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Merry Christmas! ~2025年クリスマス~  作者: 青璃


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はじめまして、僕の大切な君

イマジナリーフレンドを知っているかい?

子供が産み出した目に見えない「空想の友達」と呼ばれる存在。

僕らは、それと似ているようで違う存在だ。

小さい子供が初めて僕達の名前を呼んでくれた時、君だけの“僕”が産まれる。


保育士さんが読む絵本。

言葉を話すようになった君は保育士さんの言葉を真似して、小さなお口を大きく開いて、たどたどしく名前を呼んでくれた。


「さんたくろおす?」


あの日の事は忘れない。

寒い外と暖かい部屋、君が産まれてから3回目の冬に呼んでくれた。

保育施設で、お友達と楽しそうにサンタクロースとクリスマスの歌を歌う君。


「さんたくろーす!」


名前を口にされる度、嬉しかった。


初めて君と会えるクリスマスの日、君はミルクとクッキーを用意してくれた。

一回目はミルクをたっぷり入れて運ぶ時に零しちゃったね。

だからお母さんが2回目は少ししか入れてくれなくて、ぷりぷり怒ってて愛らしかった。

お皿に乗っている一枚のクッキーは君の掌よりちっちゃくて可愛いね。

僕の為に用意された少しのミルクと小さなクッキー。

でも君は、お母さんが見てないうちにミルクを飲み干して、クッキーも半分以上食べてしまった。


「あぁあ!!歯磨きした後なのに!…もー!!それはサンタさんのでしょ?」


そう言っているお母さんの唇も口角が少し上がっていた。

ふふっ、分かる、分かるよ。

僕も愛らしい君の姿が微笑ましくて笑ってしまったから。


二人が歯磨きの為に部屋を出た隙に、入れ替るように俺は部屋へと入った。

君の食べたクッキーの残りを指で摘めば口へ放り込む。

小さな一口分のクッキー。

初めてのクリスマスは、君と1枚のクッキーを分けっこして食べられて、僕は楽しかったよ。

全部飲んだと思っていたミルクが、よく見たら気持ち程度、ちょびっと残っていたのを見つけた時も思わず笑っちゃった。

君はミルクを残せる優しい子だ。

ちょびっとのミルクも大事に僕が飲み干した。

残りのミルクとクッキーはお母さんがこっそり食べたんだ、とお母さんの記憶を書き換えて置いた。


僕達サンタクロースは、些細な記憶なら書き換える事が出来る。


大切な君達にはしないけどね。


その日の夜、僕は両親に挟まれて眠っている君の元に行く。

小っちゃな赤い靴下が片方、枕元に置いてある。

そこに君の大好きな電車のオモチャを入れてみた。


「ふふっ…」


君が普段履いている小さな靴下だから、細長いプレゼントの箱が結構飛び出しているのが面白くて、つい笑ってしまった。


君の両親が君へのクリスマスプレゼントを用意したんだって、記憶を書き換えることも忘れずに。


「Merry Christmas,My little one」


スヤスヤ眠る君の額に口付けを落とす。


「おやすみ、僕の可愛い子」





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