119, 戻ってきた日常
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俺は最近味気のない日常を送っている。夜中に抜け出してククに会いに行く時だけはユーリと出会う前と同じように過ごせている。それでも、家に引きこもることが増えた。食事もろくに撮っていない。紗理奈も俺が強制休暇を取らせている為部屋にいるだろう。
ピコンそんな効果音がしてメールのようにメッセージが届いた。大悟からだ。
「明明後日用事はないだろうか?」
俺は例の懐中時計を使って大悟に「明明後日の朝大悟の城の前で待ってる」そう送ると
「ありがとう」
と帰ってきた。明明後日までにはこの精神状態を回復させないとな。今からククに会いに行けばなんとかしてくれるかもしれない。
そう思った俺はククに会いに行ってみることにした。ククのいる場所まではいつも歩いて行っているから森の入り口までは「転移」を使う。
森を歩くのは容易ではないんだよな。下は湿ってグジョグジョしているし、木の根が飛び出ているところもある。道とは言うが、獣道のような場所だ。一応植物が生えていないところもあるって感じ。
ククはこの森に思い入れがあるらしく、大体ここにいる。
俺はいつもククと待ち合わせしている家に向かった。
家に着いたので、ノックをする。そしていつも使っているパスワードではなく、昼間とか夜間帯ではない時に使うパスワードをモールス信号で打つ。
すると中にククはいたみたいで玄関の鍵が外れた。入ってこいと言うことだろう。
「クク、ごめん。こんな早く来て。ちょっと相談したいことが」
「おお、俺はいつでも暇だから来てくれると嬉しいぞ」
俺はユーリと出会ってから別れるまでの経緯を話した。そしたらククは
「そんなことだろうと思ったよ。暗殺者の俺でもこんなによくしてくれるもんな」
「だってククは優しいから……」
「俺は優しくなんかないけどな。お前さんの頼みだからそれは直してやる!こっちこい」
そう言って連れてこられたのはククの研究室みたいな場所。そして見せられたのは数十種類の薬……なんで薬?
「これは精神を回復させる薬。これを飲めば多分良くなる。俺はこの薬が1番効くな。好きなのをやる」
「えっと、いいの?」
「やるって言ったらやるんだよ」
「じゃあこれで」
そう言ったらククにお目が高い!と言われた。これはククが作った薬の中で一番効果が高いそうだ。
「は?え?なんつった?へ?作った?これを?ククは薬師になった方がいいんじゃない?俺が出資するよ」
そう言ったら「俺は暗殺者だから薬師にはならんと言っていた。それに暗殺者が営業する薬屋なんかに誰が来る!」と言われてしまった。だから俺は「俺が店の経営はするから薬を作って」と答えた。
「めんどくさい。この薬の作り方あげるわ。自分で店経営したいならすればいいだろ」
「今のこの国の現状を知ってる?」
俺はそう言って、今起きていることを話した。そしたらそれを早いえ!とお説教。俺はお説教されてばっかりだな。
「じゃあ、これを飲んでからちょっと出かけてみるぞ」
そう言って薬を渡された。俺はそれを受け取って飲む。すると、体が軽くなる感じがして気が楽になった。ユーリと別れたのも素直に受け入れられている。今までは相当内気になってたんだなあ。
俺が部屋を出るとククが不審者のような格好をしていた。
「なんでそんな格好をしてるんだ?」
「街に出るから」
「これあげるよ?」
俺は「アイテムボックス」から出した変装用の外套を出す。これは機能がいいけど、俺の身長では着れないのでククに上げることにした。この前のダンジョンでゲットした。これは全部で3枚あるからあげても問題ない。
「これ、アーティファクトじゃないか!なんで高価なもんを…」
「ダンジョンでゲットした」
「それはすごいな。これ貰ってもいいのか?」
「どーぞ」
俺は外套を渡し、外に出た。俺はそのまま外に出ても問題ないのでそのまま外に出る。
「外出るか」
そう言ってククは歩き出した。俺もククに続いて外に出る。森から抜け、街に出る。最初に行った場所はなんと、レストラン……
「ククお腹空いてたの?」
「うっ……」
「今日は俺が奢る。好きなの食べるといいよ。俺に薬くれたし、そのお礼」
そう言った瞬間ククは嬉しそうな顔をし、ミートグラタンとたらこ醤油パスタを頼んでいた。俺はククの分のデザートと飲み物を適当に頼み、自分の料理は日替わりのパスタにした。だから、トマトバジルパスタだね。美味しそー。
食事を終えた時にククにいわれた。「精神の問題は無くなりそうだな」と。確かになくなりそうでよかったと思う。それも全部ククのおかげだ。そして最後に言われた言葉は
「竜馬の見方は沢山いるんだから落ち込まない。そして全部抱え込まない。最後に、仲間がいなくなったのは悲しいことだけれど、竜馬のせいじゃないから。気にするなとは言わないが、心の奥にしまっておけ。そうすればユーリ?も嬉しいだろ。メソメソされるのはユーリがかわいそうだ」
「ありがとうクク。ククのお陰で立ち直れそうだよ」
「そこは立ち直れたと言って欲しいものだな」
こんな感じで今日は過ぎて行った。帰りに予備の薬を貰ったので、紗理奈にも飲んでもらった。そしたら気分がだいぶマシになったらしく明るい顔をしていた。
泣き腫らした目が気になったがそこは指摘しなかった。
次話もよろしくお願いします。評価して頂けると幸いです。




