手紙
ログインありがとうございます。少なくてすみません。明後日からはもっと長く描けるように頑張ります。
彼の書いた手紙……これはこの世に唯一残った手紙の内容です。
あなたがこの手紙を読んでいる時、もう僕はこの世にいないと思います。僕は神という存在になる事を決めました。愚かな僕は陛下や国民の期待にそう事ができていたでしょうか?僕は恥ずかしながら苦しみから逃げ続けてきました。今までの行いも全て両親への償いです。僕は知っての通り平民生まれです。僕の両親は僕を引き取りたいと言っている孤児院の院長を断っていました。なんの目的でそんなことを言っていたかはわかりませんが、両親は僕を手放す気がないと言っていたそうです。そのせいで僕の両親は殺された。あの時はこの話を知らなかった、だけど僕が行くだけでお父様、お母様、そして俺の兄弟となるはずだったお腹の中にいた赤子、三人の命は助かったのです。そう思うと後悔が残ってしまっています。何度も君のせいではない。そう言ってもらいました。でも僕には自分のせいだという考えが抜けなかった。だからこそ自分の心を保てなくなっている。あるとき気づいてしまったのです。自分の生きている意味とは?僕がどれだけ頑張っても貧しい人間はいなくなりませんでした。親から体罰を受けている子供や身寄りのない子供もです。
話は変わりますが、自分はこの世に必要なのか?という疑問を抱えてしまった時点でもう後戻りできない状況でした。国民や貴族が安心するためにいる。では僕がいなくなった後はどうするのだろう、とそう言い聞かせたこともありました。でも結果は変わらないのです。僕が生きる意味も僕の体がこの世にあり続けることも、意味がない。だって僕以外にも英雄と呼ぶべき人がたくさんいるから。
期待やできて当たり前という視線はもう耐えられそうにありません。それで瞳に光が宿らなくなりました。皆さんには隠していました。心配をかけてはいけないと。気絶して発動した魔術が破れてしまったのでしょう。それに気づかなかった僕も悪いですが、心配をかけましたね。
この時は本当にどうして良いか分かりませんでした。ただただ戦いに身を投じること以外に現実を見ずに済む方法がなかったのです。
だからあんな反抗的な態度をとりました。ごめんなさい。あの時の僕は本当に心に余裕がなくてどうすることもできませんでした。自分が自分じゃないみたいで気持ち悪かったです。
そして最後もこんな別れの仕方になってしまいすみませんでした。ちゃんと話したかったのですが、話さない方が自分のためだと言われました。なのでこの形でのご挨拶とさせて頂きます。
そして最後に言わせてください。
僕はこの世界をずっと見守っています。なのでどうか僕がいなくなった世界でものびのびと過ごしてください。僕は僕で頑張ります。
今まで本当にありがとうございました。
この手紙を読んだら誰もが泣きました。そして後悔しました。彼に期待は重荷そしてあたりまえは当たり前ではないのだと。
次話もよろしくお願いします。評価して頂けると嬉しいです。




