116, 森の中での出来事13
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「なんかここおかしくない?」
「ボスの部屋みたい」
壁に書いてある文字曰く、92層のボス部屋らしい。こうやって階層を飛ばすことで作成者に利があるのだろうか?俺にはあるとは思えない。
ボスはレッサーヴァンパイア。ヴァンパイアの中で一番弱い種族である。カナとサナはレッサーではない。ヴァンパイアロードもいるらしいけど、カナとサナは一番上の種族のヴァンパイアだそうだ。ヴァンパイアはヴァンパイアの王になれる可能性がある勇逸の存在だとか。でも、人間とヴァンパイアのハーフなんだよね。ハーフだから王になれないとかある気がする。
「紗理奈、俺はパスで……」
「竜馬、私パスで……」
「「ユーリ、頼んだ!」」
「さっきから2人とも変だよ?何かあった?」
「ちょっと倒したくないかなーなんて……」
俺はそう言って事情を説明しないでおいた。ここはカナとサナについては話しても大丈夫かもしれないけど、大悟たちの話はちょっとというか結構無理。
『カナ、サナ2人のことをレイスのユーリっていうこにはなしていい?』
『玲央兄のことを言わないなら』
『ありがとう』
俺は連絡が取れたのでユーリに話をすることにした。
「俺たちね。ヴァンパイアの友達がいるんだ。それで、どうも倒しづらいと言いますか……」
「そう言うことだったんだ。それなら主な攻撃は僕に任せて。2人は補佐をお願いするよ」
「ありがとう。助かる」
俺はそう言ってユーリの補佐を開始する。まずは魔法でユーリの剣を強化して、反射速度を少しだけ上げる。そうすれば制御できない速さにはならずにちょと体が軽い程度だと思う。あくまで俺は、だから補償はできないけど。
ユーリはこちらに向かってくるヴァンパイアを迎え撃つつもりらしい。多少は前に出ると思うからその時に瞬発力を上げておけばいいかな?
「ぎゃっ」
すまん。やりすぎたみたいだ。魔法の威力が強すぎて制御出来てない。でも、剣刺さったからセーフ?だよね。
「すまん」
「犯人竜馬か!覚悟!」
そう言ってヴァンパイアに向かって走っていく。いや、突っ込んでいった。魔法を解除するのを忘れたから魔に見えるか見えないかのギリギリだった。
というか、俺に覚悟!とか言っておいてそっちに行くんかい。俺ちょっと身構えちゃったじゃん!
ドオオォォンと鈍い音がし、ユーリの叫び声は聞こえた。
「竜馬!酷い!なんでこれ解除してくれなかったの!」
「解除しなかったから倒せたじゃん。スピードも出てたし。あ、解除したからもう走って平気だよ」
俺はそう言ってから魔法を解除する。
「竜馬、2回目のあれはわざとでしょ?」
「半分わざとで半分忘れてた」
「竜馬、そういや魔物の魔石って今までのはどこにあるの?」
「ここの死体ごと詰まってる」
「‥‥…」
紗理奈もユーリも無言。いや、そう言うところはちゃんとしてるから。ちゃんと「アイテムボックス」に入ってるから。まあでもこれを除いたら無言にもなるよね。
魔物が溢れんばかりに詰まってるのは正直言って気持ち悪い。
「女の子にこんなの見せないの」
女の子だけどもっとグロいのとかキモいのとかいっぱい見てるでしょ?
「見せてなんて言ってない」
見せないとわからないと思ったの!
2人とも酷いよね?確かに見せてとは言われてないけど「アイテムボックス」って言っても通じないと思って見せてあげたのに……
「もういい、行くよ!」
俺がふと天井をなんとなく見上げた時俺は見てしまった。
「吸血鬼って人間の血を吸うんだって、だからさ、この子に血を飲ませてあげて、そうすれば◯ねるから。それから、次のボスは私の傑作だから頑張ってね。この迷宮は93層までだから次がラストだよ。この部屋で寝泊まりしたら寝込みを襲うから覚悟してね」
あのうざったるい喋り方ではなく今にも俺たちを殺しそうな脅しているような口調だった。今度は何が待っているのだろうか?
俺たちがいる階層は92ということは次が93層。俺たちは生きて帰れるのだろうか?
「今のうちに飯でも食っておくか」
「口調が一層悪くなったわね」
「そうですわね」
紗理奈と同じ喋り方で返事をしたら見事に「キモい」と言う呟きが帰ってきた。本人は聞こえていないと思っているのだろうけど、バリバリ聞こえてますから……
「じゃあ、行こうか」
ユーリが苦笑いしながらそう言ったので俺と紗理奈はついていく。
あの声はちゃんと元の口調に戻っていた。
93層、それは今まで魔物が全て出てきた。アリのように小さな生き物から象のように大きな生き物までそれぞれだった。中には見たことない魔物も沢山いた。
そしてラストスパート魔物の多い位置に入った。後もう少しでボス部屋……頑張らないと……
俺たちはあまりの魔物の多さに圧倒され、囲まれ続けていた為、倒す魔物の数が異常に多かった。そのせいでもう疲れ切っており、足や手、いろいろなところが切り傷まみれだった。それで、ボス部屋に近いモンスターエリアに突入してしまえばボスの部屋まで持つと言う保証はない。俺の魔力ももうそろそろ限界だし
俺たちが頑張ってボス部屋の前まで来た時、自動でドアが開き、中から威嚇でもするような声が聞こえた。そして後ろからは魔物が凄い勢いで走ってくる。早く中に……
俺たちが中に入った途端ドアは自動でしまった。そして、普段は真ん中まで行かないとぼすせんがはじまらはないはずなのに、もうボスは俺たちのことを見据えている。
こちらからボスの姿は見えない。そして特徴的な場所もわからない。
「くるぞ!」
俺はそう叫んだもののうまく体が動かなくて攻撃をモロに喰らってしまう。その時に少し見えたその姿。それは魔物をつなげたようなよくわからない生き物。そもそも生き物であるかも怪しいところだ。いや、こんなことは考えていられない。受け身を取らないと……
ドオオンと言う音の後に背中に鈍い痛みが走る。
「かはっ」
早く倒さないとといけないのに……俺は意識を失いかけている。もう頭が働かない、今自分の置かれている状況すら理解できないような頭で何をしろと言うのだろうか?
「竜馬!」
そう言って紗理奈が駆け寄ろうとした時、何かが飛んでいった。
「紗理奈、逃げろ!」
そう声にしようと思ったけれど、声が出なかった。声の代わりに出たのは血液。だめだね。もう俺は死ぬのかもしれない。俺のせいで紗理奈は……
「キャー、何?なにこれ……」
紗理奈、解読魔法をそう伝えたいのにそうすることができない。何も出来ない俺が恨めしい。
その時ふと浮かんだのは「通信」魔法だ。
俺は紗理奈に対して「通信」を使い俺の意志を伝える。
『解毒薬を飲め、俺のことは気にしないであいつを倒せ』
そんなの無理と言う声が聞こえたから倒せなかったら帰れない。紗理奈だけでも幸せになって。と伝えて置いた。
俺はとりあえず何かできないか。そしてこの魔物の弱点は何か?と言うことを探っていた。
紗理奈とユーリが攻撃するにつれ大体弱点はわかってきた。これなら魔法で倒せるかもしれない。
『下がって俺が攻撃する』
本当に最後の足掻きだ。俺がこれで仕留められなかったら俺たちは全滅する。紗理奈とユーリではまったくもってはがたっていなかったから。
「我が体に眠る闇の力よ。今蘇りたまえ」
「己の身を守る力を、仲間を守る力をこの手に!」
そう声に出して言い、炎属性の魔法を放つ。名前は、ない。だけど俺の中で最高の魔法!
その魔法を放つ。魔物がこれでいなくなってくれと思いながら放った。
大きな音と共に大きな悲鳴(魔物の)が聞こえる。
段々と遠ざかっていく、俺はもう限界……あとは任せたよ。
次話もよろしくお願いします。評価してくれると嬉しいです。




