やっぱり野球
とうとう始まった。
ワールドベースボールクラシック。
野球の世界一を決める大会。
ダルビッシュ有、大谷翔平、榎田達治、佐々木朗希、吉田正尚、山本由伸、村上宗隆、近藤健介・・・
綺羅、星の如き面々による日本代表はやっぱり凄かった。
大谷翔平がいきなり二刀流でバッタバッタと三振を奪い、低めの難しいタマを外野フェンス直撃の二点タイムリーにしたり。
たっちゃんこと榎田達治、米国名 ラーズ・ヌートバーが、いきなりヒットを打って打線に勢いをつけたり、アグレッシブな守備で相手の安打をなきものにしたり。
もう、盛り上がる、盛り上がる。
「試合運びがいいわよね」とはカレン。
だって。
序盤は先制許したり、ここってとこでチャンス潰したり、ハラハラドキドキさせといて、そこから打つわ打つわでしょう。
「あれ、最初から一方的だったら、ここまで盛り上がらなかったと思う」
これからドラマも起こるんじゃないかしら。
ドラマ?
「調子が上がらなくて、苦しんでる選手が何人かいるじゃない。そんな選手が、これから先、復活したらどう? もうみんな、涙涙になると思う」
そうなると思う?
カレンはふっと笑った。
「株式投資やってるとね、そうなるようにしか思えない」
どーゆーこと?
「目先の調子の良し悪しだけなら違う判断もあったと思う」
でも、そこで諦めたら、もうその選手はずっと使えなくなるわけでしょう。
「いいと思って買ったのに株価が上がってくれない、でもそこで売ってしまったらっていうのと同じことだと思うの」
で、売らなかったら、どう?
「化ける?」
「じゃなくって、本当の姿を見せてくれるようになるの」
カレンはそう言って、楽しそうに笑った。
「もお、サイコー! カンペキー!」
ひろこはネットで大谷翔平ばっかり見てる。
「こんなのがいるなんて! 同じ時代にいるなんて!」
あー、同じ空気を吸いたい! 同じ時間を過ごしたい!
もー、わかったからって。
「エスコートキッズっていうの? あれ、代わってくれる子いないかなあ。翔平くんと手つないで走れるんでしょ。あたし、もう絶対つないだ手を離さない。ずっと目を見続けてあげる」
それ、はた迷惑なだけっしょ。
「もう大谷グッズ買ったの?」とカレン。
「それがどっこも売ってないんですよ」
「あー、なんか並んでるわよね」
「そーなんですよ。でも、ばっかじゃないのって思いません?」
ひろこは息巻いた。
「なんでグッズがどこもかしこも売り切れ売り切れなんですか。もっとじゃんじゃん作りゃあいいじゃないですか」
大谷翔平の背番号16のレプリカユニフォームがどうしても欲しい、今すぐ欲しい
そればっか繰り返すひろこを見ながら、カレンが一言。
「地団駄踏んでるんだろうな」
販売会社は。
野球人気が落ちてる
と言われて久しい。
サッカー人気に押されて、野球する子どもの数もどんどん減っているとよく言われるし、高校野球の出場校も年々減る一方だ。
野球やソフトボールをしたこともない子もいて、ボールの投げ方さえわかっていない子もいたりする。
きっと、そんなことが頭にあって、グッズの販売会社は商品があまり売れないだろうと考えたのか。
「する人は減ってるかもだけど、観る人が減ってるわけじゃないのにね」
甲子園の高校野球入場者数はコロナ前までコンスタントに80万人を超えていたし、100回大会は100万人以上が集まった。
プロ野球だって、テレビの視聴率は芳しくないかもしれないけど、球場の観客数は増えている。
「大谷翔平の二刀流があれだけ話題なって、CMにもバンバン出てて、凱旋してくるんでしょ。誰だって見たいわよね」
それに。
「野球どうこうより、あのルックスとあの性格でしょ、女が黙ってるわけないのに。なこと、ちょっと考えればわかるはずだけど」
誰が誰を見たいのかを考えたとき、今までの大会とは違うと見切れなかった
ということなんだろう。
あたしは、わけ知り顔して過去の実績値と比べて、あーだこーだ文句ばっかり並べるオッサンの姿が目に浮かぶようだった。
3月10日現在、あたしのポートフォリオ
・1357 日経平均ダブルインバース 1,000株 2021年12月8日購入 買値388円、現在331円、評価額331,000円、含み益▲57,000円
・2588 プレミアムウォーターホールディングス 100株 2022年5月2日購入 買値2,370円、現在2,637円、評価額263,700円、含み益26,700円
・3695 GMOリサーチ 200株 2022年8月3日等購入 買値3,695円、現在3,200円、評価額640,000円、含み益▲99,000円
・4380 Mマート 1,000株 2022年4月18日等購入 買値853円、現在1,454円、評価額1,454,000円、含み益601,000円
・4971 メック 100株 2022年10月20日購入 買値2,315円、現在2,285円、評価額228,500円、含み益▲3,000円
・6777 santec 100株 2022年5月2日購入 買値1,220円、現在2,635円、評価額263,500円、含み益141,500円
・7808 シー・エス・ランバー 100株 2022年4月18日購入 買値3,470円、現在2,962円、評価額296,200円、含み益▲50,800円
・現金 79,469円
・評価額計 3,556,369円、含み益556,369円 含み益率18.5%
メックから配当金が来た。単純に嬉しいけど、部活で配当金を手にできるのも、あと何度かと考えると、ちょっと寂しいような感もある。
その配当金について、プレミアムウォーターホールディングスから大きな発表があった。
今期配当金を従来の22円から60円に増額。
これを受けて、株価は大きく上がった。
これまで増収増益を続けながら、上がりすぎた株価の調整でずっと下がり続けていただけに、ようやく転機を迎えたのかも。PERは18倍ほどだけど、EPSの伸び22倍に比べれば低く、株価は割安感がある。販管費率が大きく、そこを減らせば利益を出すのは容易なだけに、いよいよここからの期待感が高まる。
あたしの部活も残り半年。
ドッカーンと何倍にもなってくれれば嬉しいな。
ま、でも、今は日本代表、侍ジャパンに頑張って、優勝してほしい。株見てる場合じゃない。