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第2話 超絶激かわバニーガールとのファーストコンタクト

パンはパンでも人を殺せる恐ろしいパンってなーんだ

 天に向かってまっすぐに立ち、こちらに向けられたうさ耳。目の前の女の子の頭から覗くそれは、本物のうさ耳だった。


 僕の今までのごく短い人生で、今この瞬間が、間違いなく最も心を揺り動かされた瞬間だと断言できる。


 少し短めのとがったうさ耳。少し吊り気味でビー玉のように丸い瞳。小柄な体躯に加え、小さな鼻ときゅっと上がった唇が、幼い印象をより強く感じさせる。


 僕は少女を一目見て、世界一かわいいうさぎと言われるネザーランドドワーフを思い浮かべた。



「っ……!」



何か言わなければと思ったが、カラカラに乾いた喉から言葉が出てこない。


 ササッ


 足元でりんごチップスを食べていた子うさぎが、少女に駆け寄り、抱きかかえられる。それを見て、少女に釘付けにされていた僕の意識は正気を取り戻した。そこで初めて、自分が彼女から警戒されていることに気づく。


 ちらりと自分の恰好に目をやる。胸元に真っ赤な血。少しケガをしたとか、そんな量ではない。警戒されて当たり前だろう。先ほど「誤解」という言葉を彼女に投げかけたが、明らかに怪しい。



「ねぇ。今この子に触れようとしたわよね。お腹がすいているのかしら?」



 最悪だ。どうやら僕は原っぱでうさぎを捕まえて踊り食いをするマジでやばいやつだと思われてしまったようだ。

今すぐ本当のことを言って無実を証明しなければ。たくさんの言葉が口からあふれ出しそうになる。しかし、焦って早口になれば余計に怪しい。いったんこれらを飲み込み、僕は短く息をついた。


 焦る気持ちを抑え、努めて冷静に、簡潔な言葉を選んで返す。



「とんでもない。僕はその子と仲良くなりたかっただけだ」



「お兄ちゃんおやつくれたの!いいでしょ!」



 少女に抱えられた子うさぎが、食べかけのりんごチップスを掲げて得意げな顔をしている。ちょっとまて、今うさぎが人語をしゃべったのか!?



「服に血がついているようだけど、首元と口周りに血がついていない。それに、あなたからは肉食のにおいがしないわ……どうやら、嘘じゃないみたいね」



 子うさぎが言葉を発したことに驚く僕をよそに、少女は僕の様子から誤解に気付いてくれたようだ。



「参考までに聞かせて。なぜあなたはこの子と仲良くなりたかったの?」



 そんなの、決まっている。たったひとつのシンプルな答えだ。僕は顔を上げ、胸を張って答えた。



「うさぎが好きだから」



 僕の返答に、少女は少し驚いたように見えた。が、一拍の間を置いて少女は堰を切ったように笑い声をあげた。



「あははは!あなたおもしろいわね!気に入ったわ」



 顔をほころばせ、彼女がこちらに歩み寄ってくる。どうやら警戒は解けたようだ。



「誤解が解けたみたいでよかったよ。恥ずかしい話、今結構困ってたところでさ、ほんと右も左もわからない状態だったんだ」



「大変!そうだったのね……大丈夫。それなら、私が兎人族の村に案内してあげる!」



 兎人族!?今この子、兎人族と言ったか!?いや異世界だもんな。あり得ないことじゃない。にしてもえらく親切だ。なんていい子なんだろう。



「ありがとう!助かるよ。でもいいの?僕みたいなよそ者を急に連れ込んで」



「気にしないで!これもきっと何かの縁だもの」



 少女は太陽のような笑顔であっけらかんと返す。ほんまにええ子や……。



「それに、そんな真剣な顔でうさぎが好きだなんて言う人に、悪い人はいないわ」



 やわらかく微笑んで言う彼女を見て、僕は確信した。この子、僕と同じだ。きっとこの子も、心の底からうさぎが好きなんだ。彼女の笑顔に釣られて、思わず笑みがこぼれてしまう。


 今まで、話を合わせようと「自分もうさぎが好き」と僕に言ってきた人は何人かいた。しかし、そういう人とはどこか話がかみ合わない。温度差を感じてしまい、いつも途中で申し訳なく思ってしまう。


 この子とうさぎの話がしたい。もしかしたら引かれるかもしれない。それでも僕は、このうさぎ好きの女の子と仲良くなりたい!そう強く思ってしまった。



「そういえば、名前を言ってなかったね。僕はアイト。呼びやすいように呼んでくれたらいいよ」



「アイト。覚えたわ。私はネザー!ネザー・ネーデルよ。よろしくね!」



 ニカッと笑って、ネザーは手を差し出してくれる。僕は迷わずその手を取り、硬く握手を交わした。さっきまで不安と緊張で胸がいっぱいだったのに、ネザーのおかげで今は心底晴れやかな気分だ。彼女と一緒なら、この先の異世界生活が明るいものになる気がする。そんな予感で、今僕のこの胸はいっぱいに満たされていた。


 ネザーが笑顔のまま小首をかしげる。それを見て、自分がしばらくの間ずっと彼女の顔を見つめていたことに気付いた。照れくさくなって視線を逸らし、彼女の腕の中でうたた寝をする子うさぎを見る。もしかしたら顔が赤くなっていたかもしれない。ごまかすように僕は話をそらした。



「そ、そういえばネザーはここでなにを?なにか用事の途中だったんじゃ」



「そうだった。実は私、村の周辺をパトロールしていたの。怪しいやつがいないか、そう。例えば、見慣れない血だらけの恰好をしたよそ者とかね」


 ネザーが冗談めかして言った。しかし、次は声色を変えて真面目な顔をして話す。



「それに、最近この辺りを嗅ぎつけてきたやつがいるのよ。本当に困ったものだわ。アイトは何か知らない?」



 ネザーが言う意味が分からず、僕は首をかしげた。やつら?兎人族の敵対勢力か何かだろうか。



「さぁ。ごめんだけど、心当たりは無……」



 そこまで言ったところで、僕は言葉を詰まらせた。風向きが変わった瞬間、なにかとても、とても嫌なにおいが鼻腔に突き刺さったのだ。


 なんだこのにおいは!?頭の中に直接流し込まれるような不快感に、思わず口元を覆う。ネザーに目を向けると、彼女の顔には動揺ではなく怒りや憎しみの表情があった。



「アイト。悪いけど、この子を抱えてあっちの道をまっすぐ走って逃げて」



「こ、これは一体?」



「やつがこっちに来るのよ。肉食獣人が!」



 先ほどネザーが言っていた「やつら」。森の中から姿を現した一人の獣人を見て、このひどいにおいの正体が分かった。



「ちょうどいいのがいるじゃねぇか。おい、そのチビをよこせ」



 鼻はヌッと長い犬鼻。濡れたむき出しの牙はよだれでてらてらと光っている。全身を黄金色の美しい毛並みが覆っているが、口元から首、胸元にかけて赤黒いシミが黒々とこびりついていた。


 そうか。このにおいの正体は、血だ。数えきれないくらいの獲物の血を吸った肉食獣の毛皮のにおい!死のにおいだ。


 僕は生れて初めて、本能的に命の危機を感じた。



「走って!あいつの狙いはその子よ!」



 その、黄金の毛並みを持つ肉食獣は、食物連鎖の上位に君臨する。鳥、ネズミ、蛇など、自然界におけるほぼ全ての小動物にとっての天敵。もちろん、ウサギも例外ではない。



「あいつは肉食のキツネ獣人!私たちウサギを食べに来たのよ!」

正解はパンダでした




ところで飼い主の好きな人は、デートで大久野島に連れて行っても文句言わなくて、ホテルのコスプレで率先してうさ耳つけてくれて、いいねと★も押してくれて、ブックマークもしてくれる人です。


うさぎの次に愛してるよまいだーりんorまいはにー❤

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