120, 王宮でお茶会
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俺が今読んで困っているもの。それは王宮からの正式な招待状。パーティーなどではなく、私的に会おうと言うことでもなく、玉座の間での面会だ。俺は正直迷っていた。ここで言われることがなんなのか分からない為、行きたくないと言う気持ちと陛下からの招待だから行かなくてはと言う気持ち。そして1番の悩み、それは「紗理奈を連れてくるな」と言うものだった。俺がここで何かされた場合助けてくれる人がいない。そして大悟たちが来るのは明後日、家に帰れないと困る。
「う〜ん、いく?しかないよね」
ため息が止まらないそして招待が来ている日は明日、本当に困る。
俺は取り敢えず参加の意を示した手紙を送った。送ったと言っても俺が門番に届けただけなのだが。普通に届けを出したら間に合わなかった。
陛下はなんて無茶をなさるんだ。俺はもう既に置いてかれている気がする。
門番に手紙を渡したときにご苦労様です。そしてすみません。そう言われた。多分、前日か当日に着くということは分かっていたのだろう。分かっていたのなら止めてくれと思わなくないが、意外と頑固な陛下だもんな。多分止めてくれたけど止められなかったのだと思う。その証拠に陛下専属の護衛騎士が疲れ切っていた。
これだけで疲れてしまった俺は部屋で紗理奈と話しながらのんびりと過ごした。そこに乱入してきたお母様がクッキーを持ってきてくれたのだが、そのクッキーの中に毒が入っていた。帰りに置いて行った時「頑張って全部食べてね」と言われたのはそう言うことだったのかと理解したのはその時だった。
そしてその毒は死に至らないものの強めの麻痺毒だった。それを食べて苦しんでいる俺たちを見てお母様の使用人が哀れな視線を向けてきた。そんな視線で見るなら教えてくれてもよかったと思うんだけど?
陛下の無茶振りやお母様のクッキー事件などがあって疲れてしまった俺は早々と寝てしまった。手土産は魔石と魔物の素材でいいかな?
そういやあの素材全部「アイテムボックス」に入りっぱなしだ。あの中身を渡せばいいか。そう思った。
〈次の日〉
俺は昨日の疲労が抜けていなかった。お陰で体がだるい。まあ、行くことに変わりはないんだけどね。
俺は久々の正装をし、家を出た。久々にこんなに遅く家を出たな。紗理奈にはちょっと出かけてくるだけと言ってあるけど多分予想できていると思う。俺は馬車を使わなかった。馬車を使うだけお金の無駄だから。これについては俺は特別に許可を貰っているので城門の前に転移する。許可というか歩いてくる奴がいるか!ちゅう話だけどね。勿論姿は「隠蔽」を使って隠している。
今回はちゃんと騎士の方に連れてきてもらって玉座の間にまで行く。
扉が開かれて中に入る許可がもらえたら中に入り、真ん中ぐらいまで行ったら跪く。今回玉座の間に居たのはほんの一部の人間のみだった。これは何か内密な話をすると言うことだな。
「アルフ、よく来た。今日は其方に尋ねたいことがあって呼び出させてもらった。単刀直入に聞くから、素直に答えてくれ。其方は森の中にあるダンジョンをクリアしたか?」
「はい」
「はあぁ、なんて面倒なことを……で、この魔物の死体がお土産か?もうこれ以上へんな物件を持ち込まないでくれ……」
びっくりした。あんなにかしこまって話したの初めてかもしれない。
この後もいろいろな質問をされた。質問は問題なかった。だが、その後だ。そのあと何故か俺は王女とお茶をする羽目になっている。なぜだ!俺は忙しいと言った筈だ!そして俺をロープで縛り上げるでない!紗理奈がいないから誰も助けてくれない……助けて〜!自分で拘束を取ろうと思えば取れるけど、取るのはなんか気が引ける。それも隠し持っているナイフで切るとか暗殺者みたいじゃないか!
それと俺の言い分を聞いてほしい。なんでこんなに寒いのに外でお茶をするんだ?王女様も寒そうなんですけど?それでもこんなに饒舌な王女がすごいと思う。俺は寒すぎて一言も喋る気になれない。それにプラスロープで縛られているとなると余計にしゃべる気が失せる。
「アルフ様はいつも何をして過ごしてらっしゃるのですか?」
「部屋で暇してる」
「ではお家に伺っても?」
「無理」
「私の婚約者になるのは?」
「……」
ノーコメントでお願いします。この王女はなんとかして俺を喋らせたいらしい。大方陛下から俺と話をするように言われているのだろう。それで俺が王女に釣られたら一石二鳥だもんな。俺はそんなヘマはしようとは思わないけど。
「好きな食べ物は?剣は何を使ってるの?今はまってることは?」
「なんで俺にそんなに話しかけてくるんだ?」
「それはお話ししたいからです」
意味がわからない。対して反応を見せなものを相手によくここまで話せるものだ。
こんな感じで俺の1日は王女に話しかけられ続けて終わった。
「疲れたよ〜」
次話もよろしくお願いします。評価して頂けると幸いです。




