104, 王族暗殺の打合せ
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虎の戦闘から3ヶ月経った。やっと集めていた情報が集まったため、作戦会議を行うことになった。例の事件は少しずつ動き始めていたものの完全に動いたと言うわけではない。だから取り敢えずステラの国王をぶちのめせばいいわけだ。
第一条件としてステラの王族が秘密裏に動いてないこと。情報の開示が行われていないことが条件だ。これについては確かめようがないので作戦を完全に実行してから気づくことだろう。
こればっかりは事前に対策できるものでもなく、どうしようもないこともだけど。
集合場所はどこにあるかよくわからない古びた小屋。これはどこにある小屋かわからない。気分によって集合場所は変わるらしく森の入り口にヒントがあるらしい。それを知ったとき俺はとんでもない人間に依頼してしまったのだと思った。俺は人間じゃないのでとんでもない人間と言っても何も言われないと思います。自分で言っちゃなんだけど。規格外すぎて人間じゃなくなってしまったので誰よりもかわいそうな人間ですね。
時間は深夜の0時、これはどの依頼者が依頼しても同じなのでそうだ。ちなみに情報は依頼した人間と俺で集めた。依頼人だけで集めた情報では無いのでご心配なく〜!
「じゃあ、行ってくるね」
俺は小声でそう言ってから窓から部屋を出る。
まだ外は暗く、月明かりが辺りを照らしている。街灯一つない貧乏な街、と言うわけではない。就寝の鐘が鳴った後は街灯が全て消えるようになっている。
「じゃあ早く行かないとだな」
俺は目的の森まで全力で走る。
森の小屋は全部で50個。この中から答えを出せた場合のみ依頼を受けてもらえると言う仕組み。依頼主はバカが大嫌いとか言う噂もあるが俺は人間ではないらしいので嫌いの対象にならないはず。
森の入り口に大きな紙、それは真っ黒だった。何も書いていない変な形に切られた紙、この形はこの森のブラックゾーンと呼ばれるところを指しているのだろう。ブラックゾーンにある小屋の数は21個、その中でもう壊れて使えない小屋が3つ。これはもう撤去されていると考えていいだろう。
ブラックゾーンの入り口にまた張り紙。崩れた瓦礫のところにバツ、木の家のところに丸が書かれている。ブラックゾーンの中から木の家の場所を一つずつ確認していく。すると小屋のある場所は綺麗に星の形になっている。俺は前に言われた謎の暗号を思い出す。
「北を向いて手前の右から5つ目」
と言うもの。これはこのことを指していたのか。と言うことは北はこっちで手前の右から5つとなると場所は一番遠くのところか。
俺は不安を募らせながらもその小屋の方向に向かって歩く。しばらく歩けば若干お洒落な木の家が見えて来た。ここであってるのだろうか?
「君かい?依頼主は?」
話しかけてきたのは黒のローブに黒のズボン黒のマスクに黒のフードを被った黒づくめさんだった。
「はい、竜馬と申します」
「私はククだ」
「ククさんよろしくお願いします」
「こう言う堅苦しいのは嫌いなんだよ。俺は挨拶が済んだから元の口調に戻すぜ。じゃあ、要件は王族でいいんだな」
「ああ、よろしく頼む」
「とりあえず中に入るぞ。話を聞かれてたら困る」
そう言って部屋に案内してくれた。
「ここが俺の別荘な。本当は公爵家の五男だったんだけどよ。暗殺に手を染めたからって公爵家で認知してくれなくなったんだ」
「それは大変ですね。俺の本名はアルフ・グラート。グラート家の長男です。まあ、色々あって冒険者として働いてます」
「お前さんも大変だな。俺は暗殺が上手いから名前も顔も知られてない唯一の暗殺者だ。今度はオフの時に会おうぜ。この依頼が終わったら食事にでも行こうぜ」
「いいんですか。俺は行きたいです!」
「俺も友達いないからな。一人くらいいてもいいものだ」
そう言ってさっきまで被っていたフードを脱いだ。お前は信用しているぞと言って。
「では、ステラの王族の暗殺の依頼をお願いします。俺は暗殺の助手でもなんでもするんでついて行ってもいいですか?色々あって情報を持って帰らなくてはならないので……」
「それはお前の実力次第だ。外で実力を測るからこの剣を持って出てこい。着替えるなら着替えてこいよ」
そう言って玄関から出て行ってしまう。俺は渡された木剣を持って外に出る。着替える必要はないのでそのまま外のに出る。
「じゃあ、まずは素振りからやてみろ。貴族だからある程度はできるだろ」
「わかりました」
俺はそう言って3種類の素振りをやる。俺が前世でよく伸びたからこの方法で素振りはやっている。実戦でも取り入れやすいように全てがつながっている。これは敵に向けて行うだけで勝手に敵が倒れてくれる裏技。それを見たククの第一声は「お前強いじゃねえか」だった。
その次にやらされたのは模擬戦実際の戦闘でどれだけ戦えるかを確かめる為だろう。
「もう終わりでいいよ。お前、相当実践してるだろ。結構慣れてる感がすごい。それに俺が剣の使い方を少しでも変えるとそれにお前も剣技を変えていただろ。俺の助手に欲しいくらいだ。お前は合格連れて行くよ」
「ありがとうございます」
「貴族ってすごいなこんなちっさいのにこんなことできるんだな。俺が暗殺に手を染め始めたのなんて10歳だぜ。同じ貴族でも才能は大事ってことか」
「ククさんもすごいと思う。俺はただ才能に恵まれただけ。10歳でそこまで考えて行動できるんだからすごいよ。普通の子供だったら喧嘩でも殺しをしてたかもしれない」
「それはそうかもな。それとククでいいぞ。俺はヤンチャだったが切り替えだけはしてたもんな。それなのに捨てられた。と言うか暗殺してるのがバレなければよかっただけの話か」
「それでも顔はバレていないと。実家にはどんな脅しをかけてるんですか?普通だったら暗殺者ですと言って差し出してるところでしょう?」
「家の名前のためだろうな。変な汚名がつかないように親父は相当気を使ってたみたいだったし」
こんな話を一通りした後は魔物を相手に戦った。
「虫は無視しろ!」
「えっと……ちっさいのだけじゃなくて大きいのも?」
「そうだ。虫だと思ったやつは無視しろ」
「了解」
魔物は全部で3728匹狩った。これは1時間での成果だ。2人で協力して倒したらこんなにいっぱい狩れた。
「お前の実力は十分。対人戦も、魔物戦も延長戦も……ごーかくな」
そう言ってククは笑った。
「ありがとう、クク」
「依頼の話はぶっつけ本番ってわけに行かないから毎日ここ集合な。小屋の位置は変えないからここに来い。今日は遅いから子供は帰って早く寝るんだ」
「わかりました!」
「宿題を出しておく。これはみんなできないが、魔法以外で遠距離の攻撃ができるものがあったら持ってきて欲しい。できればでいい。魔法を派手にぶちかましたら暗殺じゃなくなっちまうんだ」
「はい、あるので持ってきますね」
俺はそう答えて家に帰った。飛び道具俺が持っているのは自作の弓、ろくに飛ばないが作った中ではマシなのが残っている。素材をもっと高価なのにして作り替えてもいいかもしれない。この調子だとしばらくは家庭教師と会わなそうだな。
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