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コロナウィルスに世界が弄ばれた2021年も終わる。
緊急事態宣言が発令され、外出制限で学校さえまともに通えなかった日々も、今となっては遠い日の出来事のような気がする。街に人が戻り、外食の自由も回復した。年末年始の帰省も去年みたいに新幹線がガラガラなんてことはないようだ。けれど、外出時のマスク姿は当たり前だし、オミクロン株がじわじわ広がる中で、緊張感が解けないことも事実。もう随分慣れてしまったものの、異常事態であることに間違いはない。
30日、日本の株式市場も今年の取引を終えた。最終日は薄商いの中、下げて終わった。けれど、一年を通してみると、市場は日本も世界も記録づくめの活況だった。
なのに、あたしの結果は。
12月30日現在、あたしのポートフォリオ。
・1357 日経平均ダブルインバース 1,000株 12月8日購入 買値388円、現在385円、評価額385,000円、含み益▲3,000円
・3964 オークネット 200株 8月13日購入 買値1,779円、現在1,676円、評価額335,200円、含み益▲20,600円
・7453 良品計画 200株 8月16日購入 買値2,301円、現在1,754円、評価額350,800円、含み益▲109,400円
・現金 813,531円
・評価額計 1,884,531円、含み益▲115,469円、含み益率▲5.8%
この騰勢の中で、含み損を抱えるあたし。なにやってるんだろ。こんなことなら、個別株など投資しなくとも、市場全体を満遍なく買えるETFを、毎月毎月一定額、積立投資していた方がよっぽど良かった。
安く買って、高く売る、それが株式投資の基本。
でも、今の株価が高いのか安いのかを知らなければ、安く買うことも、高く売ることもできない。
だから、今の株価の指標から、利益は伸び続けているのか、人気はあるのかを確認する。
利益が伸び続けているのに、まだ人気のない会社が買いの候補。調べてみて、これからも利益が伸び続けると判断できれば買い。
けれど。
そこに貴重な時間をかけて、満足な結果が得られないのなら、市場全体を一定額ずつ継続的に買い続けてゆくという地道で単純なことを繰り返した方がいいのかもしれない。そして時間はもっと別の、自分を磨くために使う。個別株投資という半ばギャンブルに時間を割くのではなく。でも。
「あたし? 儲けなんて二の次だよ、今はね」
マリノさんはそう言った。
「どんな会社が伸びるのか、世の中の動きのなにがきっかけになるのか、なにを見ればいいのか、そこが知りたい」
「この部に入るまで、会計のことなんて全然知らなかったし、なんの興味もなかったけど、決算書がいろんなことを教えてくれることが分かった。そんなの、ETFを機械的に買ってるだけじゃわかんない。今のうちに、投資ってなんなのかを知っておきたいの」
いい会社なんて、そうそう見つからないですね。そうため息をついたあたしに顧問は言った。
「そりゃそうです。株式投資をしてる人は世界中にゴマンといて、これを事業としている会社も数え切れないぐらいあります。たくさんの目が虎視眈々と儲けを狙っているのです。そう簡単に見つかるものではありません」
「でもね、株式市場とは面白いもので、個々の企業の本質とは関係ないところで簡単に株価が上下します」
本質とは関係ないところで?
「例えば、2020年3月はコロナウィルスで世界が大変なことになると言われて、株式市場は暴落しました。自由に移動もできない不安だらけの世の中で、多くの人が現金の確保に走ったのです。日経平均で言えば1月に24,000円ほどだったのが、3月には16,500円近くまで下げました。コロナで大変になる企業の株価が下がるのは仕方ないにしても、コロナとは関係ない企業まで下がるのは本質とは関係ないところで株価が上下する典型です。株式を安く買うチャンスとはこういう時です」
顧問はそう言って、「ちょっと今の市場を考えてみましょうか」と言った。
「このところ日経平均は下がり気味ですね。中国で不動産債務の問題があったり、アメリカでコロナ対策のために拡大した財政を縮小しようとしたり、台湾を巡る緊張が高まったりと、不安要素には事欠きません」
「株価が暴落するかは誰にもわからないですが、暴落したときに備えておくことは大切です。することはふたつ。暴落したときに買う銘柄と買値を決めておくこと、それから、買うための軍資金を持っておくことです」
「市場全体が暴落するときは、利益が増えて人気も高い株も下がります。そんな時でなければ買えないバーゲン価格で取引されます。だから、暴落したときには、いつも人気があってPERが高い株を買うチャンスなんですよ」
とりあえずは始めた部活。三年間はやりきる。どんな結果になっても。それであたしに個別株投資の才能がないとわかれば、それはそれでひとつの進歩だ。四季報チェック。
・4495 アイキューブドシステムズ
・4496 コマースOneホールディングス
・4519 中外製薬
・4540 ツムラ
・4578 大塚ホールディングス
・4626 太陽ホールディングス
・4739 伊藤忠テクノソリューションズ
・4764 Nexus Bank
・4933 I-ne
・4934 プレミアアンチエイジング
・4936 アクシージア
・4980 デクセリアルズ
・4985 アース製薬
・4999 セメダイン
・5698 エンビプロ・ホールディングス
・5759 日本電解
・6070 キャリアリンク
・6268 ナブテスコ
・6556 ウェルビー
・6586 マキタ
・6622 ダイヘン
・6630 ヤーマン
・6652 IDEC
・6676 メルコホールディングス
・6752 パナソニック
・6757 OSGコーポレーション
・6758 ソニーグループ
・6777 santec
・6929 日本セラミック
・6941 山一電機
・7164 全国保証
・7177 GMOフィナンシャルホールディングス
・7564 ワークマン
・7599 IDOM
・7643 ダイイチ
・7705 ジーエルサイエンス
・7716 ナカニシ
・7730 マニー
・7733 オリンパス
・7744 ノーリツ鋼機
・7745 エー・アンド・デイ
・7760 IMV
・7818 トランザクション
・7826 フルヤ金属
・7905 大建工業
・7917 藤森工業
・7944 ローランド
・8279 ヤオコー
・8316 三井住友フィナンシャルグループ
・9029 ヒガシトゥエンティワン
・9101 日本郵船
・9145 ビーイングホールディングス
・9375 近鉄エクスプレス
・9381 エーアイテイー
・9450 ファイバーゲート
・9467 アルファポリス
・9621 建設技術研究所
・9697 カプコン
・9715 トランスコスモス
・9739 NSW
・9843 ニトリホールディングス
・9873 日本KFCホールディングス
・9882 イエローハット
お正月はチェックした銘柄の中身を見る。量があって、大変だけど。