第四の二章 「そして」
第三節『最後の舞台』
3・最後の舞台
「教授たちは、どこに行ったんですか?」
その日の夜。僕たち…僕と・オッちゃんと・ケーコさんに・かなえチャン…は、トランプをしていたのだけど、ひとゲームが終わったところで、和男さんに訊いてみる。
(勉強道具がいっさいないので、たまには「頭の体操」。でも・これで、かなえチャンも、ずいぶんオッちゃんと打ち解けてくれたみたいだ)。
「たぶん…神月山だよ」
本州のヘソ。ほぼドまん中にある・そこは、例の消滅してしまった街があった所だ。
「まさか、二人だけで行ったんじゃないでしょうね?」
僕が、そう訊くと…
「一個小隊がついてるはずよ」
ケーコさんが、答えてくれる。
「一個って…それだけで大丈夫なんですか?」
相手が・どれだけいるのか、わからないのに…
「まあ、特殊部隊だからな」
そう言いながらも和男さんは、ちょっと不安そうだ。
「なんで神月山なんですか?」
オッちゃんも、心配そうに訊いてくる。
(なにせ、事の経緯を、まったく知らない僕たちだ)。
「あそこの地下では、『太平洋戦争』敗戦の直前、大本営を移す計画が進められてたんだ」
なんでも、戦後の『昭和』の中頃には、その近辺を震源地とする群発地震が長期間に渡って続き、「地下で、何かやっているのではないか?」という噂が立ったと云う。
(また、「UFO目撃多発地帯」でもあるそうだ)。
「たぶん…アジトでもあるんだろ」
『アジトって…』
「あそこは、パパとママの生まれた場所なの」
それを聞いていたかなえチャンが、ポツリと言う。
『なんだか、イヤな予感がする』
僕が、そう思った時だ。
「ガルルルル〜」
雨戸を閉め切った縁側の近くに寝そべっていたクロが、頭をもたげて・唸り声を上げ始める。
「嗅ぎつけられたみたいだな」
和男さんは、そう言いながら雨戸のフチまで行って、聞き耳を立てる。
「警報が入らないところをみると…」
ケーコさんが言ってるのは、廻りを警護してくれているであろうセキュリティー・ポリスの事だ。
「ヤラれたみたいだな」
まとめるほどの荷物も無い僕たちは…畳の上で土足になり…用心して・あらかじめ用意してあった水と携行食を背負い…手に手に武器と弾薬を取る。
(こんな状況なので、結局オッちゃんも、僕たちと同行することになった)。
「ソッチじゃない!」
当然ぼくは、裏山へ向かう「抜け穴」に入るのだとばかり、思っていたのだけれど…
「SPがヤラれてるくらいだ。そんな所に入ったら『袋のネズミ』だ!」
そう言いながら和男さんは、横の白壁の前に立ち、横木をスライドさせる。
「クルリ!」
年季の入った壁を押すと、白壁が回転する。
『回転トビラ?』
他にも、絡繰があったみたいだ。
『忍者屋敷みたい!』
感心してる場合じゃないけど…
「コッチよ!」
そう言われて、ケーコさんを先頭に、シロとクロを連れたかなえチャン・オッちゃん・僕・そして最後に和男さんと、地下に続く・切り通しのトンネルに降りて、裏山とは反対方向に向かう。
「ヨイショッ…と」
海沿いの道路の下をくぐって、最後に突き当たり。そこで積まれた玉石をどけて、人一人ぶんの穴を開けて外に出れば、ガレ場の浜辺。
「ふい〜!」
そこからは夜の闇の中、火山の方に向かって海伝いに歩く。
『大したもんだ』
僕はドレス姿の、かなえチャンの体力を心配していたのだけど…
『体重が軽いから?』
終始、遠足かピクニックでもするかのような、軽やかな足取りだ。
(こんな環境で育っている子だ。普段から鍛えているのかもしれないし…案外、武器だって操れるのかもしれない)。
火山の麓からは、登山道へ。
(火山活動が活発になっていたので、入山規制がかかっている。登山者やハイカーなど、人気は皆無)。
『着いた〜!』
朝日が昇る頃…人っ子一人いない…噴煙を上げる・噴火口を見下ろす、開けた頂上へたどり着く。
(和男さんとケーコさんは当然として…体育会系でもあるオッちゃんに、かなえチャンにクロ。一人の落伍者も無かったけど…シロだけは、岩をはい上がる時など、誰かが交代でダッコしてあげた)。
『ダイジョブなの?』
間近に見える噴火口は、茶灰色を濃くしたような黒い噴煙を猛々と噴き上げているけど…
『今は非常事態。それどこじゃない』
でも、僕のそんな予感は…ソチラ方面じゃないけど…即、的中!
「ガルルルル…」
岩陰に隠れて、ひと息入れていると…
『?』
クロが反応しはじめる。
「きやがったな!」
和男さんの一声で、岩陰からソッと顔を出せば…
『!』
横一列に並んで登ってくる、六人の黒いコート姿の男たち。
「バサッ!」
一条の朝日が差すと同時に、揃ってフードをかぶる様が…
『戦闘態勢突入!』
そんな感じで、いっそうの不気味さをあおる。
「まかせとけって!」
和男さんが、肩に掛けていた・愛用のカービン銃を構えて…
『戦闘開始!』
引き金を絞る。
「バシュ〜ン! バシュ〜ン!」
身を隠していた岩陰から連射で…まず・真ん中の二人を、アッサリ仕留める。
「そろそろ来る頃よ!」
ケーコさんが叫ぶような口調で、でも小声でそう言うと…
「ブロ〜ン…!!!」
やがて上空に飛来したのは、空挺隊の垂直離着陸型ティルト・ローター機。
(双発のエンジンごと可動させていた旧式と違い、プロペラの向きだけを水平〜垂直に変えられる最新型だ)。
着陸に充分な広さはあったけど…
「こんな開けた場所じゃ無理だ」
和男さんの言葉通り…着陸している余裕なんて、無さそうだ。
(全員が乗機するまでの時間を考慮すると…乗り込んでいるところを、航空機ごと「狙い撃ち」されるおそれがある)。
『空中挺進作戦?』
でも、ロープで宙吊りになった状態では、それこそ「絶好の的」になってしまう。
「全員、討ち獲るしかないな」
和男さんは、そう言ってから…
「ケーコ、みんなを頼むぞ!」
岩陰をはい出して行く。
「バシュ〜ン!」
「バシュ〜ン!」
「バシュ〜ン!」
途切れ・途切れに轟く、『一撃必中』の銃声。
「あと一人」
ケーコさんが、そう言った時だった。
「ガラン!」
ま後ろで、石が崩れる音がする。
「ハッ!」
岩陰に入っていた全員が、一斉に後ろを振り返ると…僕たちを見下ろすように、背後に立つ黒いコートの男!
「しまった!」
ケーコさんが、あわてて振り返ろうとするけど…
「ニヤッ!」
先に・そちらに顔をむけた僕の目に映ったのは、「ニヤッ!」と笑った黒いフードの男!
『絶体絶命!』
全体の光景が、スローモーションのように動いていく中で…
「パンッ!」
そんな軽い響きの音で…
「エッ!」
急に目覚めた瞬間のように、通常の時間の流れが戻ってくる。
『なに? なにがあったの?』
我に返ってみれば…まるで器械体操選手のように、上体を真後ろに振りかぶった・かなえチャンが、最後の一人の脳天に風穴を開けている。
『マジ?』
どこに・そんな物、隠し持ってたの?
(きっと…それで、いつもドレスを着ているのだろう。その中には…『いったい、どんな物が隠されているのか?』。考えただけでも、ゾッとする)。
でも…
『シビレる〜!』
感激だ!
(実のところ僕は…「ロリータ・コンプレックス」ではないけど、「ロリコン趣味」ではあるようだ)。
戦い済んで・ホッとして、忙しそうに立ち回る処理班を横目に、ティルト・ローター機に歩み寄る。
「ありがと」
着陸したヘリに向かいながら、ケーコさんは、そう言ってかなえチャンの頭を撫でている。
(クロは、近くに六体もいたのだから仕方ないけど…責任を果たせず、すまなそうな顔をしている)。
『なんなの、あの子?』
オッちゃんは、そんな驚きの表情を見せているけど…
『相手は人じゃないし…』
笑顔のまま絶命している男の顔を見て…
『まあ、イイんじゃない』
僕は、そう思った。
※ ※
「バラッ・バラッ・バラッ…」
僕たちを乗せた機体が上昇を始めたところで、機長さんらしき人に話しかけていた和男さんは…
「なに? 先遣隊と連絡がとれない?」
続けて…
「それに…教授と博士の消息も不明?」
そんな・やり取りが、漏れ聴こえてくる。
「どこに行くんですか?」
僕たちが並んで座る、後部の座席に戻ってきた和男さんに尋ねると…
「あそこしかないな」
そう答えてから、僕やオッちゃん・かなえチャンの方を見る。
『?』
教授たちが消息を断った時刻との時間差を考えると、グズグズしてるヒマは無さそうだ。
「君たちのことを、途中で降ろしているヒマはないんだ。むこうに着いたら、そのままコレに乗っ…」
和男さんが、提案しかけたところで…
「キャン!」
シロの、制止のひと鳴きが入る。和男さんは、「君たち」と言ったけど…
「パパとママを、助けに行かなくちゃ」
と、シロを抱きしめた、かなえチャン。
「わたしも着いて行きます!」
オッちゃんも、強いことばで、そう言うし…
『オッちゃんが、そう言うんじゃ…』
逃げ出すわけにもいかないし…
「プイッ!」
クロは「当然!」といった顔をして、窓外の方に顔をむけているし…
『仕方ないわね』
ケーコさんは戸惑う和男さんに、そんな意味のこもった「にんまり」とした笑みを浮かべて…胸の高さで・上に向けた手の平を、すくめて見せる。
「しゃ〜ないか」
全員の同意の合図を受け取った和男さんは、そう言って・正面を向き、座り直した座席から立ち上がると…
「まずは…」
そう言ってから…「ヨイショ!」っと、アクアラングにでも使うような、鈍い灰色の・大きな鉄製のタンクを背負う。
「何ですか、それ?」
それを眺めながら、訊いてみる。
「酸素ボンベだよ」
そして、それを手伝っていたケーコさんから…
「二人にも、一応これを渡しとくわ」
僕とオッちゃんは、スポーツ大会や登山の時などに目にする、どこにでも売っている・市販の酸素缶を手渡される。
「吸うんですか?」
それを手にしながら、オッちゃんが言うと…
「いやいや…奴らに向けて、スプレーするのさ」
和男さんは、先端に長いノズルの付いたエアー・ガンで酸素を噴きながら…
「決定打にはならないが、一瞬、ヤツらの動きを封じられる」
そう言うけど…
『これで?』
僕の怪訝そうな表情を見て…
「効果は実証済みよ」
ケーコさんも、そう言うけど…
『こんな物で?』
「アイツらは…と言うより、あのウイルスは、酸素が嫌いだからな」
『なるヘソ!』
「狭い場所でなら、ゾンビよけの効果も見込める」
準備が整った和男さんの最後の言葉で、ひと段落。
「さて!」
そんなワケで、機内で昼の「腹ごしらえ」を終えた僕たちは…『神月山』の麓にある、「立入禁止」と書かれた・トンネルの入口のような場所の前に立っていた。
(と言っても、一面コンクリートでふさがれていて、鉄の扉がひとつ、あるだけだ)。
「ここから入る気?」
ケーコさんが、和男さんに問いかける。
「今さら小細工しても、仕方ないだろ」
和男さんは、そう返事する。
「やけに静かですね」
と言いながら僕は、妙に落ち着いている自分に気づく。
奴らが待ちかまえてる事は、百も承知だけど…
自分で望んだモノではないけど…
たまたま、人とは違ったモノを持って生まれた…
『これも、僕…いや、僕たちの運命?』
それを受け入れたからだろうか?
「ワナかもしれないわ」
ケーコさんは訝しむけど…それも当然。だいたい、入口のドアは、開いたままだ。
「かもな」
でも…
『虎穴に入らずんば虎児を得ず』
「行くしかないだろ」
シャキーン!
和男さんは、カービン銃をリロードする。
「そうね」
カシャン!
ケーコさんも、散弾銃に散弾をセットする。
「狭い一本道の方が、相手にしやすいぜ」
『是』も『非』も無い。
『ここは戦いの場。「闇の勢力」との、戦争なんだ!』
でも、その前に…
「あの…」
僕は、口を開き…
「はじめに言っときたいんですけど…」
そう切り出すと…
「ん? 辞世の句でも詠む気か?」
和男さんは、そう言いながら振り返り…
「どうしたの、オシッコでもしたくなった?」
ケーコさんは、フザケてるけど…
「みんなにも、言っときたいんだ」
そう言って、左隣りにいるオッちゃんや、右隣りにいるかなえチャンを見回す。
(シロにクロも、黙って僕の方を見ている)。
「もし…もしも僕が、理性を保てないようなら…その時は…」
『その人の本性がわかる?』
「最後の手段で…僕のことを」
僕が、そこまで口に出すと…
『?』
オッちゃんが、僕の手を握ってきて…
「キャン!」
シロが、ひと声。
「バ〜カって言ってるのよ」
ケーコさんは、振り返りもせずに、そう言ってきて…
「…」
かなえチャンは、ジッと僕を見上げていて…
「プイッ!」
クロは相変わらず、ソッポを向いて…
「そんなことには、なりゃしないさ」
和男さんが、最後にそう言うけど…
「でも、こうして見ると、へんな組み合わせですね」
マッチョな二人は、マジっぽ過ぎて、かえって滑稽だし…
(戦場以外で、こんな格好をしていたら、通報されかねない)。
左右を固めるのは、普段着で自動小銃を構えた、いかにもフツーな男女の浪人生に…
(なんだか・とっても、「場違い」だ)。
白黒・大小のイヌを連れた、フリフリ・フリルの女子小学生。
(なのに、手には機関拳銃を構えてる)。
「まるで、『桃太郎の鬼退治』みたいだ」
僕が、そんな感想を述べると…
「ハハハハッ! それならダイジョブそうね」
ケーコさんが、そこまで言い終えると…
「ヨシ! 行くぞ! 突撃だ!」
和男さんが前を見て・左腕を振り上げ、前進の合図を送る。
「ガルルルル…」
中に一歩、足を踏み入れるや否や…速攻でクロが、低いうなり声を上げはじめる。
「いやがるな」
でも、シロが反応しないところを見ると、いるのは「ニンガイ」…ゾンビどもだ。でも…
「なんかヘンね?」
要所・要所の扉が開いていて、まるで導かれているかのようだ。
「たしかに…気味悪いですね」
左右に続いている・扉という扉の内側から伝わってくる、ザワザワとした・ザワつく空気。あの時…初めてコイツらに遭遇した時の、あの路地と同じ雰囲気が漂っている。
「いるのは間違いないですよ」
クロも、ずっと反応し続けている。
「シュ〜ッ!」
監獄の独房のような鉄のドアの上方に、鉄格子のはまった小窓。そこから酸素を吹き込むと、ザワザワとしたざわめきが、一瞬、静まるけど…
「奥まで引き込んでおいて、一斉に…かもね」
ケーコさんがそう言う頃に、大きな扉が開け放たれた・突き当たりの部屋に到着すると…
「ワン!」「キャン!」
今度はシロとクロが、同時に反応した!
「ソッ!」
と僕たちが、中に入れば…白壁に赤い絨毯の敷かれた、広い円形の部屋。
『誰もいないの?』
奥には半円形の、一段高くなった舞台が、こちらに張り出してきている。
(そこをグルリと取り囲んだ、奥行きの広い・低い階段が三段)。
ステージの上には、大きな背もたれの付いた、豪華な真紅の天鵞絨貼りの回転椅子が、向こうを向いて据え付けられている。
「やっと全員揃ったみたいね!」
と突然、椅子の向こうから、声がするけど…
『女?』
「先着の二人も、お待ちかねよ!」
その声が・そう言うと、右手の壁の一部が、自動で上にスライドし…
「パパ! ママ!」
教授と博士。二人は、駆け寄るかなえチャンの前に、しゃがみ込む。
「ひさしぶりね、教授・博士。いえ…倫太郎に桜華」
そう二人の名前を呼びながら、回転椅子がクルリとこちらを向くと…
「ハア〜?」
普段は、多少の事では声の出ない僕だったけど…さすがに、こいつには、声を上げてしまう。だって…
(まあ女性だとしても、華麗な髪飾りでも着けて・引きずるようなハデなドレスを着た、女王様みたいな姿を想像していたのだけど…)。
「こうこうせ〜?」
それも、ショート・カットの…
「じょすぃ〜?」
どんなスゴイ奴が出てくるのかと思っていたのに…
『アングリだ』
開いた口が、ふさがらない。
『しかも…』
薄での白地に、エリやソデが鮮やかな青色の上着に、スカートもブルー。夏服の制服みたいな格好の、まんま女子高校生。なのに…
「ああ、ひさしぶりだね、社長」
教授は真顔で、そう声を掛ける。
「しゃ・しゃちょう?」
って…あの、会社の社長とかの「しゃちょ〜」?
『いったい、どういうこと?』
「教授」に「博士」に「先生」に…最後は「社長」ですか〜?
『なんてこったい!』
『死』まで覚悟して、まさに「決死の思い」で気合を入れて、ここまでやって来たっていうのに…
『なんだか・とっても、拍子抜け!』
(この時の僕には、ほかの四人が・どんな表情をしているのか? 確認している心の余裕が無かったけど…『だいたい僕と同じ反応をしていたんだろう』と思っている)。
なのに…
「先生は元気?」
そんな・こちらの驚きや落胆(?)など、まったくお構いなしで…社長は続ける。
「キンタは、あの島での大爆発以後、消息不明だよ」
『キンタ?』
教授がそう答えると…
「あら残念!」
プイと頬をふくらませて…豪華なイスの上で「体育座り」。
「高校の同窓会ができるかと思って、コスプレまでしてきたのに…」
おまけに…
『こすぷれーや〜?』
でも…
『同窓会って…じゃ先生は、教授たちと同い年?』
「見かけよりは若いだろう」という僕の予想は、大当たりだったみたいだけど…驚き連発だ!
「ニーナは、あの頃のままなのね」
『ニーナ?』
今度は博士までが、真顔で話し出した。
「そう。死んだ時…いえ、人間じゃなくなった時のまんま」
『じゃ、やっぱりアナタも…』
僕はやっと、正気に戻ってきた。
「でも何でアタシがって、思ってるんでしょ? 女なのに…」
「クスクス」と、含み笑いをしながら言うには…
「男と女を区別する『三つの条件』って、なんだか知ってる?」
まず姿…付いてる物が、あるとか・ないとか。
次に中身…これは、どっちがあるかね。
そして最後に…
「遺伝子ね」
博士が、そう答える。
「そう。そのみっつが揃って、はじめて『男』とか『女』って言えるんだけど…」
『なるヘソ!』
つまり…遺伝子が『雌』ではなく、『雄』のもの。
(ごくマレに、この三つの組み合わせが、揃っていない人がいるらしいけど…聖女や生贄の少女も、この例に該当するのかもしれない)。
「そういう事だったのね」
と博士も、「なるヘソ!」な表情を見せるけど…
『一億分の一の確率の人間と元人間が、こんな身近な所で出会うなんて…』
だいたい、現在「約一億人の人口の日本」に、僕と父と弟の三人がいる(いた?)っていうのに…
分布に偏りがあるのか?
データーか解析方法に誤りがあるのか?
『もっと、たくさんいるんじゃない?』
冷静に考えれば、そちらの方が大問題だと思うのだけど…
「社長から連絡が入ったときは、驚いたよ」
と教授も、それどころでは無いようだ。
「まさか生きてるなんて」
『生きてる?』
まあ・それは、いったん置いといて…
『ところで…みなさん、お知り合いなんですか?』
「でしょ〜! ビックリさせようと思ってさ」
『ん〜、モロ女子高生』
「ひさしぶりに会ったんだから、ついでに・ひとつだけ、教えてあげるわ」
『これだけ大変な思いをしてきたっていうのに、「ついで」ですか?』
「どうしてワタシが、正気を保っていられたか」
『ぜんぜん話が見えないんですが?』
「たぶん怨念じゃない」
『?』
「あのゾンビたちみたいに、突然、変異していたらわからなかったけど…」
『ギョッ!』
とても怖そうな目つきになって…
「恨みを感じてる時間は、たっぷりあったわ」
と、にらみつけてくる。
「…ごくり!」
教授と博士は二人そろって、何かを悔やむような表情を見せて黙っているけど…
『いよいよ始まる!』
銃を握る手に、力が入る。
「でも…許してあげる」
『エッ?』
一転、表情を和らげ…
「あの時の・あの状況じゃ、仕方ないものね」
そう言って社長は、背もたれにふんぞり返る。そして…
「あなたが娘さん?」
二人の間に立っていた「かなえチャン」の方に視線を落として、声を掛ける。
「コクン!」
声を掛けられた「叶ちゃん」は、コクリとうなづく。
「こっちにいらっしゃい」
そう言われて、黙って立っている両親の手から離れて、前に進み出ようとすると…
「だめよ!」
オッちゃんが引き止めるけど…
「だいじょうぶ」
それを、振り払うようにして…
「だって…」
そう言うオッちゃんに…
「クロが怒ってないもの」
『なるヘソ!』
あのクロが黙って、成り行きを見守っている。
『大した子だ』
一人で・ゆるい階段を、一段・二段・三段と、登っていく。
『もしかすると、ヤツらの中でも、違ったタイプがいるのかもしれない』
そんな考えが浮かんだ、僕だったけど…
「さすがに教授と博士の子供だけあって、賢そうな子ね」
社長は・そう言って、かなえチャンの頭を撫でながら…
「どっちにしろアタシじゃ、子供なんて授からなかったでしょうけど…」
小声で・ポツリと、つぶやいた。でも…
「だまされないぞ!」
僕は、声を張り上げる。
「だって、僕の父さんや母さんや友達を殺したり、事件を起こしたりしてるじゃないか?」
すると社長は、あっけに取られた顔をして…
「何のこと?」
そう返してくる。
「アタシは、ただの・ここの管理人。名ばかりだけどね」
『?』
僕は・まだ、半信半疑だった。
「じゃあ…先にここに来た人たちは、どこに行ったんです? どうなったんです?」
そう問い詰めると…
「あら? アタシは知らないわよ。招待客じゃないのに無断で入ろうとしたから、ニンガイたちが怒ったんじゃない? かわいそうだけど…」
『無責任な管理人だ』
「とぼけるな!」と、怒鳴ってやろうと思ったのだけど…
「ああ。もしかしてアナタが、『ハイパー・ニンガイ』候補生ね」
機先を制された。
「勝手に仲間にしないで下さい」
僕は反論したけど…
『アレ?』
そこで、フト気がついた。
『そう言えば「ニンガイ」って表現…なんで社長が知ってるの?』
たしか名づけ親は、とある高校生って言ってたけど…
『ひょっとして…』
そこで突然…
「八百比丘尼のお話、知ってる?」
なんだよ急に!
「いえ!」
即座に否定すると…
「人魚の肉を食べて、不老・不死になったとか、800歳まで生きたとか云われてる、悲しい尼さんのお話よ」
話をそらすなよ!
「噛んであげようか?」
『ゾクッ!』
今度は悪戯っぽい目つきになって、そう言ってくるけど…
「結構です!」
冗談じゃない!
「アタシにかじられたら、アナタだって…今なら・今の姿のままで、永遠の命が手に入るのよ?」
実のところ…
『それも悪くないかな』
一瞬、そんな思いもよぎるけど…
『?』
一心に、まっすぐ・こちらに注がれるオッチャンの視線に気づくと…
「いりません!」
オッチャンがいなくなった・その後も、ずっと・ずっと生きてなくちゃならないなんて…
「なあ〜んだ! つまんない」
それに、もしかして生まれてくるかもしれない娘にも先立たれ、ましてや女系家族の系統で、続々と誕生する子孫が女の子ばかりだったら…
(ちなみに、「男か女か?」は、男の方が持っているもので決まるらしい。だから、僕が持っている種が女性用の物ばかりだったら、僕みたいな男の子が生まれてくる心配は、しなくて済むのだけど)。
孫・曾孫・玄孫…etcたちを次々と見送りながら、永久に生き続けるなんて、そんなの考えられない。
「どうぞ、お構いなく!」
僕は、オッちゃんと一緒に歳を取っていければ、それだけで満足だ。
(しかし・それ以上に、それとは反対に、もしも生まれてくるのが男の子ばかりだったら? そして本人が、永遠の命を望んだら…そのとき僕は、いったい『どんなふうに応じたらいいの?』。まあ・それは「今後の課題」という事で、いったん保留にしておくけど)。
「じゃあ…もし永遠の命を手に入れたら、アナタならどうする?」
いきなりの質問に…
「さあ?」
いったんは、そう答えたけど、すぐに思いついたのは…
「とりあえず、世界中の本を、読み漁りますよ。外国語を勉強している時間だって、タップリありそうだし」
今の人間の寿命じゃ、とても・そんな事は叶わない。
「あら! いいわね」
パッと笑顔を見せ…
「アタマ、良くなり過ぎちゃいそう!」
でも・すぐに、肩をすぼめて…
「でもアタシ、そんなに本、好きじゃないしな〜」
『それなら…』
「それに、地球のすべての道を、歩いてみるのもいいかな」
それも、今の人類のライフ・スパンじゃ、実現不可能だ。
「そっちの方が、アタシの性に合ってるかな」
少し元気を取り戻すけど…
「あなたには、まだわからないでしょうけど…」
一転、今度は深刻そうに…
「不老・不死なんて、そんなに楽しいものじゃないわ」
『喜怒哀楽』が激しいみたいだ。
「生きる理由や目的が無かったら、長生きなんて、苦痛なだけよ」
『きっと退屈してるんだな』
そんな感じがした。
「今回みんなに来てもらったのは…昔の友達が懐かしくって…みんなが元気なうちに、もう一度会っときたかったから」
『なんだか、悲しくなってくるような話だ』
けど、その時…
「ガサ・ガサ・ガサ…」
通路の方が、騒がしくなる。
「チェッ!」
社長は舌打ちして…
「班長の見回りね」
『班長?』
「抜き打ちの巡回が来たみたいだわ」
コッチの世界にも、そんなものがあるの?
「ニンガイどもが、目覚めたみたい」
それを聞いた博士は…
「ニンガイが目覚める?」
不思議そうな顔をすると…
「あら? 桜華しらないの? 冷凍しておけば、保存が効くのよ」
って、冷凍食品じゃないんだから。
「なるほど! そうなのね」
って博士まで。
『感心してる場合じゃないでしょ!』
しっかりして下さいよ! あなたは・もう、高校生じゃないんだから!
「アタシ、こんなでしょ…組織の中じゃ、跳ねっ返りだったから」
『でしょうね』
「目、つけられてるの」
『わかります』
「もっと、ユックリしていってもらいたかったんだけど…」
と、とても名残り惜しそうに…
「そろそろ、帰った方が良さそうね」
『帰っていいって言ったって…』
僕たちが今さっき・やって来た方角から、今までにない数のニンガイどもが、後から後から・続々と現われる。
「チッ!」
和男さんは舌打ちしてから、降ろしたボンベをヤツらの方に向けて、バルブ全開で酸素を散布し…
僕とオッちゃんは、教授と博士に、護身用に酸素缶を手渡してから…
みな各々、夫々の銃を構えるけど…
「これじゃキリが無いわ!」
ケーコさんが嘆く。
「一発・一発、確実に行こうぜ!」
弾の数にも限りがある。と、その時…
『バサッ!』
最初の一人が、躍りかかって来る。
「ブシュ〜ン!」
和男さんの第一弾が、ソイツの脳天を撃ち砕くと…
「ザワ・ザワ・ザワ…」
それを合図に、ヤツらが一斉に襲いかかってきた。
「武器を置いて、先に行け!」 ブシュ〜ン!
「いや!」 ズドン!
「なに?」 ブシュ〜ン!
「もうこれ以上、愛する人を失くしたしないの!」 バン!
「なんだって?」 ブシュ〜ン!
「また一人ぼっちになるくらいなら、わたしも死ぬわ!」 バン!
「嬉しいこと、言ってくれるじゃね〜か」 ブシュ〜ン!
「帰ったら、結婚しよう!」 ブシュ〜ン!
「ば〜か! だからアナタはアナタなのよ」 バン!
「なに〜?」 ブシュ〜ン!
「そんなアナタが、大好きってこと!」 バン!
「あ〜ん! いま何て言った?」 ブシュ〜ン!
「ほっときなさいよ!」 バン!
「ほ〜んと、タイミング悪いんだから」 バン!
「このマヌケ!」 バン! バン!
『やってる・やってる』
ま後ろにいた僕には、二人のやり取りは、丸聞こえだったけど、その時…
「コッチにいらっしゃい」
社長が、かなえチャンの手を引きながら…
「逃げ道を教えてあげる」
そう言って、イスの肘掛けに付いていた「隠し蓋」を開く。中は、スイッチ・ボックスになっているようで、ボタンを押すと…
「ガコン!」
舞台全体が、右回りに回転しはじめる。
『回転舞台?』
「上に載ってる奴らを全員、撃ち払うんだ!」
和男さんが叫ぶ!
「ブシュ〜ン!」「ブシュ〜ン!」
「バン!」「バン!」
「ガガガガ〜ン!」
「ババババ〜ン!」
「パパパパ〜ン!」
僕たちは全員、横一線に並んで、弾の限り撃って・撃って・撃ちまくる。
「コッチよ!」
社長の声で振り返れば、上の方にむいた・洞窟のようなトンネルが見えてきた。
「入って!」
社長に言われて、かなえチャン・博士・教授と、ステージから降りて、奥へとむかう。
「頂上の祠の下まで続いてるわ」
そう言って、僕たちをうながすと…
「あなたも、一緒に行きませんか?」
オッちゃんが、振り返って社長に声を掛ける。
「あなた、案外、変わってるのね」
社長はキョトンとした顔をして…
「人間だったら、友達になれたかもしれないな」
そう言ったけど…
「ニンゲンを入れたのがバレたから、今度こそ、ただじゃ済まないわ」
そこに、ケーコさんに続いて…
「どっちにしても、もうアタシは、向こうには帰れないの」
閉まりかけたスキマから、最後に和男さんが飛び込んでくる。
「こんなふうになるくらいなら、消えた方がマシなの」
僕たちが全員トンネルの中に入ると…
「それじゃね」
と、回転舞台は再び回りだして、社長は姿を消していった。
※ ※
「バラッ! バラッ! バラッ…」
夕陽の中を飛ぶ、ティルト・ローター機。
まるでタイム・マシンにでも、乗ったみたいだったよ。
あの子、昔のままだったわね。
いや、ちょっとワガママがひどくなってたよ。
でも昔から子供好きで、老人には優しかったわ。
変異する瞬間に、なにか強い想いがあれば、正気を保っていられるって、言ってたね。
ええ。そうね。
あのとき…最後に、何を考えてたんだろう? 怨念って、言ってたけど。
恨みなんかじゃないわ。きっと、あなたのことよ、倫太郎。
僕たちは、歳を取ってしまったね、桜華。
そうね。
前に座る二人は、なんだか・とっても良い感じで…声を掛けるのも憚られた。
※ ※
結末は、しごく「アッサリ」したものとなった。
(まあ、「核爆発」を、「アッサリ」と表現していいならの話だけど…)。
『どっから・そんなモン、手に入れたの?』
米軍の「大気観測用航空機」の測定結果によると…あの瞬間、急激に跳ね上がった、大気中に飛散した放射線の量からすると、まだ「核融合」型の『熱核爆弾』=『水素爆弾』ではなく、「核分裂」型のようだけど…地下に核開発施設を建設中だったようだ。
(幸い、僕が予想した日…「11月9日」・「1月19日」が来ても何も起こらず、時は過ぎて行った)。
「ところで教授」
僕はフッと思い出した疑問を、教授に投げてみる。
「『わっく』って、どういう意味だか知ってますか?」
「ん?」
窓際のデスクの向こうで横向きに座り、書類に目を通していた教授が…
(帰る場所の無かった僕は、現在「居候」になって、この事務所に寝泊まりしている)。
掛けていた老眼鏡を下げながら、こちらに向き直って…
「ウイメンズ・アーミー・コープのことじゃないかな?」
そう教えてくれる。
「なんですか、それ?」
そこまで聞いても、僕にはサッパリだ。
「陸自の婦人部隊のことだよ」
『ああ、なるヘソ!』
納得だ。
(ここで「種明かし」をしてしまえば、ケーコさんは、オートバイを使った斥候…つまり、偵察部隊にいたみたいだ)。
「そうそう、それで思い出した」
教授はそう言って、デスクの引き出しをガサゴソやっている。
「コレ。君たち二人に渡しといてくれって、頼まれてたんだ」
白い封筒を手渡してくれる。
「なに・なに?」
と、僕を訪ねてきていたオッちゃんも、右肩越しにのぞき込む。
『ハテ?』
「白鳥武尊様・橘内乙様」と連名で書かれた封書。
『なにコレ?』
開けて開いてみれば…僕とオッちゃんに届いた、結婚式の招待状。
『式を挙げるのは…?』
「桐木原九州男」と「鸛池惠光」
「誰ですか、これ?」
どちらも、初めて聞く(見る?)名前だ。
「ん? 和男くんと恵子さんだよ」
教授はメガネを掛け直しながら、サラリと答える。
「はあ〜?」
和男さんとケーコさんのケッコンシキ〜!
「キリキハラ・クスオ」と「コウノイケ・メグミ」って、読むんだそうだ。
『北海道出身なのに、なんで九州?』
なんでも…御先祖様が『明治維新』の時の「戊辰戦争」に従軍して、「函館戦争」で北海道に渡り、そのまま・その地に住みついたらしい。でも、家系の出自の地を忘れないようにと、お爺さんだか・ヒイお爺さんだかに付けられた名前だそうだ。
それと…『鸛』は「コウノトリ」。『光』とは「ミツ」とも読む。そのままローマ字式に音読すれば「コーイケ・ケイコー」。まあ、大きくはずれてないけど…
『二人とも、難しくて・珍しい名前』
(世の中には・今どき、「社内恋愛禁止」なんて会社もあるみたいだけど…「アメリカ中央情報局」などは、機密保持の観点から・職場結婚を奨励しているみたいだから、ちょうどいい)。
「それと…」
教授が続ける。
「君には、特別な奨学金を用意した」
『奨学金?』
「ここでアルバイトしながら、受験勉強に励んでもらう」
『チェッ!』
オッちゃんは見事、志望校の・目指していた学部に合格したけど…
『あんな事してたんだもん、大学なんて受かりっこないでしょ!』
「二浪か〜」
すくなくとも「あと一年」は、おあずけだ!
※ ※
「本性があらわれるって、言ってたよね」
ヘリ・ポートがある、早春の夕焼けの屋上。
(実は・ここの床面には、「垂直離着陸型戦闘機」が離発着できる耐熱処理が施してある)。
「あれが、あの人の本性だったのかな?」
オッちゃんと並んで・手すりに前向きにもたれて、夕陽を眺めていた。
(当然オッちゃんは…「左方神聖」…僕の左側だ)。
「そうそう、オッちゃんも、ここでバイトしたら?」
続けて、そんな提案をしてみた。
(教授にも薦めてみようと思っているのだけど…和男さんとケーコさんに、子供ができた。これから産休に入るケーコさんの代役の「秘書見習い」。もちろん、戦闘行為みたいなフィールド・ワークは、ご遠慮願いたいけど…教授の元には、世界中からいろいろな情報が集まるし・海外雄飛を目指すオッちゃんには、ピッタリだと思う。そうすれば僕だって、オッちゃんと一緒にいられる時間も長くなるし…『一石二鳥』。いや、三鳥・四鳥?)。
ちなみに和男さんは、ついに自分の夢を実行に移し、ただいま身籠のケーコさんと、サイパンに新婚旅行中。でも…
「さっきから、ずっと黙ってるけど、どうしたの?」
そう言って左を向くと、突然…
『なに?』
いきなり爪先を伸ばすように迫ってきたオッちゃんの顔が…
「チュッ!」
僕に唇を重ねてきた!
『なに? 何が起きたの?』
でも、「ヘヘ」って顔をして、離れていく。
『え〜!』
一瞬の出来事で、感慨にひたるヒマもなかった。
「あ・あの…もう一回?」
「ダメ〜!」
「いいでしょ?」
「ダメッ!」
「なんで?」
僕の『ファースト・キス』を、一方的に奪っといて、それはないでしょ!
「こまでなら、許してあげる」
そして続けて…
「だって、80億人に1人しかいない存在なんだから」
そう言うけど…
「1億人に1人じゃなかったっけ?」
僕の言葉を受けて…
「ニブイな〜。世界中に、アナタは一人だけってことよ!」
嬉しいこと、言ってくれるけど…
「それに、合格したらって、言ってたじゃないか?」
そう反論すると…
「わたしは受かったからいいの!」
と、一方的な理屈。
「わたしは解禁!」
たしかに、二浪の身としては、返す言葉も無いけど…
「ほっぺでもいいから、も一回?」
あきらめきれない。
「解禁のわたしが、したい時だけ!」
『なるヘソ〜!』
しばし・そうやって、イチャイチャとイチャついていたけど…
『でも、いなくなった弟は?』
それに…いまだ本当の姿を見せないあの連中。
『まだまだ深い闇は続きそうだ』
そんな事に気づくと、なんだか気が重くなるけど…やっぱり、To Be Continued!
《第一部 終了》
後書き∶もう少し、おつきあい下さい!