17' 先輩 Day2
何もしていないと嘯く彼の顔には、安堵の表情が見え隠れしていた。私は口の中のオレオを噛まずにドロドロに溶かす。
「支倉さん、紅茶のお代わりが欲しいです」
「うん、淹れてくるから待ってね」
ポットとコップを持ち、リビングを離れキッチンに向かう。ティファールのスイッチを入れ、茶葉を用意。片方のコップの飲んだ跡を舐めとる。最高の1杯のためにコップを温め、しっかりと蒸らし、最後の1滴まで余すことなく彼のコップに入れる。・・・睡眠薬、あればよかったのに。
「お待たせ。お砂糖は3つでよかった?」
「はい。ありがとうございます」
高馬君は両手でコップを持ち、ゆっくりと飲み始めた。ゾクゾクと気持ちよさが背中を震わせる。
「ふぅ、おいしいですね」
「そりゃよかった」
高馬君はさっきより深く椅子に腰かけている。よかった、少しずつ馴染んでくれてる。
「高馬君、今日は何時くらいに帰る予定だったの?」
「うーん、本当に決めてなかったですね。もしかして、邪魔してます?」
「いやいや、聞いてみただけだよ。じゃあさ、今日、その、泊まってく?」
「・・・や、早すぎますよ」
「わ、私は別にいいよ」
「・・・気持ちは嬉しいですし、気を抜くと飛び跳ねたくなりますけど、今日は流石に帰りますよ。まだ俺と支倉さん、付き合って2日目ですよ」
「でも、私は君とずっと一緒にいたよ」
「だとしても、です。支倉さん、もっと自分を大切にしてください。男なんてみんなクソ野郎ですから」
「私は君になら、何されてもいいよ」
「やめてください。勘違いしちゃいます」
「してもいいよ。私は、君になら壊されてもいいかな」
「絶対に壊しません。じゃなくて、俺はまだ17です」
「関係ないよ」
「大アリです。責任なんか取れません。というか、そういうことがしたくて俺は支倉さんと付き合ってるわけじゃあないです」
「わ、私だってそんなにえっちしたいわけじゃないよ。もっと一緒に居たいだけなの」
「気持ちは嬉しいですけど・・・帰った後寝るまで電話じゃあ駄目ですか?」
「・・・ヤダ。今日は泊って」
「・・・支倉さん、あんまり困らせないでください。今だって、俺が本性を剥き出して襲うかもしれないんですよ」
「君になら、いいよ」
「あぁもう!もっと自分を大事にしてください!」
「大事にしてるよ!自分より君の方が好きなだけなの!」
「・・・っ」
「ねぇ、お願い。なにもしないから。一緒のベッドで寝て、おやすみとおはようを言って欲しいだけなの」
「・・・・・・本当にそれだけですか?」
「うん。誓うよ」
「・・・じゃあ、今日は泊めさせて貰います」
「うん」
「でも俺、服の替えもないですよ」
「じゃあ、今から買いに行こっか」




