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2-5:王国騎士団第二大隊

ミリエラさんのお話が長すぎて、ようやくという感じでやっと男子がでてきました。


「では各班、ここまでの調査結果を報告せよ。」


「一班。岬全域において、特に魔力の痕跡やそれに類するものは見当たりません。」


「三班。村から岬に至るまでの道、および周辺の林。特に異常ありません。」


「五班。村での聴取ですが、半年ほど前から見慣れない人物の出入りがあるようです!」


 夜通し調査し、ホルン岬から最寄りとなるカヤック村での調査だけが引っかかった。



 どういうことだ?



「よし、五班の調査結果について班長。ミルトムは詳細を教えてくれ。それから他の者は深夜から夜を徹しての作業、ご苦労。先に休んでくれ。」



 任務を受領する際に聞いた話では、岬に城を建てて待つと言っていたらしい。


 王国騎士団第二大隊長であり、レーベルグ領領主でもある男、ウィンスト・アル・レーベルグ伯爵は、ミリエラ誘拐が伝えられた昨夜から今日の昼までにかけ、ホルン岬とその周辺を第二大隊の半数を使って調査した。


 岬はかなり広く、その周辺地域も捜索対象となる。

 王都からの移動で疲れてはいたが、事がことだけに、夜間も徹夜作業である。



 ミリエラの救出ももちろん大切な任務だが。歴史、伝説に語られる魔女が、本当に現れたのであれば。そしてそれが現時点で決して友好的とは思えない、人を攫うという行為をしたのであれば。



 かつてない、国難となりうるのだから。




―― ちなみに大隊について。


 この世界、この時代は特に隊の人数や構成に規定や国際的な決まり事など無く、フィルメリアにおける騎士団大隊の人数は騎士60人、兵士540人から成る600人である。

 もちろん隊ごとに多少の誤差はある。



 大隊の中には隊を三つに分けた200人規模の中隊と、それをさらに4つに分けた50人規模の小隊が含まれる。

 だが今回の作戦では全体を100人単位に分け、六班構成で動いている。2つの小隊を纏めて1つの班である。



 騎士団は全体では第一大隊から第三大隊が存在し、総勢1820人程から成っている。


 それ以外に、フィルメリアは兵を一万抱えている。

 平和な国ではあるが、たったひとつ、建国前から続く長い長い戦いがある。

 人々と、人々を襲う者との、終わらない戦い。

 この国の人々が住まう大地の西側は、緩衝帯となる平地を挟み広大な森林が広がっている。


 その向こうには急峻な山々が連なっており、今の技術では超えることはできないが。

 その山の向こうについては、あらゆる国で、少し形は違うが語られている御伽噺がある。

 だが今は、その御伽噺は置いておき。


 広大な森林にはかつてより人々が魔獣と呼ぶ、人を襲い食らう、狂暴な上に魔法まで行使する獣が大量に住み着いており、時折森を出てきたモノが、人を襲っているのである。


 故に兵の大半は国の西。森から平地へ続く、西の国境を守っており、騎士団は大規模な魔獣発生時に討伐を行う、王国最強の精鋭部隊である。



 魔法文明が発達し、個人の力量も扱える魔法や魔力量の違いで千差万別のため、一般兵と騎士団の兵、更に騎士との戦闘力は雲泥の差がある。


 一騎当千の言葉通り実力が高い騎士は、戦闘において一騎で兵千人分以上の働きをするものもいて。


 それ以外に魔術に特化した王宮魔術士団があるが、騎士団員よりはるかに高い魔法特性を持つものばかりで構成されており、その人数はわずか11名である。



―― ウィンストが報告を聞いた場面に戻るが。


 村で収集した情報について報告を詳細に聞き、これからの行動について考える。


 王宮魔術師が一人でもいれば、騎士団以上に強力な探索魔法で広範囲を調べられるが、今回の作戦では王宮魔術師は配置されておらず、そのことには苛立ちを覚える。


 かの魔女が相手であれば、魔術師は通じないという主張も分からなくないが、ウィンストが率いる第二大隊で魔法に長けた者は少なく、それにあの男は。


 ひとまず今ある手札で何とかする以外に出来ることなど無く、これからの調査も今までと同じ形となるが。


 少なくとも、何もないホルン岬にあと二日で城を建築できるわけはないので、つまりもたらされた情報。第二大隊が出陣するに至った情報はフェイクと考えるのが自然だ。


 ならば村の報告にあった、不審な人物の調査が現時点では最優先となる。建前上は、であるが。



「レイノルド。すまないが村と、村の周囲については、より綿密な調査を任せたい。」


 調査班の残り半数…つまり大隊の残りの者たちは、これから日中の間、既にほとんど調査済みとなったはずの、岬周辺の調査を行うこととなる。



 その全体の指揮を執るのは、大隊副隊長のレイノルド。


 結果を聞いたウィンストは、岬の付け根。村から3キロほどの場所に設営した調査隊の野営地に戻ると、そこで待機していた副隊長に簡単な指示を出す。



 村の調査以外は空振りであった事を伝え、


「承知です。ミルトム殿に詳細な情報を確認後、調査を開始します。」


 レイノルドに引継ぎは行うが、その腹の内にある自身の考えは決して表に出さず。



「ああ、そうしてくれ。だが奇数班は夜通しの調査で疲れている。聞き取りが終わったら休ませてやれ。」


「はっ。了解です。」


「では、頼む。」




―― 昨夜。騎士団第二大隊詰所。


 その夜は大隊の第一中隊が宿直である。



「失礼する。大隊長はいるか?それとこちらに、レイノルド副隊長は居るか?」


 突如騎士団長セティスがやってきて、詰所に入るなり近くの兵に確認する。


 セティスにとって、最も信頼の置けない、獅子身中の虫とすら考えている、第二大隊の詰所である。



「隊長は奥に。副隊長は本日は昼番でして、今は宿舎でお休みかと思います。」


「そうか。わかった。ありがとう。」



 詰所の入り口付近で確認していると声が聞こえたのか、奥から一人の男が出てきた。



「団長、こんな時間にどうされましたか?」


 騎士団第二大隊長、ウィンストである。



「大隊長、確かにこんな時間だな。すまない。急な事だが捜索任務をお願いしたい。」


 セティスは内心を一切表情に出すことなく、目の前の男に指示を出す。



 この男、ウィンストは、貴族としての地位も騎士としての武勲も、申し分ない。


 普段も人当たりがよく、部下の信頼も厚く。表面上は。


 フィルメリアの貴族として、見目もよく温厚で女性からも慕われている。

 年齢は騎士としては高い、ミリエラの父とそれほど変わらない40直前だが、騎士としての能力より、人心掌握と部隊の指揮能力に長けたタイプである。



 だがセティスが密かに行っている調査、そして自身を見るこの男の目が。この男は清廉潔白を旨とする騎士団にあるまじき奸臣である。そう告げている。



「捜索任務ですか。」


「そうだ。姫様宛の書簡の中に、信じられないようなものがあった。シェフィールド卿の一人娘、ミリエラ嬢を攫ったというものだ。

 第二大隊の諸君には、ミリエラ嬢監禁場所の捜索、並びに救出をお願いしたい。」


 騎士団を動かしての捜索。確かに伯爵令嬢がその捜索対象であれば、それは分かる。


 だが今セティスは「第二大隊」と明確に言った。いくら貴族とはいえ、たった一人の身柄を捜索、救出するにはあまりに大規模ではないか?



 それも気になるが、ウィンストにとってミリエラは忌々しい、あの男の。そしてなるほど。あの若造、レイノルドの所在を確認したことも頷ける。


 顔には出さず。


「シェフィールド卿の!?それと捜索規模が。大隊を動かしてまでの捜索ということは、心当たりは?」


「もちろん説明する。だがその前に。

 これから話す内容は、狂言の可能性もあるが、これが真実だった場合非常に厄介な事案となる。

 故に、捜索は国王陛下からの勅命である。」


 ざわり・・・



 陛下からの勅命。その言葉に周囲の騎士、兵士たちにざわめきが走る。


「そ、それは。一体どのような?」


「信じられない事に、ミリエラ嬢を攫った者は。

 あの<災厄の魔女>を名乗った。

 名だけであれば、狂言の可能性が極めて高いが。」


 確かに、その名をかたることは誰にでもできる。


 あえて語るような愚かなものはいない。そのくらいばかげたものであるが。


 だが、国王陛下からの勅命となり得るほどの。


「何か、証拠らしきものがあったのですか?」


 厳しい顔つきとなり、尋ねるウィンスト。


 もとより厳しい顔つきで任務依頼に来た団長は、自身もその目で見たあの事実を伝える。



「書簡は、魔法により封印されていた。そしてその封印は王宮魔術師も誰一人開封できず、アセリア様直々にご対応されてようやく開封ができた代物だ。

 さらにアセリア様ご自身が、その封印を施したものは、ご自身を遥かに凌ぐ、高度な魔術の使い手と仰られた。」



 ざわめきが一気に大きくなり。



「ばかなっ!?あのアセリア姫様が、王国で並ぶものすらいないあの方が!ご自身を遥かに凌ぐだなどと!?」


 信じられない事実に、目を見開き驚愕するウィンスト。


 過去、討伐任務においても、地方を巡り人々を癒す旅においても、同行した際に見たアセリア姫の魔法は、ウィンストも。そして周囲で話を聞いている者たちも、その理解できる範疇を超えており。


 国の歴史を見ても、次元が違うとしか言いようがない。それほどの使い手という認識である。



 ざわめきが更に大きくなる。



 ありえない!何かの間違いでは?姫様を超えるだと?


 周囲の声は、もたらされた情報の異常さに、疑いの声を上げるばかり。


「諸君らが信じられないのも理解できる。だが私自身がその場に居合わせ、一部始終を確認した。

 陛下も、シルヴィア様も同席の場でだ。」


 国のトップ。王と王妃、そして姫と騎士団長。

 皆、その事実を聞き口を噤む。彼等の言葉を疑うなど、たとえどんな理由であれ、不敬にあたる。


 そんな中、セティスは改めてウィンストと、そして居合わせる兵たちに告げる。


「疑いたくなる気持ちは十分に分かる。だが事実だ。よって第二大隊の諸君には、迅速なる行動を要請する。対象はシェフィールド領の北東端、ホルン岬とその周辺。」


 周囲の者たちを見回しながら。


「捜索範囲は広く、また事の首謀者は少なくともアセリア様が認める、それほどの魔術の使い手である。」



 ホルン岬。

 特に何の変哲もない、自然豊かで風光明媚なその場所。

 魔女とは何ら関係の無さそうな場所に、違和感を感じるものもいるが。



「歴史、伝説通りであれば、一個大隊でも足りないところだが、国として情報の真偽が定かではないところに、全軍は出せん。そんなことをすれば、諸外国からも疑われる。

 故に、諸君らが頼みとなる、改めて言う。これは陛下からの勅命である!」




―― 過去。騎士団長叙任の式典で。


 まだ年若いセティスが、その実力と人望を以て団長の座に就いたとき、この男、ウィンストは普段温厚な表情を崩さないその顔を一瞬だけ。

 妬み、蔑みを含む、見下したような表情にして。

 若い女性でありながら、その男の上に立つこととなった騎士に、憎悪の込められた視線を向けた。



 セティスはその能力の高さもさることながら、非常に勘も鋭い。どこかのぽやぽやしたお姫様とはえらい違いかもしれない。


 戦場ではあらゆる状況を先読みしているのでは、と思わせるほどの動きを見せ、その鋭さは、戦場以外。人々に対する洞察力にも発揮される。


 あの視線に気づいた瞬間、確信した。


 この男は、清廉潔白を是とする騎士団で大隊長という籍にありながら、後ろ暗い何かを、必ず隠し持っている。


 それからは第二大隊の動きを含め、それとなくマークしていたが。この男は、国に忠義厚いものより、貴族である自身に取り入ろうとするものを重用している。


 大隊に所属する各責任者となる中隊長、小隊長といった者たちは、ほぼ子飼いと称してよいほどに、ウィンストに服従している。


 表だって何かをした痕跡はない。だが数年前から、時折それまではあまりとらなかった、長期の休暇を取り、その間の所在がつかめない事があった。


 また同時期から、討伐依頼の失敗率。討伐には成功するが救援が間に合わなかった。という事例が、それまでの隊の功績と比べ、少しだけ上昇した。



 セティスは国王に相談して信頼が置けて実力もある、自身が剣を指南すらしている若き騎士、レイノルドを副団長に付けたが。レイノルド自身と、レイノルドが重用している信頼が置ける部下たちで内偵をしても、尻尾がつかめない。



―― だから、この任務で。


「第二大隊には、ミリエラ嬢監禁場所。魔女を名乗る者の潜伏先を捜索、並びに発見次第最優先でミリエラ嬢を救出。

 以上の任を命ずる!」


 今回の件、魔女の討伐を第二大隊に任せることで。


「拝命した!速やかに作戦行動を開始する!」


 ウィンストが、その子飼いが何か動かないか。任務を利用して何かを企むようなことが無いか。

 それをレイノルドに探らせるのが目的である。




―― 時と場所は戻り、ホルン岬駐屯所


「ありがとう。だいたい把握した。夜間の任務ご苦労。今日はもう休んでくれ。」


「はっ。では、失礼します。」


 五班の班長に村での調査結果を聞き、これからの作戦について検討する副隊長。


 レイノルド・アル・カーランド。


 第二大隊副隊長は、精悍な顔つきと鍛えぬいた体を持ち、その実力は騎士団長であるセティスも一目置き、自ら剣を教えるほどである。


 魔法の素養についても申し分なく、王宮魔術師とは比べられないが、騎士団員の中では上位の実力を持ち、精密な魔力検知や魔力視、各属性魔法も扱える。


 貴族にはコネや立場を利用して地位を賜る者もいるが、同じ貴族でも実力で、若くして今の地位を拝命した男。


 王国北西部にあるカーランド領領主の次男であり、隣の領であるシェフィールド領の領主の娘。




 ミリエラの、許嫁である。




 夜間調査班から聞いた調査結果は、レイノルドの頭を悩ませるものであった。


(シェルンと名乗る若い娘か。魔女の関係者か。あるいは魔女自身か。)


 村での調査結果は、半年ほど前から一人の少女が頻繁に来る、というものだった。


 主な目的は、食料や日用品の買い出しで、どこに住んでいるかは教えてくれないらしい。


 性格は非常に明るく、可愛らしい笑顔で。村の住民。ほぼ高齢者だが。にもとてもよくしてくれる。


 口調は元気ではきはきとしており人懐こく、村のお爺ちゃん、お婆ちゃんからは孫のように扱われている。


 魔法に長け、高齢化したろくに医者もいない村で、怪我や病気の治療もサービスでしてくれる。


 ハーブや料理の知識が豊富で、村人に美味しい食事を教えたり、ときに振舞ったりする。

 その料理は非常に美味しく、村で大人気となっている。




 想像していた魔女の人物像と一致しない。




―― 全く関係ないが。


 セラフィーナもシェルンも、基本的に偽名は使わない。


 あのポンコツな主人とその侍女は、かつて行動中に偽名を使っていることを忘れて、すぐ本名を言っちゃった!

 という苦い過去があるから。




―― 昨夜、第二大隊への指示の後。


 セティスは個別に休んでいるレイノルドの元へ来た。

 許嫁である以上、最優先で伝えるべきと考え、それ以上に内偵としての任務を考え。


 ウィンストには、最低限の情報のみ伝えられた。


・書簡は高度な封印を施されていた

・そのものは<災厄の魔女>を名乗った

・ミリエラを誘拐した

・ホルン岬に城を建てて、アセリア姫を待つといった



 しかしレイノルドにはそれに加え。


・封印だけでなく書簡そのものが魔法で構成されていた

 水晶球で姿と声を伝えたアレの事である

・魔女の名前、特徴、声質や口調、雰囲気

・ミリエラに対する扱い

・目的は不明だが、アセリア姫に願いがあるらしい


 といったことも伝えてある。



 その者はセラフィーナと名乗り、自らを<災厄の魔女>と言った。

 口調は穏やかで丁寧。優しい雰囲気。

 アセリア様をもってして、自身を遥かに凌駕すると言わしめた。

 魔女とは対極と思える神聖魔法の使い手。

 ミリエラを人質にとり、その首に手を伸ばすような。


(ミリエラ。頼む!無事でいてくれ!)


 魔女がミリエラにした事を考えると、焦燥感が募る。

 もっともその魔女とミリエラはとても仲良くしているが、そんなことは一切考えつかない。かわいそうなことである。

 親同士が決めた許嫁ではあるが、二人はお互いに強い好意を持っている。

 少し固いところがあるが、清廉潔白を好む騎士道精神に満ちたレイノルドと。

 領政に携わり、民意を伝え善政に貢献してきた。差別意識が無く、純真で思いやりのあるミリエラ。


 お互いの有り様に強く共感し認め合っており、人となりについても、互いに好ましく。



 つまるところ、相思相愛である。



 最近、今年に入ってからは騎士団の遠征が多く、連絡が取れていない。

 昨年までに聞いていた、領の状況も気になる。



 シェフィールド卿は信頼できる方だが、なぜ変な噂が立つのか。ミリエラはそんな中で、父に不穏な噂がある中で誘拐されどんな気持ちなのか。


 不安はないか。泣いていないか。

 今すぐ助けに行きたい!居場所さえわかれば!


 調査結果を反芻する中で、思考がミリエラの心配ばかりになり。これではダメだと気持ちを切り替える。


「副隊長、本日の調査、どう進めますか?」


 自身が指揮する六班の騎士が、率直な質問をする。


 二班、四班には、すでに岬周辺の再調査と、念のため海岸線の調査を依頼してある。


「そうだな。村での聞き取りは既に朝から五班がおこなっている。これ以上はそれほど変わりはないだろう。」


 なにより、村人にとっては急な騎士団の訪問である。

 第二大隊は夜中に到着したため、夜間は聴取は出来てないはずだが、早朝から昼まで聴取されたとなれば、既にかなり迷惑をかけている。



「このあたりの地形に詳しいものはいるか?」


「は!自分はカヤック村出身ですので、何なりと!」



 班に所属する兵の一人が応える。


「村の周辺で、人が隠れ住めるような場所。廃棄された住居でも何でもいい。心当たりはないか?」



「廃棄となりますと、昔カヤックには鉱山がありました。採掘規模は小さかったのですが、今は使われていない休憩所があるはずです。」


 地元に明るいものが居れば分かる話である。



 だが、なぜ五班の調査結果にこれが。鉱山跡の調査結果が含まれなかった?

 ウィンストの指示が、村の聞き取りだけだったから?


 おかしい。シェルンと名乗る娘の住処が分からないというのに、近くにある人が住めそうな場所を調査しないなど。


 そうであれば、鉱山跡を調査するのが最善だろう。

 レイノルドは、隊の構成に気付いている。自身が指揮する6班以外、ウィンストの子飼いが中心だ。


 報告にない、若い娘の居場所。

 セティス様が懸念されている、ウィンストの。


 今回の任務でセティス様、いや陛下直々にも下されている自身の密命。

 騎士団の腐敗を炙り出し、断罪する。その使命が、果たせるかもしれない。



「よし、六班は鉱山跡へ移動。休憩所跡を中心に。いや、鉱山跡とその周辺全域を調査する!」


主人公とメインヒロインとは全然違うところで…

ラブロマンスは進んでいく…かもしれない


と…いうことで、ようやくミリエラさんの魂に、仄かにゆれる桜色君が出てきました・・・


軍隊や騎士団の設定については、本作品世界の設定用ということで、実際に存在する…存在したモノとは比較できない感じのシロモノです^^;


次話からは少し、このお話の根幹に触れていきます…

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