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「天界の塔」〜あの丘の上で、女神は愛を歌い続ける〜  作者: 餅田ベル
【守護12神・第五席・卑弥呼復活編】
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第8話 腹を括れ!覚悟の時!

卑弥呼「マイヤ…じゃと…」


ユイ「そうよ私たちはマイアに言われてここまで来させられて、あなたを復活させないとここから出られないと言われたの!」


卑弥呼「お主らは人族だな…そうか壱与(いよ)は逃げおおせたのか…壱与…あぁ壱与…誠に大義であった…。お主、今、マイアと申したか?」


ハルノブ「そう…です!、あの人は自分のことを神造女神のマイヤって言ってました!それより…その…刃物しまってくれませんか?」


卑弥呼「ならぬ!死にとおなかったら我を復活さた意図を申せ!そなたらは荒御魂の遣いやもしれぬのだ!今ここで確かめねばならぬ!」


マサチカ「荒御魂(あらみたま)?」


卑弥呼「そうじゃ!我が友ルルエラは荒御魂となり人族を滅ぼさんと猛威を振るった!そなたの抱えるその書は!我と!我が民!全ての心血を注いで封印を成した代物じゃ!邪馬台国はその一冊の本の封印がために皆覚悟を決めて滅んだ!その封印を!そなたらは解き放ちよった!言い訳をもうせ!相応でなければ死ね!」


卑弥呼は憤怒の眼差しで、その刀身はカタカタと震えていた。


ハルノブ「そんな…ルルエラの書ってなんのことだよ!はっ⁉︎ 何でここに日記が!」


ユイ「え?なんで?」


マサチカ「分かりました、俺が説明します。どうかその間は剣をさげてください!お願いします」


卑弥呼「申してみよ」


マサチカはここまで経緯を卑弥呼に説明した。


卑弥呼「マイアは…マイアは封印されているはずじゃ…よもや封印が弱まった。いや…ダリエラの差し金か!えぇい圧倒的に情報がたりぬぞ!」


卑弥呼は独り言のように呟くと3人を強く睨みつけ話を続けた。


卑弥呼「其方らが彫刻の民の末裔だと…!?ダリエラの国の……ふん!そなたの持っているそれはルルエラの日記などではないわ!それは"神代白滅録ルルエラの書"。ルルエラの書はルルエラの"記憶と憎悪"が封印されている書だ。それを封印せんがために我が邪馬台国1億の民は一滴残らず魂と血を捧げた。我を除く民は神では無くただの人間故に、極大封印式を発動させるためのに捧げられるものはそれくらいしかなかったのだ!」


ハルノブ「その封印が解けちまったのか…封印が解けるとどうなるんだ…」


ユイ「状況が掴めないわ。えっと…ルルエラは邪馬台国を滅ぼすほどに恐ろしい女神で、その女神が蘇って…え?え!?」


卑弥呼「いいや、ルルエラは天界最強を誇り…そして誰よりも優しい女神じゃった。だがある日を境におかしくなってしまったのじゃ…友であるあやつは微笑みと絶望を振り撒く存在に変わり果てた。我ら守護12神はルルエラの暴走を停止させるため、それぞれがルルエラの核となる強さを封じたのだ。故に封印は残り11ある。しかし!今この時ルルエラの記憶と憎悪は解き放たれた!一つだけでも人族を十分に破滅へ至らしめる力ぞ!それを外へ持ち出してはならぬ!持ち出させはせぬ!階層遮断も無くなってしまった。上の魔物どもがルルエラの憎悪に呼応し雪崩れ込むのも時間の問題じゃ!」


ハルノブ「そんな俺たちはどうしたらいいんだ…」


マサチカ「もう天界の塔から出ることが出来ないって…」


ユイ「まだ出る方法はあるわ!最上階を目指すのよ!マイアがそう言ってたもの!」


卑弥呼「マイアはルルエラの神器プレアデスゴッデスの中におる、7柱の女神からなるルルエラの侍女の1柱じゃ。信用ならん…じゃがダリエラが…彫刻の末裔であるそなたらに賭けたのやもしれぬ。マイアはプレアデス達の中でも最後までルルエラに停戦を提言し続けていた心ある女神じゃった。」


マサチカ「マイアは微妙な立ち位置…ならどうして俺達をここへ」


ハルノブ「マイアのことも分からないし、やっぱりルルエラの書を分析する必要があるのかも」


結「そうね」


卑弥呼「そなたらが何も知らず…分からず、無知故に我の封印を解いたことはよく分かった。マイアもダリエラも今さらに…こんな駄犬みたいな連中にそのような希望を夢見おって!無駄じゃ…ルルエラは誰にも救えぬ!……。それにその話が本当であれば其方の曾祖父は生きておる。まぁよい…そなたらまず我に名を名乗れ!」


ハルノブ「え!曾爺ちゃんが生きている…そんなわけないよ!もう何100年経っていると思うんだ!」


ハルノブ「俺はハルノブ・ミナカタ、神代考古学専攻2年で天界の塔の神代考古学的価値を主に研究してる者だ」


マサチカ「俺はマサチカ・ニシノ、魔物生物学専攻2年で天界の塔内の魔物を研究しています」


ユイ「私はユイ・キタザワ、天界植物学専攻2年で天界の塔内の天界植物を研究してるわ」


卑弥呼「はぁ…神代考古学とやらは己の無知を認めず荒らしを発見といい未知に思いを馳せる学問か…過去は過去のままそっとしておけばよいものを…掘り起こすとは愚かな。とにかく其方らの事情は承知した。では覚悟を問おう」


ハルノブ「ちがう!神代考古学は過去の記憶やメッセージ!文化や思い出!願いごと!過去の人々が遺していった素晴らしい意志を今に伝える学問だ!今回は確かに安易で愚かな行動をとってしまったかもしれないけど、考古学は荒らしでも無知でもない!」



ユイ「ゴクッ…(これってハルノブ曾爺さんの記録にあった選択…)」


マサチカ「覚悟…」


卑弥呼「ええいだまれハルノブ!そなたらは人族をやめる覚悟はあるのか!」


ハルノブ「人をやめるだって…どういうコトだ」


卑弥呼「ふん、其方が1番貧弱だわ。覚悟とはそのままの意味よ。ここは天界の塔30層これより上の領域は人の身では耐えられぬと申しておる。原生する魔物や植物を喰らいわねばならぬ。人魚の血肉を喰らい、神そして邪馬台国の民の血が流れる我の血液を数滴ずつ飲み続け、人をやめねばならぬ。100層から上は妖精と獣神・神々の領域、それぞれの階層に応じて血液や肉体に至るまでそなたらは進化していかなければならぬ!人の体躯を維持できるか否かはそなたらの強さ次第、それがルルエラのいる500層にいたるということだ!話が事実であれば其方の曾祖父は人をやめたのだハルノブ!であれば生きている!其方らにその覚悟はあるのか!」


ハルノブ「どちらにせよもう後戻りは出来ないんだ!曾爺ちゃんがやったなら俺もやるよ!天界の塔の制覇は俺の夢なんだ!」


マサチカ「はぁ…俺だってここで野垂れ死ぬのはごめんだ」


ユイ「私だって…………やってやるわよ!!」


卑弥呼「ふん!駄犬にしては良い目だ、であれば着いてまいれ!参るぞ!」

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