表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/86

3-17:シェフィールド復興。の前に

シェフィールドが元に戻ると思ったけど、戻るのは次になりそうです。


そしてこの場を借りて。


いつもイイネ、してくださる読者の方、本当にありがとうございます。


ストックがなくなって毎日ぎりぎりで書いているので、多分誤字脱字や推敲不足等、質が落ちてて申し訳ないですが、見てくださる方がいるお陰で、毎日書きたいという気持ちにつながります。


これからもできる限り頑張りますし、余力がある時に過去分の修正も進めてまいります。







 領主グライス・アル・シェフィールドが長い長い悪夢から覚めて、領の中枢が息を吹き返した翌日。



 この日最大の目標は、もちろん領民の誤解を解き、思考誘導と煽動の結果作られた、この街で反乱を計画しているレジスタンスを止めて、街を元に戻すことである。


 多くの人が住むこの街で、しかも思考誘導が解けたばかりで情緒不安定になっている領民全てを、たった一日ですべてを元通りに出来る等、都合の良い現実は存在せず。


 当然シェフィールドの領都は相当の広さがあり、とても一日で全域に報せることも、そもそも領民全員に状況の説明をできるようなはずはないのだが。


 そんなはず、無いのだが。



 その前日、領民も、領政の中枢であってもだれも思いつかないような、そんな作戦をあの人が思いつき。


 シェフィールドの街はかつてない、いや王都フィルメリアでさえも過去に一度もなかった、人々の心に残り感動を与える、とても素敵で儚いイベントが開催されることとなる。




 その前哨として。



 日中、人が行きかう街の大通りで。

 突然頭上から、声が聞こえて。


 その声は、皆がよく知るこの国のアイドル、王国の至宝の声と、数年前まではよく自分達の話を聞いてくれた、領民の間では人気だったお嬢様の声で。



 上からの声に空を仰ぎ見て。

 街を行きかう人々は、そのありえない光景に驚愕する。



 そこには。


 まるで天使か女神のような雰囲気で。



 美しいお姫様が、お嬢様を伴って、空を飛んでいて。




 二人は上空、と言ってもみんなからよく見える距離に浮遊した状態で、誰が編み込んだのか、街全域に適度な音量で響き渡る魔法の声で、こんなことを言いだした。


「わたくし達は今夜、重大発表をいたします!」


「領に住まう皆様、今までの圧政はなくなります!」


「詳しいことは今夜、街の中央広場で発表します!」


「わたくしもこの発表に合わせて、皆様に素敵なものをお披露目いたしますわ!」


「ですから皆様、今夜は是非、ミリエラさんの大事なお話を聞きに、そしてわたくしのお披露目を見に。

 街の大広場に集まるよう、お願いいたしますわ!」




 なんか、高貴で清楚なお姫様が空を飛んでいるというだけでも、前代未聞の状況なのに。


 お嬢様は、圧政が無くなるといった。


 ならば重大発表は、領政のことだとおもう。


 お姫様も一緒という事は、この最悪の状況を、お嬢様が国に伝え、アセリア様を動かして、何とかしてくれたのか?


 そしてこの国のアイドル、アセリア様が、素敵なものをお披露目すると言った。



 かつてこんなことは。領政についてアセリア様まで動かれる事は、善政を敷かれていた時代にも一切なかった。


 でも、お姫様が直々に皆に語り掛け、伝えてくれた。

 これならほんとうに、領政は元に戻るかもしれない。


 そんな希望と、お姫様が一体何をお披露目するのか?という期待を胸に。


 領に住まう、この言葉を聞いた者たちは。



 今夜の重大発表を、今か今かと待ち侘びる形となって。




―― 前日夕刻、メンヘラ、じゃなくてメルヘン城。



「セ、セラ様。もう、限界です。


 お、おゆるしを。」


 何があったかは知らないが、へとへとで疲労困憊になっている侍女と、なんだかすっきりした雰囲気のお姫様。


「そうですわね。今回はこの位にしておきましょう。」


 とりあえず、許されたらしいが。


「それに、セティス様には完敗だったのでしょう。

 わたくしの侍女としては、これでもう少しは善戦できるようになったのではなくて?」



 どんな形でかは分からないが。


 結果的に、何かしら鍛錬を積まされたようである。

 ただでさえ人外な戦闘能力を持つ戦闘メイドを、このお姫様はどこまで高みに持っていくのだろうか?



「さて、シェルン。これからが一番大事な事ですわ。」


 その言葉と共に、精魂尽き果てているシェルンへ手をかざし、いつものチート回復魔法を行使する。


「あ、ありがとうございます。

 それにしてもセラ様、いつものことですが、ホントに限界ないですよねー。」


 とりあえず色々元気になって、いつもの口調となる。

 そんな侍女に微笑みかけ、こちらもいつも通りのセラフィーナ。早速元気になった侍女に。


「今のわたくしには、それしか取り柄がありませんわ。

 それよりシェルン、貴女には今日の大事なお仕事が一つ残ってますわよ。」


「はい?お仕事、というと?

 シェフィールドの領民対応は明日ですよね。そういえば今夜アセリア様がみえる予定でしたっけ?」


 具体的なシェフィールドの領民に対する説明は、どう進めるのかをまだシェルンは聞いていない。

 それとも城のリフォーム?を手伝うと言っていた、アセリア姫への対応準備だろうか?



 じつはこの時点で。


 セラフィーナもシェフィールドを元に戻す方法は、なんかぼんやりとしか考えておらず。


(まあ、なるようになりますわね。)


 などと案外気楽に考えていた。



 思考誘導がなくなったことは大前提だが。


 領主邸を発つ前に。


 復活した父とともに、目の色を変えて領の運営に関わり、民を第一に考えた意見を、父も驚くような施策を、どんどんと出していくミリエラを見て。

 そしてその傍で支え、性格通りの実直な意見を出し、時には他領の者として客観的な視点も交えて問題点を指摘していくレイノルドの姿を見て。



(この子達が居れば、国も、この領も安泰ですわね。)



 これならば、未来を担う二人に任せればいい。

 あの強靭な心を持ち、高潔な父親が戻り、その元でしっかりと研鑽すれば、きっと素晴らしい領主になれる。


 わたくしはもう、見守るだけで大丈夫。


 と、一歩引いていたのである。



 だから、シェルンへのお仕事は。


 いや、時間的にいつも通りなのだが、セラフィーナの濃厚なちょうばつを受け、いつもの思考が吹っ飛んでしまったシェルンが気づかなかっただけで。



「もう夕刻ですわ!あなたにはお夕飯の支度という、とても大事なお仕事がありますわよ!」



 というわけだった。


 あの、セラ様...時間、とてもタイトなんですが。

 などとは決して言わず。



 これ以上の懲罰は精神的にもアレなので。

 大慌てのシェルンが食材を調達し、主人の食事を急ピッチで作ったのは言うまでもない。




「はあ~、美味しかったですわ。

 シェフィールド邸の料理人さん達もなかなかでしたが、やはりシェルンのお料理は無敵ですわ。」


 主人の逆鱗にこれ以上触れないよう、全力を尽くしたシェルンの料理はそれはもうすごいもので。


 今朝のシーフードフルコースですら、この国の王族をもうならせたというのに。


 セラフィーナの為に近くの森で超高速で狩猟して、狩ってきた野生の牛っぽい謎動物を自ら捌き。

 それをお魚焼き焼きの魔法をアレンジして開発済みの、お肉焼き焼きの魔法を駆使して焼き上げて。


 完璧なミディアムレアに仕上がったお肉は、狩りたてなのになぜか熟成肉を上回るような至高の逸品として、セラフィーナの食卓に並んだのである。


 もちろんシェルンも一緒の席で美味しく頂き、昨日から続いたセラフィーナのお怒りというか不機嫌というか、八つ当たりじみた行動も、完全に鎮静化して。



 当然だが、お肉焼き焼きの魔法もシェルン専用である。

 シェルンがお魚焼き焼きの魔法をいじくって、お肉の全体が瞬時に67度となるよう調整して。

 さらにずるいことに、金色の魔力が持つ時間への干渉を利用して、加熱時間を大幅に短縮してある。


 ただ、この術式は魔力の通し方がとても精密で。

 その術式にセラフィーナがものすごく苦心して微量の魔力を流したところ、秒でお肉が炭化して。


 無限から1を取り出すという事は、100から1を取り出すよりも、遥かに難しいということで。



「わたくしにはシェルンがいるから、お料理なんてできなくてもいいんですわ!」


 なんて拗ねてたのも、今では懐かしい思い出である。




 ともかく、シェルンは対象の時間に干渉するというチート能力をセラフィーナから借り受けているので。

 結果的に今朝のシーフードフルコースのようなものも、ありえない程の短時間で作ってしまうスーパーメイドで。


 彼女が居れば、衣食住の食については、一切の心配が不要どころか、本当に無敵であった。





 美味しいひと時の後。


 落ち着いたセラフィーナは、今夜も食後のお茶をシェルンと一緒に楽しみつつ、お城の改築計画を検討していた。


 今日のお茶請けはシェルン特製のチーズケーキである。

 もう、コック兼パティシエールとして生きた方が、無理難題を吹っ掛ける主人から解放されるのではなかろうか。



 シェルンさんのお料理事情は置いておき。

 お城の改築である。


 城を囲む城壁の中は大空間となっている構造で、元はミリエラトラップを仕掛ける為の形だった。

 このお城を観光地にしてしまうのであれば、その大空間はとても都合がよく。



「わたくしとしては、この外観はあまり変えたくはありませんの。とてもかわいらしく作れましたし。

 ですから内部、特に皆様に入っていただく場所のデザインと機能が重要ですわね。」



 そう言って、とりあえず一階から順に頭の中でデザインを検討して、とりあえずといった感じで改築のための魔法を織りなし始める。


 そもそも建物を作る魔法など存在しないし、それをリフォームする魔法なんてさらに存在しないので。


 基本的にこのあたりの魔法は、即席でセラフィーナが瞬時に編みこみ、織り成している。


 お料理スキルはアレだが、魔法に関するお姫様の知識、能力は異次元過ぎて。


 アセリア姫も察したように、セラフィーナの魔法は長き時を費やした、圧倒的な量の研鑽に支えられている。

 長すぎる人生、終わりのない人生だが。

 怠惰に、安穏と過ごしていれば、この高みには到底至らなかっただろう。


 これはひとえにセラフィーナの、魔法に対する真摯な姿勢と、可能性を追求し続けた結果なのである。



 そんな研鑽から産まれた即席のリフォーム魔法は。


 もう勝手にフィルメリアのおうちにしちゃうつもりもあって、寝室やティールーム、キッチンといった自分のための居住空間もしっかりと残して。



「セラ様。こういうのはどうですか?

 お城に遊びに来た方が、お泊りできるお部屋をたくさん作るのです。それと広い一階には、お店を出せる場所も用意して、レストランも作りましょう。


 きっと家族連れが多いですから、小さな子供も楽しめるように食事以外に遊べる場所も用意して。」




「それはいいですわ。わたくしのおうちとして使う部分なんて、隅にある塔のひとつで十分ですし。」


 お城は中央に大きな主塔、そして四隅に少し小振りな四本の塔があり、それぞれがピンク色の屋根瓦を持つ、可愛らしい尖った形の屋根を持っている。



「各部屋に簡単なお風呂を作って、今度こそ素敵な大浴場も用意いたしますわ。


 もちろん殿方とご婦人で分けて二つ作って。

 あ、ご家族で楽しめる展望風呂もいいですわね。


 上の階に作れば、素敵な景色も一緒に楽しめますわ。」



 なんかだんだん、おかしなことになってきて。




 二人の妄想超特急が華麗にドリフトを決めて魔改造されてしまったメルヘン城は。


 一階がレストランとお土産屋さん。


 二階は子供たちが楽しめる屋内遊園地。


 三、四階には宿泊客向けの客室を。


 五階は二つの大浴場と、五つの家族用中浴場。


 主塔はお客様向けの展望ティールームにして。


 セラ様専用塔以外の3つの塔は、まだ未定。



 こんな、どこかのテーマパークにありそうな、しかもお泊りまで出来てしまうお城が完成して。


「働いてくださる方を、募集しないといけませんわね。」


 ほんとうに、このお姫様は何を作っているんだろう?



―― その頃、シェフィールド邸。


「アセリア様!もうこんな時間です。

 せめて今夜はごゆっくりなさってください。」


 領主邸で領の立て直し政策を、国からの支援として来た者たちに混ざり、一緒に議論していたお姫様は。


 いい加減昨日から働き過ぎなので、周りの政務官たちから全力で休むように懇願されて。


 そういえばこのお姫様は、いつ休んでいるのだろう。

 常にどこかに出かけて民を癒し、余暇は騎士団長と全力で修行をして、必要に応じて討伐に参加して。


 当然王族なので公務として対外的な場に立つこともあり、国民のアイドルとして式典等に参加することもあるし。


 ほんとうに、線の細さとタフさが一致しない、そしてセラフィーナのようなチートでも無いというこの少女は。


 奇跡のハイスペックお姫様過ぎて、常に周りの者たちからは身を休めるようにと言われ続けている。


「わかりましたわ。それではあとは皆様にお任せして。

 わたくしも今日は少ししっかりお休みを。



 あ。いけません。忘れておりましたわ!」


 休もうとするお姫様が、なんか慌てだした。


「あの、シェフィールド卿。ミリエラさん。

 少しよろしいでしょうか?」


 いまだに領政のプランを検討し、既に今年一年の予定を完成させてしまったという、こちらもハイスペックな領主親子に語り掛ける。


「アセリア様、どうされましたか。

 あ、このような時間までお引止めしてしまい、申し訳ございません。後はお任せ頂いて、どうぞお休みください。」


 グライスがそのタイミングで時間を確認し、姫君を遅くまで巻き込んだことに謝罪する。だが。


「いえ、そのことではなく。

 少しお願いがありますの。実は...」


 手短に、セラフィーナの城の事。

 その場が自分にとっては特別なものとなった事。

 兵士の家族、特に子供にも人気があることを伝え。


「願わくば、ホルン岬の先端部。その土地とその周辺について、使用する許可を頂きたいのです。」


 王族からのお願いなので、当然一領主が自身の一存で断れるわけはないのだが。


「分かりました。ただあの地はとても自然豊かな地。

 近くには村もあります。

 そこの方々への配慮は必要になりますかと。」


 カヤック村の事である。

 だがこの村は、後にシェルンを伴って訪れたら、全員一致で賛成を頂けることとなるので、問題はない。


 おじいちゃんおばあちゃんにサービスしまくってたメイド少女は、既に村のみんなから孫娘扱いである。


「ありがとうございます。

 お父様、陛下にはわたくしから後日直接お話しますわ。

 それではわたくし、少しセラフィーナ様とお約束がございますので、ホルン岬まで行ってまいりますわ。」


 その言葉に。

 ついさっき休んでくれるようお願いし「わかりましたわ」と返事をもらったた政務官たちは大慌てである。


「あの、アセリア様!今日はもう、お時間が。」


 いくら領内とはいえ、ホルン岬は領主邸から直線距離でおよそ25キロ。陸路を高速馬車で一時間半。


 往復三時間かかる上に、目的地でどれだけ時間がかかるかもまだ分からない。


 何より今から馬車を手配して姫を送るなど、王宮に戻す以外には許可が出ないかもしれない。


「あら。まだ大丈夫ですわ。ホルン岬は近いですし。」


 いや、近くないんですけど!

 という周りの者に困り果て。このお姫様は。


「セラフィーナ様との約束です!

 反故にするわけには参りませんわ。」


 皆の反対を押し切り、玄関に向かって。

 もちろんみんなついてくる。いくら強いとはいえ、美しい姫君が単身夜歩きなど、とてもさせられない。


「ひ、姫様。どうか、お考え直しを。

 それにここから、歩いて行けるような場所では。」


 懇願する政務官に、にっこりと素敵な笑顔で。


「大丈夫ですわ。それに供も必要ありませんの。

 今日はセラフィーナ様にお願いして、またあちらに泊めて頂きますわ。」


 意外と強引な。いや、それだけセラフィーナとの約束を大切にしているお姫様は。


 何も知らない、誰も知らないその状況で。



 ふわり、と宙に浮かんで。




「それでは皆様。ごきげんよう。おやすみなさい。」



 一言残して。



 馬車など到底及ばない、凄まじいスピードで。




 ホルン岬目指して、一直線に飛び立って。




「アセリア様が。空を!?」

「奇跡だ!アセリア様はやはり女神様の生まれ変わり!

 そうに違いない!」

「これは一大事ですぞ!すぐ国王に報告せねば!」


 大混乱の者たちを、置き去りにして。



 唯一色々分かっていたミリエラは。


(アセリア様もセティス様も。

 セラフィーナ様、やっぱりお二人は凄いですよ。)


 なんとなく、書簡を作っていた頃を思い出し。


 戦いたいですわ!と言っていた顔を思い出し。


(でも、セラフィーナ様のお力を見てしまった今は。



 あのお二人でも、とてもかないませんね。)



 いつもはポンコツっぷりに振り回されていても。




 大切な恩人の凄さを、改めて感じ取って。




―― 再びメルヘン城。


 改築がふんわりと終わって落ち着いていた所へ。


「セラフィーナ様!遅くなりました!あら?」


 夜に来ると言っていたけど、遅くなってしまったアセリア姫がようやく到着した。


「アセリア様、ようこそです。

 すぐにお茶をお持ちしますね。」


 シェルンはすぐに来客のおもてなし準備にかかり。


「アセリア様、ごきげんよう。

 すみません。先に少し、手を入れてしまいましたわ。」


 アセリア姫が気づいたように、お城は少し違っていて。


 少し?


「あ、あの、セラフィーナ様。


 なんかすこしと言いますか。ものすごく、変わっているように見えるのですが。」


 昨日はただだだっ広かった一階が。


 たくさんの重厚なデザインのテーブルに、それを囲むこれまた意匠の凝った素敵な椅子。


 屋内の壁面は、ゴシック建築のように複雑で美しい意匠が施され、ところどころにステンドグラスが配置され。



「こ、これは食堂、ですか?」


「はい。折角今朝のようにお客様がみえるのでしたら。

 ここをひとつの観光地としてしまおうかと思いまして。


 お会いした時の場を変えることにはなりますが。

 子供たちのあの笑顔は、何物にも代えがたいですわ。」


 ストレートに、想いを告げる。


「それは、とても素敵だと思います。

 それにお会いした時は、何もない空間で牢屋だけ。


 あの場の形が変わる事には、異存はございませんわ。」


 アセリア姫もこのリフォームを気に入って。


「あら、今回は階段もあるのですね。

 上階もお見せいただいても?」


「ええ、もちろん。一緒に参りますわ。」



 こうして、アセリア姫にも謎の商業施設と化してしまったメルヘン城を案内して。


「お風呂はわたくしが作った、お湯の術式と浄化の術式を使えば、ずっと綺麗で温かいお湯が使い放題ですわ。」


 また、ずるいことを言ってアセリア姫を驚愕させ。



「あの、わたくしも何かお手伝いをするつもりで伺ったのですが、あまりやることは無さそうですね。」


 ちょこっと寂しそうなアセリア姫を見て。


「ちょうど塔の三つについて、まだ決まってなかったのですが、よろしければ、アセリア様も改築魔法、

 お試しになります?」


 その一言で、寂しそうな顔がものすごくキラキラに、まるで期待する子供のような顔になって。



「で、では、やってみますわ。」


 ひとつの塔に来て、セラフィーナの編んだ術式をそのまま渡されて。改造方法の手ほどきまで受け。


 アセリア姫が自分好みに手を加え、その術式に織り成した魔法を発動させて。



 そこにはセラフィーナの趣味によく似た、とても可愛らしいお部屋が出来上がって。


「よろしければこのお部屋を。

 わたくしの別荘とさせていただきたいのです。」




 思い出の場所に、いつでも来れるように。

 アセリア姫も、お城の一角を譲り受け。




 改築が一通り完了し。結局二か所、未定のままで。



 セラフィーナは、この城が虚空に消えないよう、自分だけが使える特殊な術式を発動する。


「あの、その術式は?」


「これはですね。指定した物質化魔力に対して、永続的に魔力を供給し、保つための。

 魔力自動収集、充填術式になりますわ。」


 なんか難しそう。

 自動で集めて、自動で充填?


「セ、セラフィーナ様。その術式ってもしかして。」


「さすがはアセリア様。見ただけで気付かれましたね。

 はい、この術式は空間移動術式と同じ、循環術式。

 これを施せば、このお城は作成した時の魔力が尽きる。

 そのことわりを循環に変化させて、この地に永続させられます。」




 また、とんでもない術式を見せられて。



 こんなものがあったら、これを兵器に転用されたら、それは無限に攻撃できてしまう恐ろしいもので。



 でもこの方は、決してそういう使い方をせず。



 お城の存続なんて、素敵な形に利用して。




 (注)クリスタルの武器はコレの応用である。

    なので兵器に転用してない、ことはない。



 お城のリフォームと永続化も終わり。


 シェルンが用意してくれたお茶で、三人でゆっくりとした時を過ごしつつ、これまでの事を少し、話しつつ。


 シェルンがセティスとアセリア姫と戦ったという話になって、シェルンはちょっと焦った顔をしていたが。



「ところでアセリア様。

 今日シェルンから聞いたのですが。


 あすたーろんど、でしたか。とても素敵な魔法を織りなされたとか。


 わたくしも、ぜひ見てみたいですわ。」



 シェルンもセラフィーナが気に入ると言っていた、アセリア姫のあの魔法。

 当然アセリア姫も、その一言に見て頂けると喜び。



 この一言が後に、セラフィーナの何かを刺激する出来事につながってしまい。



 シェフィールドの復興のため、人々の誤った、思考誘導された考えを解きほぐし、史上類を見ない速度で皆の心を本来の形に取り戻す。



 そんな偉業を成し遂げる。



 翌日夜の、重大発表に繋がっていく。








さて、夜の重大発表。どんな形になるのやら。

大まかな流れは全部できてるのですが、文字としてそれを上手く伝えられるかどうか。

焼き豚はあしたもがんばるっ(´・oo・`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ