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3-3:劣勢・激変

セティス様とシェルンさんの、人外バトルがはじまります。

二人とも一般市民最優先なので、街や人々に被害は発生しません。

「私の剣を受けるか。貴様何者だ。」



 剣を押しつけながら、問いかける王国騎士団筆頭団長、セティス。


(なぜセティス様が?アセリア様の護衛は?)



 誘拐の犯人が言うのもなんだが、このような状況下で最高戦力なうえ、姫の近衛騎士も務めている騎士団長が、魔女に狙われている姫の護衛はしなくていいのか?


 なんてよくわからない心配をしつつ、シェルンは剣を食い止めながら、王国最強騎士へと声をかける。



「あなたと事を構えるつもりはありません。できれば引いていただきたいのですが。」



 鍔迫り合いの状況。押し込まれているのはシェルンだが、お互いが押されず引かず、膠着状態のまま。



 セティスの剣を受けたシェルンは、もとより戦うつもりなど無い。そもそも本来のお務めである魔法陣の処理が残っているので、あまり時間もかけたくない。


(そうはいっても無理ですよね。)


 状況が状況だけに。


 口には出したものの、自分でも無理とわかっている。



 あの状況。


 深夜に気絶した男を、部屋に運び込もうとする。


 誰がどう見ても、不審者以外の何物でもない。



「お前がこの場で投降するのであればそれでいい。だが逃がすつもりはない。」



 冷静な口調。


 セティスはこの目の前の不審な少女の挙措から、まだ余裕をもって問答できる状況である。

 そう理解して、少しだけ剣に籠める力を増し、鍔迫り合いで受けになっている少女を、徐々に押し込んでいく。


「くっ・・・」


 少しずつに押し込まれていくシェルン。


 このままでは剣が自身の首元に届く。


(仕方ないですね。)


 ひとまず問答はあきらめ、実力でどうにかすることを決めると、ダガーで剣を支えている軸をずらし、押し込まれた剣を自分の右側へといなす。


 押し込む勢いのまま右に流れゆく剣を尻目に、態勢が崩れるセティスに対し、その首へダガーの柄を撃ちこんで意識を落とせば、この状況を脱出でき・・・


 ヒュッ!


(崩れてない!?)


 シェルンの右側を通過したはずの剣が、そのままセティスの後ろまで振り切られ、一回転して再度シェルンの左前から切りつけるっ!


 その長い刀身からは想像ができない程の、シェルンが撃ちこむ隙が無いほどのその速さ!


 キィィィィン!


 高速で迫る、回転の遠心力も上乗せした剣をダガーで受け止めて、その勢いすらも利用して、シェルンは弾き飛ばされるように離脱を試みる。


「無駄。」


 セティスは小さく呟き、離脱を許さないように。


 シェルン自身が後ろに跳躍した勢いと、セティスの剣に弾き飛ばされた勢い。


 その二つを合わせた速度を凌駕する速度で追撃する!


 そこから高速の連撃!


 その剣の長さからは想像のつかない速さで、繰り出される斬撃を、シェルンは全てダガーではじき返していく。


(この武器でこの速さ!?尋常ではないですね。)


 吹き飛ばされた勢いで移動するまま、超高速で何百合も打ち合い避け続けるシェルン。


 時に反撃のダガーも繰り出すが、すべて弾かれ避けられて、二人は戦場を街の郊外へと移していく。


 最初の一撃をいなした時からそうだった。


 セティスの剣は前の攻撃、前の行動が必ず次の攻撃の起点になっている。


 確実に崩したと思っても、躱したと思っても、攻撃が一切止まらない。終わらない。


 シェルンの速さをもってしても、スキが作れない。


 まるで美しい剣舞のように、流れるように。


 舞い踊るように。


 重さもある長剣の攻撃力を、最速で最大限に活かす。


 そのために無駄を削ぎ落し、理想の動きを追い求め続けるセティスがたどり着いた、ひとつの戦いの形。


 剣の舞(ソードダンス)



 この状況。何をしてもスキが作れず、一方的に押し込まれているという滅多に無い状況。


 セラフィーナ以外の相手からこの状況に追い込まれるなど、ここ二百年以上シェルンは経験していない。


 つまり現状、剣の実力においてはセティスが全て上回っている。



 だが永劫とも思える時間、主君に仕え共に歩み、支え続けるために、セラフィーナと共に鍛錬を重ねてきた永遠の臣下は、その表情にも内面にも、一切の焦りは無く。


 防戦一方の剣戟が続く中、それでも冷静に相手の剣筋を見極めて、小さな隙が出来るその瞬間に。


(ココでっ!)


 今までよりも重く速い、決めに来たすくい上げるような一撃を、シェルンは自分に刀身が届く瞬間、体を高速回転し瞬時に数多の斬撃を叩き込む。


 キキキキキキンッ!


 凄まじい勢いで、硝子を打つような澄んだ音が連続し。


 セティスの重い一撃をダガーの連撃、ほぼ同時に重なる速度の連続攻撃で、一点集中の火力ではじき返す。


 直後のスキとも言えないその一瞬で間合いを詰め、シェルンは左右からダガーで挟み込むように斬りつける。


 だがセティスは身を引き、左右のダガーが交差する位置を見極めて、弾き飛ばされた剣を再び一回転させて、斬り下ろす!


 再び剣とダガーが衝突する、澄んだ音が響き渡り。


 最初の一撃同様の膠着状態を嫌い、武器同士が衝突した直後に剣をいなし、真横に飛んで回避するシェルンに。


 そのまま刀身を水平に寝かせ、横薙ぎの一閃。


 シェルンは間合いの外、セティスの長剣が届かない位置までバックステップで回避して。


(魔力斬!)


 即座に気付き全力で跳躍して横薙ぎの一閃、その延長線上に放射状に広がった、魔力を刃とした斬撃を紙一重で躱す!


 当然相手が空中に浮いた機を逃すわけもなく、跳躍して躱したシェルンに対してセティスも、ただの跳躍とは思えない速度で飛び上がり、真下から切り上げる!


 その剣をシェルンは一撃を両のダガーで受け止め、空中で弾き飛ばされ距離を取る。



 弾き飛ばされた形で高速離脱するシェルンを、同じく空中に浮いた状態では、流石にセティスも追わず。


 実は、異常なまでの強さを誇るこの騎士は、ある程度は空中も移動できるのだが。



 初撃から始まった数分に渡る剣戟がようやく終わり、間合いと呼ぶにはいささか広い距離を取って、二人は警戒を解かぬまま静かに対峙する。



 距離を取った、しばしの膠着状態。



(あの剣の魔石ルーンは四つ。そのうちの二つは視えましたね。)


 シェルンは変わらず冷静に相手の力量と、今はその武器が持つ特性も推し量っていく。


 おそらくあの魔石のうち二つの効果は、今見た斬撃の延長と、使用者との一体化。


 斬撃は分かりやすかった。


 あの時横薙ぎに振られた一閃は、刀身そのものに白い神聖魔法のような魔力の斬撃を伴っていた。

 だがその魔力斬が放つ光は神聖魔法の純白ではなく、少し橙色の色味もある暖色系の白だった。


 その距離は自在に変えられるのであろう、刀身そのものを魔力で補った、非常に強力な斬撃。



 もう一つの一体化。


 これは分かりにくいが、セティスの振るう武器は間違いなくかなりの重量を持つ。

 通常の騎士剣と比べれば刀身の幅も少し広いが、長いためにそのシルエットは細身に見える。


 刀身の長さは、セラフィーナの剣よりはるかに長い。


 自分達が使う、透き通ったクリスタルの様な武器と違い、金属でできているはずのその武器は、間違いなく超重武器のカテゴリに入るサイズだ。


 だがセティスはソレを全く感じさせない、信じられないほどの速さで振るう。まるで剣そのものが、自分の体の一部であるかのように。


 それでも受け止めた剣の重さは、見た目通りの、超重武器の破壊力。シェルンの武器がセラフィーナ謹製の、あのクリスタルのような材質の武器でなければ、おそらく一撃で破壊されて終わっていた。



 そしてシェルンとセラフィーナは空を飛べる、飛行魔法が扱えるが、その魔法は実際には飛行魔法ではなく。



 世界との、一体化。



 体をその空間の一部として空間の中で自分の位置を、特定の位置と入れ替えているだけ。


 シェルンは自身と接する位置しか入れ替えられないから、飛行という形でしか移動できない。


 だがセラフィーナは離れた位置とも入れ替えられる。


 それがセラフィーナだけの空間転移である。


 ただ移動先が見えているかあるいは目印が無いと、さすがに空間転移で移動することはできない。

 認識できない場所には当然移動できないのである。じゃないといわゆる、岩の中にいるみたいになってしまう。



 その一体化の対象は世界にあるもの、空中だけではなくモノにも適用される。

 シェルンは触れてさえいれば自由にモノを動かせる。レアニールやシェリーヌを飛行で運んだように。


 セラフィーナは離れていても動かせる。ミリエラを襲おうとした男の一人に見せたクリスタルの雨のように。

 もっともあのクリスタルの刃はセラフィーナが魔力を物質化したモノであり、どこかから空間転移したわけではなく、その場に創り出しているが。



 二人の武器もセラフィーナの膨大な魔力を限界まで圧縮、物質化した、セラフィーナが持つ無限の魔力をエネルギー源とする、チート武器である。



 セラフィーナが言うところの聖王国の王族だけが持つ、シェルンは借り受けている形の、あの魔力。あの力。


 世界と。物質と。


 存在の根源と一体化する。そんな魔法。



 神聖魔法の魔力は、強く、美しい純白の輝きを持ち、護り、癒し、魔を祓う特性が強い魔力である。


 ゆえに物質の運動、時間に干渉したり。


 世界の根源、存在に干渉したりするといったような。


 神聖魔法の使い手では決して、そんな魔法は使えない。



 だがあの剣に施された魔石は純白ではなく、暖色系の色味を含んだ白。斬撃も同じ色味を持つ魔力斬。


 その輝きは純白をどこかセラフィーナの魔力、透き通った黄金の美しい輝きに近づけたような色合いで。



 ならば飛行魔法と同様、そして自分たちの武器と同様剣そのものを自分と一体化し、世界と一体化していれば、セティスがあの速さで超重武器を振えることにも頷ける。


 その存在を直接動かせてしまう、そんな魔法が籠められた魔石を創れるのは。


 おそらく作成したのは、アセリア様。


 セラ様がそうだと気づき、その才能を。


 ではなく。


 その力を扱う事が出来ていると、そう思われるアセリア様の、お心を、その想いを知りたいと、そう願い。


 あの方ならばセティス様の剣に嵌め込まれた魔石も、創ることはできるはず。



 ただ、そうするとそれを。


 そんな魔石の力をあしらわれた剣を。


 扱う事が出来ている、セティス様も?



―― シェルンの推測を知ってか知らずか。



 セティスもまた相対する不審な少女について。


 少なくとも国内では互角に相対する事ができるものなど、既に一人しかいない自分とここまでやり合える、信じられない程の力量を持つ少女。


 その身の上を、ここにいた理由を推測する。


「その練度、年齢としに見合わぬその動き。シェフィールドに妙な術を施したやからかと思ったが。」



 その言葉に、ひとつ驚く。


(あの魔法陣に気付いてる!?でも、であればどうしてそれを止めないのです?


 いえ、私たちと同じで止められなかった?


 そこまで気付いていた?)



 新たな疑問を持ったシェルンに対し、セティスは油断なく剣を構え、鋭い眼光で見つめながら言葉を紡ぐ。


 今の攻防で、相手の動きには不審な点があった。


 なぜか街の被害を抑えるよう、郊外に誘導していた。


 反撃はするが、決してセティスに殺意を向けなかった。


 その動きを見極め、そして。



 昨夜届けられた書簡を直接見ていた、冷静さを失っていたその時ではなく、一夜明けて心を落ち着かせた自分自身と、同様のアセリア姫。

 二人で改めて書簡の内容を反芻し確認して、検討した結果導き出された答。


 その答と目の前にいる少女の力量、不自然な行動に照らし合わせ。



 シェルンにとっては想定外。


 今夜初めてセティスに出会い、書簡には一切自分は登場していない為、完全に無関係を装えていると考えていた。


 だが聡明な騎士団長とっては、ほぼ断定の言葉が。



「貴様、魔女の。



 あのセラフィーナと名乗った者の関係者か。」



 確信に満ちた落ち着いた声音で、そう告げられる。



(なんでっ!?いえ、私との関りはたった今の攻防だけのはず!それだけでどうして分かるのですっ!?)



 思わず目を見開くシェルン。


 動揺がはっきりと表に出てしまう。


 セティスの言葉、そこに至るまでの理由が。なぜそうなったかが全く理解できない。



 ちなみにセラフィーナも同じだが、この主従は。


 ミリエラのようにカワイイ反応をする相手をからかったり(※1)

 とてもくだらないことで悪だくみしたりはするが。



 相手をだますような、探るような腹芸や、自分の考えを出さないポーカーフェイスは、基本的には苦手である。


 二人とも真っすぐというか、単純というか。相手の魂が視えてしまうセラフィーナの元では取り繕う意味が無く。


 そういう取り繕うようなことをしない生活(※2)を、二人で数百年に渡り続けた結果。

 思っていることが素直に顔に出てしまう、割と表裏がない性格になってしまっている。


 きっと偽名を使えない、すぐ本名を言ってしまうのも根本は同じ理由である。


 書簡を出した時は騙すというより、騎士団長様とお会いしたい!(キラキラ)の方がずっと強くて。


 子供の悪ノリみたいなものである。


 もちろんそれ以外の意図もあったが、それはそれで二人に悪意は全く無く、寧ろ助けるための手段だった。


<注>

 ※1 シェルンがからかうのは、自分の主人である

 ※2 セラ様は自分のポンコツっぷりは頑張って取り繕う。ただし効果はない


―― と、どうでもいい話は置いておき。





「やはりか。ならばここで必ず確保する。」


 セティスは静かに告げ、膠着した時を動かす。


 目を見開き驚愕したシェルンの表情だけで、その答えを、書簡の魔女、セラフィーナの関係者であるという問いの答えを是であると受け取って。


 そうであれば必ず確保すると、強い意志を持ち。


 再び神速の突撃で接近し、攻撃を繰り出す!


 その速さは先ほどまでが手加減だったと証明するかの如く、全く違う速さ、重さを持ったもの。



 ここまでの交戦で、セティスは既にこの少女の力量はおおよそ推し量れている。


 少なくともかつてこれだけの手練れと、敵としてやり合ったことはない。


 だがセティスは血の滲むような修行で。


 二度と悪夢を繰り返さないと誓い、自分の全てを投げうって身に着けてきたその実力は。


 その想いを共にする相手とお互い全力でぶつかって、ひたすら高みを目指して。



 互いが既に人の領域を超えてしまったことにも気づかず。




 今なお高みを目指し続ける孤高の騎士は、もとより人外の域にいる目の前の少女を追い詰めていく。



 また数十合高速な剣戟が続き、今まで以上にはるかに劣勢となるシェルン。


「くっ!」


 一気に押し込まれ、かろうじて攻撃を防ぎ続けてはいるものの、鋭くなったセティスの攻撃に対しダガーで威力を削ぎきれず、セラフィーナの編んだ結界で残りの威力を無効化して何とかダメージを免れている状況。


 今のシェルンの身体能力ではついていくのがやっと。


 一体この騎士は人の身で。おそらく二十数年という自分達よりもはるかに短い、その人生の中だけで。



 どれほどの鍛錬を積んで、ここまでに至ったのか。



 考える余裕などないが、シェルンはその驚愕の事実を防戦一方で受け止め続ける。


 ここで捕らえると決めたセティスの攻撃が緩むことはもうない。ならば劣勢であっても自分が動くしかない。


 スキとも言えない攻撃のほんの一瞬の動き、上からくるであろう剣の軌道を読んで横に飛び、セティスの右側、自分の左から振り下ろされる剣を避け。


 回り込みながらうしろを・・・取れない!


 まるでシェルンの動きに呼応するかのように、超重武器の剣閃が曲がり追尾される。


 躱しようがない軌道を咄嗟に左腕のダガーで受け止め。


(軽いっ!?)


 そう思った時にはダガーの表面を滑らせ、既に剣の切っ先はシェルンの足元へと向かっている。

 受け止めようとしたその瞬間を狙い、機動力を削ぐための一撃が左足へ。


(避けられないっ!)



 圧倒的な速さ、強さ。変幻自在に閃く、型にはまらない斬撃。筆頭騎士団長の、人知を超えたそのスペックに。



 レイサードが「人外」と評したシェルンが。



 一方的に押し込まれ。




一次解放ファーストウィンド。」




 素早く静かに、シェルンが小さく呟く。




「なっ!?」



 その一言で、状況は激変した。



 今までほぼ防戦一方だったシェルンの身体から放たれた、今までとは全く違う暴力的なまでに高密度で、絶大な魔力。


 己の剣が目の前の少女の左足に届く直前に、セティスは魔力の奔流を受け、すさまじい勢いで弾き飛ばされる。



 それでもセティスは空中で態勢を立て直し、足裏と背中から凝縮した魔力を指向性を持たせて放出して、吹き飛ばされた勢いを相殺する。


 セティスの剣戟で弾き飛ばされたシェルンにすら追いつける、筆頭騎士の超高機動性はこの移動方法にある。


 足裏や背中に限らず、セティスは自分のあらゆる位置で魔力を瞬時に練り上げ、指向性を持たせて放出することで、反作用で自分の動きを超加速し続ける。


 これを無意識下で行っている。


 まるで全身にスラスターを装備した、人型の高機動兵器のように。


 魔力消費は激しくなるが、これを使い続ければ空も飛べてしまうという機動魔法。

 セラフィーナやシェルンと違い燃費の悪さがたたり、使い続ければ魔力が尽きる為、長距離は飛べないが。




(この魔力!これは!?)


 魔力噴射により体勢を立て直し、しっかりと着地し踏みとどまったセティスは、その目でしかと見る。



 リィィィィィィン・・・



 澄んだ、美しい音が響き。


 シェルンの身体が暖かく優しい、セラフィーナのもつ金色魔力を纏って。



 地に足を着けず宙に浮いた状態で、静止している姿のままで佇む少女。


 その眼差しは今までの、刃のような鋭いものの中に。


 仕える主君の慈愛の表情にも似た、目に映るものを見守り慈しむような、そんな光を宿し。


 かわらず落ち着いた氷のような、ただその中に今までにはなかった暖かさを、優しさを感じるような声音で。


「私にも大切な役目がありますので。


 ここで敗れる訳には参りません。」



 静かに告げる。



 対するセティスは先ほどまでとは全く違う、桁外れの力の奔流を肌身にビリビリと感じ。



 騎士団長の地位を賜って以来、一度も感じた事のない重圧に、ただただ震える。


 これは!これが!


 この力がっ!



 災厄の魔女の。いや、あのセラフィーナの!




 敵として相対してはいるが、圧倒的な威圧感も感じてはいるが。それでも吹き付ける暴風のようなその魔力は。




 優しく包み込むような暖かいもので。




 これは、ダメだ。



 これほどに高貴で慈愛に満ちた。



 透き通った金色こんじきの魔力。





 こんなものに、護られていたら。





 今までであればこの少女は自分から見て、おおよそ7~8割程度の実力と見えていた。


 全力を出さずとも、抑え込める。そう感じていた。


 だがこれは、今目の前にいる少女は間違いなく、全力で戦っても決して届かない。




(仕方がないか。頼む。)




 そう心の中で呟き、自らの剣を握り直し、剣にあしらわれた魔石のひとつにそっと指を触れ、魔力を軽く籠める。



(これを見ても、引いてはくれませんか。)



 シェルンもあきらめ、セティスを見つめ。



 心を決めたセティスと。



 一次開放したシェルンの。




 第二ラウンドが、始まる!

ようやく1-3から引っ張りまくった魔力開放ができました・・・

まだ第一段階ですが。

ここからフリ〇ザ様みたいに、状況に応じてどんどん変形・・・はしません。


シェルンも仕える主人同様チートに近い性能なので、相手がチートに近くないとそもそも戦いにならないという困った設定。


フィルメリア編が終わってからは、ちょくちょく人外も出てくるのか…出てこないのか…


シェルン的に今夜使用する予定が無かった二次開放は、もうちょっと後です…たぶん。


セラ様がミリエラさんに何でもかんでもどストレートに話を進めてしまうのも、表裏がないから…

とてつもない期間を生きてるので、人としての酸いも甘いも知り尽くしてます…

筆者が知り尽くしてないのでとても書けませんが(´・oo・`)?

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