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追記:ミモザ色のドレス


☆☆ 追記:ミモザ色のドレス ☆☆




 この日私は、来たるべき婚姻式についての打合せに、父と共にコンラート家へと訪れていた。本人同席のもとの父親同士の話し合いもひと段落し、私はすでに何度も訪れているロアンの自室へと足を運びソファに身を沈めた。

 「クリステ、卒業パーティーのお前のドレスなんだけど・・・・・」

 そう!きた!この話をしたかったのだ。

 卒業パーティーに着るドレスの色に合わせて、私は自作のレースを作るつもりでいた。しかし、その色を決められていなかったのだ。

 自分から贈られるドレスの色を要求するのも何か違う。ドレスもアクセスも、パートナーへの想いを伝えるための贈り物なのだ。

 以前16歳の時の夜会で、ロアンから黄色のドレスが届いた。ジュリアがアリシェの色のアメジストだったから、私もサファイア色をと期待したのに肩透かしをくらった出来事だ。

 今度こそ、最後のパーティーこそ婚約者らしい装いをするのだ。

 「うん、ドレス!」

 「明るめの黄色でいいか?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?・・・・なんで・・・・・よ・・・・」

 低く暗い声が出た。

 ー-----なんで?なんでまた黄色!?

 「え、だってお前好きだろ黄色。ミモザの」

 「・・・み、もざ・・・・・・・?」

 好きだろ、ミモザ・・・・・・・・・・

 あ。なるほど・・・・・。

 そういう、ことか・・・・・。そういうことだったのか・・・・・・。

 この数年間の疑問に対し、合点がいった。

 「うん、好きだよ。ミモザ色。でももっと好きなのはロアンだよ。だからロアンの色を身に(まと)いたい」

 顔を真っ赤にして「そうかそうか」と肯くロアンの鈍さに少々呆れながらも、実は16歳の当時も私の好きだと思っているものを選んでくれていたのだというその心に更なる愛情が湧く。

 「じゃ、あ・・・・サファイアブルー・・・・・にするか・・・・?」 

 伺うように問いかけるロアンは本当に嬉しそうで・・・・・・。一年前にはこんな顔を向けてもらえるとは頭をかすめもしなかった。

 「うん、嬉しい。楽しみにしてる」

 そう言って頬にちゅっと口づければ、ロアンの顔が崩れた。

 私はようやく、サファイアブルーに合わせたレースを作ることを決められた。


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