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Merry Christmas! ~2025年クリスマス~  作者: 青璃


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~ おまけ ~ クリスの大切な子 2


“聖夜お兄ちゃんが好き”


出会った瞬間から大好きだった。

ファザーみたいに優しくておっきな僕のお兄ちゃん。


一目見ただけでどうして大好きなのか分からなかったけれど、今分かった。


聖夜お兄ちゃんは、僕の大切で大好きな子にそっくりだったんだ…。


マムが再婚して新しい家族と過ごす2回目のクリスマス。

…の、数日前。

今日は聖夜お兄ちゃんのおばあちゃん家であるクリスマスパーティーに連れてきて貰った。

ダディの実家は“本家”といって、よく親戚の人が沢山集まってワイワイ楽しく遊ぶんだって。

ダディとマムは用事があって来れなかったから、聖夜お兄ちゃんとサンさんと3人でやってきた。

初めて会う人達に最初は緊張したけれど、みんな「可愛い!!」って好意的に受け入れてくれて、小学生のお兄ちゃん、お姉ちゃん、同い年くらいの子達と遊べて楽しかった。

みんなと沢山遊んで、外が暗くなってきた頃…


「ただいまー」


「お!帰ってきた。おかえりなつにい」


夜ご飯の準備をお手伝いしている時、聖夜お兄ちゃんより年上で大人の男性が帰ってきた。

ブラウンの髪と瞳、僕の大好きなチョコ色。


「…………っ!」


一目で分かった。

僕の大切で大好きだったなつ君だ。

僕はビックリして、慌てて料理しているサンさんの足にしがみついて隠れた。


「っと…いきなりしがみつくと危ないよクリス。」


サンさんは持っていた包丁を置いて僕を抱き上げてくれた。


「どうしたんだいクリス?」


何も言わない僕の背をトントンしながら、優しく話しかけてくれるサンさんに、僕は身を縮こませながら首を横に振る。


「お!その子が、聖夜の弟のクリスか?」


荷物を部屋の端っこに置いた君が僕に気づいて近づいてきた。


「はじめましてクリス、俺はなつきって言うんだ。よろしくな」


サンさんが抱き上げてるから、僕は今大人達と同じ高さに顔がある。

だから、君が近くに来て顔を覗き込まれると凄く近くてドキドキする。

僕は恐る恐る君に顔を向ければ、久しぶりに見る君に言葉が出なかった。


大好きな君が目の前にいる。

もう二度と会えないと思っていたのに…

最後に会った時と全然違う。

子供だった君は、こんな立派な大人になったんだと思うと嬉しくて胸がいっぱいになる。


「はじめ…まして…?」


……でも、“はじめまして”って言われた。

僕は君が一目で分かったけれど、サンタクロースでなくなった僕が、分かるはずないよね…。

…そもそも、君は覚えてないかもしれない。


だって、僕は君に“居ない”って言われたんだから…


僕が視線を向けて目が合った瞬間、君の顔から笑顔が消えた。


「……っ?!」


目を見開いて、口が少し空いててビックリしたようにも見えるけど、眉間にシワが寄っているから嬉しいビックリじゃないみたい。

ツキンッて胸が傷んで、僕は悲しい気持ちになったからまたサンさんの胸元に顔を埋めた。


「…………どうしたんだいクリス?なつきくんがカッコイイから照れちゃった?」


ふるふる首を横に振る。

確かに、小さかった可愛い君は、大きくなってかっこよくなった。

僕の知ってる君とは、変わってしまった。

さり気なくあの子に背を向けて僕を引き離してくれたサンさんは、何か察してくれたのかな…。


「なつにいも固まってどうしたんだよ。クリスがお人形さんみたいに可愛くてビックリした?」


なつ君の肩に手を置いて、聖夜お兄ちゃんが楽しそうに話している。

僕が大好きだった子に、他の人が触れてるのを見て少しモヤッとした。

大好きだけど、怖くて。

お話したいけど、緊張しちゃう。

触れたいけど、触れたくない…。

反する感情が混ざりあって自分でもどうしたいのか分からない。


「あ…あぁ…。話には聞いてたけど……ペリドットみたいな綺麗な目をしてるんだな…ビックリしちまった。」


君の言葉に、またモヤッとする。


“ペリドットみたいな綺麗な目”


サンタクロースだった時、君は僕の瞳を見てそう言ってたね。


(僕は嬉しかったけど…なんだ、黄緑の瞳なら誰にだってそう言うんだ。)


「……お兄ちゃん抱っこ」


モヤモヤを少しでも減らそうと、なつ君とお兄ちゃんを引き剥がす為、聖夜お兄ちゃんに抱っこを求める。


「ん?俺が抱っこしてあげるよ、おいで」


何故か聖夜お兄ちゃんじゃなくて、なつ君が手を伸ばしてきた。


「?!…ヤダッ!!聖夜お兄ちゃんが良い!!」


まだ、君にどう接していいか分からない僕は、その手を拒んだ。

なつ君はショックを受けて、聖夜お兄ちゃんは勝ち誇った顔をしながら僕を抱えてくれた。


「そりゃあ、初めて会った人にいきなり抱っこされねーよなっ!クリスは俺の事大好きだしっ!」


大好きなお兄ちゃんに、満面の笑みでお腹に顔を埋めながら強く抱き締められれば、僕はお腹に伝わるお兄ちゃんの息や声が擽ったくてキャッキャッとはしゃいでしまった。


「うんっ!大好き!」


「くそっ!母さん俺も可愛い弟欲しいんだけどー!!?」


なつ君がヤケクソになりながら料理中のお母さんに叫べば、お母さんも負けじと大きな声で叫び返してきた。


「母さんは可愛い孫が欲しいなー!!!」


「まだババアになるには早いだろ!!」


「誰がババアよ!」


「まだっつってるだろー」


なつ君と彼のお母さんのやりとりに、みんな笑っている。

僕も笑っていた。


懐かしいな…

小学6年生だった君は、しょっちゅうお母さんとこんな風に言い合っていた。

最初は喧嘩してるんじゃないかとヒヤヒヤしたが、これが二人の愛情なんだと分かってからは、微笑ましくて好きだった。


25歳になっても君は、相変わらずなんだね。







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