第12話 いざ!ジャングルサバイバル!
3人の前にいたのは体長5メートルほどで、羽毛がエメラルド色の巨大な火食鳥。
マサチカ「ククルンバードだ…あれの爪と嘴は鉄も砕くほどに硬いし殺傷力も高い。それに首の可動域が広いから死角がない…でも羽毛部分は柔らかくてこちらの攻撃は通りやすいはずだ…弓があればいいんだが」
ハルノブ「弓なら俺作れるぞ」
ユイ「頼りになるじゃない!策があるならやってみましょう!」
マサチカ「そうだな、アレは飛べないから木の上から狙おう」
ハルノブ「あれにぶつけるなら矢というよりは槍くらいの長さがいるぞ…弓をデカめに作って短剣を棒に括りつけよう」
マサチカ「そうだな、準備しよう!」
ハルノブは枝を切り手慣れた動作で大きな弓を作った。
ハルノブ「ボウガンみたいなのがつくれたらな〜、ごめん今は時間が足りないからこれで頼む」
3人は弓を木に固定し照準を合わせ、ククルンバード目掛けて槍を飛ばした。
槍は見事にククルンバードに命中したがククルンバードには、まだまだ余力が残っており3人がいる木に向かって強烈な蹴りをいれ大木を大きく揺らし続けた。
ユイ「この大木を揺らすってどんな力よ!」
マサチカ「短剣はあと2本…ハルノブ!まだ槍は作れそうか?」
ハルノブ「おう!まだいける!」
ユイ「揺れてるけど、木の真下だからさっきより当てやすいんじゃない?」
マサチカ「いや、今はかなり揺れてるから照準が合わないな、隣の木から狙おう!」
ユイ「分かった!」
マサチカが弓を引き、ククルンバードに槍をぶつけると、槍は背中から心臓部へと突き刺さり、無事にククルンバードを仕留めることに成功した。
ハルノブ「よーし!今夜は鶏肉だ!ひゃっほー!」
ユイ「あんな大きな魔物が家の近くにいるなんて…うちの拠点広めだし、目立ちすぎない?」
マサチカ「そうだな、あんなこともあったし…枝や葉っぱでカモフラージュするか…とにかく今はアレを解体する。周りを警戒しててくれ」
ユイ「あんなこと?」
ハルノブ「アレだよ!お手洗いの件!だよな!」
マサチカ「そうそう!それだ!笑」
ユイ「まだ、そんなこと気にしてたの?」
マサチカ「すまんすまん、解体してくるよ!」
ハルノブ「(あっぶねぇーーーー!)」
マサチカ「羽毛でよく見えないけど切るとこだけむしればいけるか、爪も嘴も加工したら武器に使えそうだ…ん?ん?いや待てよ。卑弥呼さんに渡されたこの袋…いや〜…まさかなゲームやアニメじゃないんだから…」
マサチカが卑弥呼から渡された肩かけ袋を開けると巨大なヒクイドリは吸い込まれるように袋の中に入っていった。
ハルノブ「え?嘘でしょ?」
マサチカ「この袋ってこうやって使うのか…オブシディアンリザード…その場で解体しないで入れときゃよかった」
ユイ「はぁ…そうだったわ。短剣は普通の性能だしサバイバルに必死で忘れてたけど、卑弥呼さんって現実離れしてたんだったわ…もう私は驚かないぞ〜!」
マサチカ「でもこれで、次の狩ができるな!」
ユイ「ちょっと待って!あなた達大事なもの忘れてない?水!水が無くなっちゃう!食料は確保したんだし水場を探さないとでしょ!」
ハルノブ「水場っていってもなぁ、どうやって探すか」
ユイ「とにかく探索してみましょうよ」
マサチカ「そうだな」
そうして次に3人は水場を探すため探索を続けた。
ハルノブ「日暮前に戻らないとだから、もうそんなに歩けないぞ〜」
ユイ「そうねぇ…水…水…ハルノブは湿度が高い方向を教えて、肌で感じとるのは得意でしょ?マサチカは魔物を警戒、私は魔草がないか見てみるわ」
ハルノブ・マサチカ「了解!」
3人が歩き続けるとユイが足をとめた。
ユイ「これ!この魔草はトリポカ草よ!トリポカ草は川辺の植物なの!2人ともこれが多い方角に進みましょう!」
トリポカ草の多い方角へ進んでいく3人は川を見つけた。
ハルノブ「あったーーー!ユイすごいな!」
マサチカ「とりあえず水は確保だな、拠点からは2.5キロってとこか」
ユイ「うん。結構綺麗ね、そのまま飲めたらいいんだけど、濾過するとなると地質も調査しなきゃいけなくなるわ」
マサチカ「わからなくならないように、ここから帰るまで印をつけておこう」
ユイ「そうね、サンプルと今日の分の水は持ち帰りましょ」
そう言ってユイは川の水を試験管にしまいペットボトルに10リットルを水くんだ。
マサチカ「だな日も傾いてる、帰ろう」
ハルノブ「暗くなったらまたヤバいのに襲われるかもだしな!帰りに罠も仕掛けておこう!それも目標になるし!」
卑弥呼「ほぅ…ハルノブは技術面をマサチカは司令塔、ユイは料理面をか…案外冷静ではないか…もっと取り乱したり大喧嘩するものかと思ったが3人とも自分の役割を見つけておる…駄犬と言ったのは言い過ぎたかの?」
日が暮れる頃3人は拠点に辿り着いた。
ハルノブ「マサチカ!家のカモフラやろう!」
マサチカ「だな!」
ユイ「私は今夜の支度するわ〜、あーキャンプ道具を全員が持ってきててほんとよかった…これ無かったら死んでたわね。長旅になるって言ってたから警戒は怠らないに越したことないわね」
マサチカとハルノブが家の加工を終え、ユイが料理の支度を終えた頃。卑弥呼は洞窟で巨大なグリズリースネークの肉を食し「ここの魔物はうまいの〜あと88日…耐えてみせいダリエラの駄犬達よ」と満天の星空を見上げるのだった。
ハルノブ「足が痛い…」
マサチカ「腕が痛い…」
ユイ「弱音吐かないの!あなた達!夜ご飯できたわよ!今日は鶏肉よ、これがすごいんだから!あと今日見つけたトリポカ草も料理したから食べてみて!」
ハルノブ「飯だ〜!」
マサチカ「葉っぱはちょっと…」
ユイ「ん?なんか言ったかしら?」
マサチカ「いえ!なんでもありません!」
ユイ「今日の料理は…」
31層2日目の料理
・トリポカ草の塩胡椒炒め
・ククルバードの照り焼き
・オブシディアンリザードのテール肉ソテー
・川の水少量
ハルノブ「一気に豪華になったな!うおー!このテール肉のソテー肉汁やべ〜!美味ぇ〜!」
マサチカ「ククルンバードの肉も弾力がすごいな!油があればフライドチキンにしたい!」
ユイ「今は素材の脂身で調理してるから難しいわね、あらら?マサチカく〜ん?トリポカ草…残ってますけど?」
ハルノブ「苦かったけど、コレはコレで美味いって思うぞ!」
マサチカ「マジか…」
ユイ「しょうがないわね〜…ハルノブ隊員!!」
ハルノブ「あいあいサー!料理長!」
ハルノブは威勢よく返事をするとマサチカを羽交い締めにした。
マサチカ「おま!ふざけんな!ヒィッ!!やめ!」
ユイ「はい!あーーん!」
マサチカ「裏切り者ーーーーーーー!!!」
卑弥呼「なんじゃあやつら…楽しそうじゃの…」
その夜マサチカはずっと不機嫌だった。




