことに俺が口をパクパクとしていると、正面に座った兄も口をパクパクとしていた。

そりゃ、ビックリして言葉も出ないよね?


哀れセシルくんは、まんまと母親とルチア嬢の罠に嵌り既成事実を作られてしまったと。


「それで結婚までするの? いや、貴族令嬢に傷をつけたから責任問題にはなるけど……」


ルチア嬢には庇護してくれる両親はいないが、俺にはハーディング侯爵の父がいる。

イヤな解決策ではあるが、お金で解決できそうなんですが?


「その……媚薬以外にもクスリを使ってまして……」


「え……」


おいおい、白豚じゃなかった天使の俺にどれだけ違法薬物を注入するのよ? 危ないでしょ? 

ハッ! 俺のこの白豚化ってそのときの副作用?


「お嬢様が……妊娠薬を」


「まさかっ!」


ガタンッと兄が勢いよく立ち上がる。

その妊娠薬って、文字どおり「妊娠」する薬? つまり、セシル君は媚薬をもられたその夜に子どもまでできちゃった?


「ああーっ、それがシャーロットちゃん!」


俺も堪らず、ガタンッと音を立てて立ち上がる。


「はい。事情を知ったセシル様とハーディング侯爵様は、生まれてくるシャーロット様のためにルチア様との結婚を……承諾しました」


ベンジャミンの悔いの籠った暗い声に、俺はズズーンと落ち込んできた。

この白豚の過去が思ったより重い。ただの食いしん坊でブクブク太ったボンボン育ちじゃなかった……。


「いや待ってくれ。私はそのことは父からもセシルからも聞いていない。そもそもセシルは学園卒業間近にオールポート伯爵令嬢と結婚すると言い、極秘で式を挙げたあと、子どもが生まれても連絡しては来ず、ずっと音信不通で……」


あー、すまん。兄よ、すまん。

そんな不義理を働いていた俺なのに、急にあれこれと助けてメールを怒涛の勢いで送り付け、剰えさらに援助を賜ろうと絞る取る気マンマンだったわ、俺。


「……その、セシル様はかなりショックを受けられており、ほぼ呆然自失の状態でした。望みの綱であったお父上からの結婚の説得にもさらに傷つかれたご様子で……」


ちなみにベンジャミンはここら辺からこの事件に関わってきている。その前は計画の邪魔になると実の父親に地下牢に閉じ込められていたんだって。

そのとき、一緒に地下牢に入れられたのが、料理人のジャコモと庭師の爺ちゃんだった。

マリーとメイはまだ雇われていないし、ディーンとノーマンも他家で修行中、ライラはヴァスコと共にタウンハウスにいてまったく関与していなかった。


「それはそうだろう。セシルは……セシルは学園を卒業したら、文官として王宮で働き、恋人の同級生と正式に婚約したいと父に申し出ていたのだ。相手が誰だかは知らないが、父もその婚約には乗り気だったと聞く。それなのに……拒否していた令嬢と結婚とは。しかも……子どもまで……」


クッと唇を噛んで兄がストンとソファーに座るので、俺もよっこいしょと腰を下ろした。

……へ? 俺に恋人がいたの? なのに、ルチアって女の凶行で引き裂かれたわけ?


「お……俺の恋人って……?」


誰だったのでしょうか? ぐるりと顔を見回しても誰ひとり答えてはくれなかった。

そうだよな……もう、別の相手と結婚して幸せに暮らしているよな……。

あー、俺が裏切ったことになるのか? 俺がクズ男になるのか? わー、最低。

できれば、元恋人が恨みで俺を排除することができる、権力強めの貴族令嬢じゃないことを祈ろう。


「セシル様。……セシル様とルチア様はグリゼルダ様が見守り式を挙げられました。あの……視察のときに休まられた廃教会です」


「え……あそこ?」


「はい。セシル様との結婚式を夢見てルチア様が建てられました」


……いやいや、何年がかりで計画してんだよっ。

女って、こえぇぇぇぇぇぇぇっ。


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