130, 騒ぎ
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あの後俺はククと少し話してから分かれた。ククの家に「転移」したから帰ってくるのは簡単だった。ああ、ここから帰ってくるときは走って帰ってきたんだ。それで、俺はある事を聞いた。
「紗理奈ちゃんが毒を守られたらしいよ」
「紗理奈ちゃんではなく奥様の飲み物に入っていた毒らしいですよ」
待女たちが騒がしいなと思って会話に耳を傾けたらこんな物騒な言葉が聞こえるからサリナの部屋まで全速力で走ってしまった。まあ、結果は走ってよかったと思う。何故なら本当に紗理奈が毒で倒れていたから。俺の渡した解毒薬を飲んだけど解毒できなかったらしい。まあ、紗理奈に渡してあるのは簡単な弱いもの。俺が持ってる強めの薬を飲めば解毒出来るだろう。
意識を失ってる人に薬飲ますのって難しくない?あの恋愛小説定番の口移しとか言うよくわかんないの以外での飲ませ方わかんないんだけど。ちょっと誰か呼んできて飲ませてもらうか。水差しに薬入れておけばいいかな?水の代わりに。
あ、事情説明欲しいんだけど。誰かこの事件について詳しく知ってる人間いないかな?
俺がそう思いながら紗理奈の方を見た時だった。見慣れない使用人が部屋に入ってきた。
「おまえここの使用人じゃないでしょ?初めて見た」
「最近使用人になりました」
へえ、教養ない人間を俺は屋敷に入れるなって指示してあるんだけどなぁ?名乗ることもまともに出来ないクズをこの家の使用人にするわけにいかない。それに使用人面接開いてたようには思えないけどね。使用人面接やる時ってお母様が俺の部屋で騒ぐから分かるんだよね。今回そんなことがなかったってことは使用人面接が行われていないって事。それが許されるのはこの家と仲がいい人間の紹介以外ないだろうね。でもこいつは俺の親戚の誰かではないので絶対どっかから来た人間だ。
「へぇ、嘘つくんだ。君、使用人面接受けてなくない?」
「はい、奥様にスカウトされました」
へえ、言うね。でもお母様は勝手に使用人を増やすことができない。もし増やしていたとしても自分の専属にしてるからこの時間帯にこの辺を歩き回ってる事自体がおかしい。
俺は口をたっしゃの動かし、お母様のところに「転移」するこの人間がこの家の人間じゃなかった場合紗理奈に毒を持った人物はこいつで決定する。
「お母様この人間このうちに入れました?」
「入れてないです」
ここに連れてきた瞬間から女の様子がおかしかった。顔青ざめてるし。もうこれだけで私はこの家の人間ではないですよと言っているようなもんですよ。
「こいつがお母様に毒を守ろうとした犯人だと思うんだけどあってると思う?」
「それはわからないわ」
そっか流石にそこまでは調べきれてないか。聴いた限りでは事件が起きたのはほんとさっきらしい。なんなんだよ!てことはもうちょっと早く帰ってきてれば紗理奈は毒を盛られなかったかもしれないって思うと悔しい。俺は女がこの家の正式な使用人ではないので地下牢に入れた。このことはお母様に言ってお母様に管理を任せたから大丈夫だと思う。
膝から崩れ落ちた待女を騎士に連れ出してもらってお母様に毒を盛られた時の状況を説明してもらう。
お母様がいつものようにお茶をしていたら紗理奈がお茶に毒が入っていると言い出したそうだ。それを信じられなかったお母様はお茶を飲もうとしたが、先に紗理奈に飲まれてしまったらしい。まあ、紗理奈はお母様が好きだから自分の身を犠牲にして守るのは分かるんだけど、自分の体を大事にしてほしい。これは紗理奈と出会ってからずっと思っている願い。なかなか叶ってくれることはないけど。いつか叶ってくれる事を期待することにしている。
「ごめんね。私のせいで紗理奈ちゃんを倒れさせちゃって、お詫びに何か出来ることはないかしら?」
「じゃあ、紗理奈を使用人の扱いから客人の扱いにしてくれ」
「わかった。そのかわりあなたが連れてきたお客様をどうにかしてちょうだい。使用人が手を焼いてるわ」
「それに関してはどうにかしておく」
「私からに質問、彼の方の名前は?」
「ルーティー」
「結構研究したがり屋なの?病人だからベッドで寝てろって言われてたのに全くもって聞く耳を立てないの」
「ああ、変人だから」
「変人が変人って感じるくらいなのだから相当変人なんでしょうね」
そんな事ないと思うけどね。
俺はそう言って部屋をとにする。この後は部屋で休んで夜を明かした。
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