神代白滅録ルルエラの書〜第1楽章〜
-まずはご挨拶を-
皆さまごきげんよう、私は彫刻の戦女神ルルエラ。
私は今は亡きアダマンスフィアの民の願いと祈りからこの書物をしたためています。これより先、私という神を知ってもらう上でこれに目を通していただくことが一番理解にはやいかと存じます。
それでは語りましょう。
これは私が「世界に手を差し伸べて、そして否定される」よくある悲しいお話。
・・〜誕生・成長〜・・
私が誕生したのは天界の塔200階層・医神の国ヒポクレメンス。
ある日、目を開けても閉じても暗闇の中、柔らかな壁と温もりに包まれながら私は体を動かしました。
「狭いよぉ…怖いよぉ…ここはどこ?早く出たいよぉ……」あの時の私はそんな事を考えていました。
「あなた今ルルが動きましたよ!ほらほら触ってみてくださいな!あぁなんと愛おしい!早く会いたいわぁ!もうすぐ貴女に会えるこの幸せを民になんと伝えましょうか。」
おっとりとしたママの声は私の身体を優しく振動させました。
「私がパパだぞ〜聞こえるか?ルル〜」と男性の声がする。私を包み込む温もりとは別の温もりと力強い振動が再び暗闇にいる私を揺らしました。
その時、身体を動かしたのですが、
「わぁ!今なんかムニ〜ってなったぞ!ムニーって!ダリエラぁこれは平気なのか(慌」どうやらパパは動揺している様でした。
ダリエラ「うふふ、全然平気ですよあなた。原初の五神が一柱・不壊の第三魔眼・金神アダマイオス様をこんなに慌てさせてしまうなんて!ルルはきっとすごい子になるわね。さてと、私は疲れてきたのでそろそろ寝室で横になります、あなたはちゃんと湯浴みをしてから寝てくださいね」
アダマイオス「あはは、その呼び方はやめてくれ長いし結構恥ずかしいんだ。にしてもなんて可愛いんだろう!私の声はルルに聞こえいるのかな?」
「うふふ、きっと聞こえていますよ」と穏やかに微笑みダリエラが立った時"パチン!"という音が私の頭上で鳴った。その瞬間強い衝撃が私を揺らし、ママの温もりが冷めはじめ、私を包み込む柔らかな壁は大理石のように硬くなり何度も私を締め付けはじめたのです。
ママの声は途端に辛く苦しいものとなり「まだ…予定より早いのに…あなた…早く…医神アレオス様のところへ…」そう言うとママの吐く息は荒く小刻みになりました。
ママの意識が薄れる中でも私を包む温もりは冷めて続け、壁は何度も私を締めつけました。
ダリエラ・ルルエラ「息が…できない…今死にたくない…(あなたに・皆んなに)会いたい!」この時、私とママは同じコトを思考していたようでした。
アレオス「はやく手術台にのせるんだ!横向きにしろ!いけない…壁から出血しているぞ!神羊水も減りすぎてる!ヤージャ!子宮を中心にレジェンドヒールをかけ続けろ!ダリエラから定期採血していたイーコールRHマイナスを輸血!神域麻酔魔法の展開を急げ!このままじゃ間に合わなくなるぞ!!ダリエラ…すまない…今の身体の状態では麻酔魔法を待っている時間がない…君は内側からの再生能力は人族と同じだ!麻酔無しでの執刀は君を死に至らしめるかもしれない…彼女を取り出すまでは戦闘の時のようにアダマイオスに外から粉々にしてもらうこともできない!出血が多くて君のイーコールも足りないんだ!今ならまだ君の命か彼女の命か選べる…どうする…ダリエラ…」
ダリエラ「切ってくださいアレオス…私はママだもの…ずっと一緒だったんだもの…どのような結果になっても…私はずっと彼女と一緒にいます」
ルルエラ「そこからの記憶は無いですが、目の焼ける様な光が私の見える景色を黒から白に変えていたのと、私の泣き声を聞いてパパとママが天界中に響きわたる声でワンワン泣いていたのは覚えています」
ー15年後ー
私はママと同じ彫像のような純白でスベスベな石肌に、ブルーダイヤモンドの様な薄青の瞳と、純白の長髪に半人半馬の身体で父の領地である天界の塔400層・金神の国アダマンスフィアの切り立った野山を天界一速く、強く駆け抜け、中級の魔物を易々と狩るほどに成長しました。
そして野山で狩をしたあとはママの領地、天界の塔350層彫刻の国フィオーレベネチアの宮殿の周りをお散歩して、湖のほとりでおやつを食べながら、ママのイーコールを私の身体に輸血するのが日課でした。
ルルエラ「私もママとパパみたいな強くて綺麗な神さまになれるかな?」
ダリエラは静かに目を閉じ顎に人差し指を当てて話をする「そうね、あと3年くらいかしら。そしたら私達のイーコールが身体に馴染んであなただけの神威に目覚める頃だし、塔立アヴァロンティア神域魔法学校も卒業してる頃だろうから…あとちょっとの我慢ね」
ルルエラ「長いよ〜!私もっと早く強くなりたいわ。ねぇねぇ〜パパは金神で鉱石の神さまなんでしょ?それならママは何の神さまなの?」
ダリエラ「パパは他にも色々できるけど〜そうね。なんだか気恥ずかしくて言えてなかったわね。ルルが気になり始めたならそろそろ教えてもいい頃合いかしら!それでは名乗りましょう、我は守護12神が1柱!不滅の彫刻神ダリエラ!美の女神にして天界随一の防壁神!!まぁ大きいお仕事の時はパパのサポート役がメインね(にこっ)」
ルルエラ「わぁ〜カッコイイ!私絶対ママみたいになりたい!綺麗でカッコよくて優しい神さまになりたい!」
ダリエラは嬉しさでニヤニヤしながら「あらそう?なら、そろそろママとの鍛錬も始めていきましょうか!パパは力加減を知らないからずっーーとずっーーーと強くなってからじゃないとダメよ!私だって戦闘訓練の時はたまに全身を粉々に砕かれちゃうんだから〜ほんと困っちゃうわ!あの神さまは!」と父の愚痴もこぼすのだった。
ルルエラ「えーーー⁉︎全身粉々ーー!!パパなにやってんのーー?!それって大丈夫なの?」
ダリエラ「私は地上に破片が触れていればこの身体を粉々にされたとしても再生できるの。でもそのかわり内側からの攻撃に弱いのと、一切の攻撃魔法が使えない身体なのよね。戦闘訓練の時は私の神威を混ぜ込んだ天界随一の防壁魔法アイギスの鱗で身体を守ってはいるんだけど…はぁ…(ヒクヒク)パパは本当に力加減を知らないから…(プクー)なんだか思い出したら腹が立ってきたわね。(ぷんぷん)今夜ちょっとお仕置きしようかしら」
ルルエラ「私もする〜(笑」
ダリエラ「なら今日のご飯はパパの嫌いなオリハルコンソルトで味付けしましょう!ルルもお料理手伝ってくれるわね?」
ルルエラ「うん!手伝う〜!パパ絶対にぐぁ〜塩っ辛い!ジャリジャリする〜!って言うね(笑」
そのころ父アダマイオスは夕闇山での魔物討伐の帰路で大きなくしゃみしていたとか。




