ウクライナ侵攻一年
ロシアがウクライナに攻め込んでから丸一年。
プーチン大統領は、西側が戦争を始めたと言った。
いけしゃあしゃあと、どの口が言うのかと思う。そんなこと誰がまともに聞く?
「NATOがどんどん東へ東へ拡大したことを言ってるんですよ」
とメガネくん。
ウクライナまでもがNATOに加入すれば、ロシアはNATOと直接、国境を接することになる。そんなことになれば、ロシアの安全保障に重大な危機が訪れる。ウクライナがNATOに加入するような政権を認めることができない。だから、そうなる前にウクライナの現政権を潰してしまいたかった。
「プーチンにはプーチンなりの正義があった、ってことなんじゃないっすか」
でも、そもそもなぜウクライナはNATOに加盟しようとしていた?
ウクライナばかりではない。かつて東側に属していた東欧の多くの国々が今やNATOに加盟もしくは加盟に向けた手続きに入っている。なぜ?
「そりゃロシアより西側の方がいいと思うからでしょう」
もともとソビエト連邦の一国だったウクライナ。ずっとロシア寄りだった国が離脱しようとするのは、ひとことで言えばロシアに魅力がないから。
「人気のない芸人が、人気ある芸人のファンになろうとする客に、向こうに行ったら許さんからなと言ってるみたいなもんじゃないっすか」
メガネくんはそう言って乾いた笑い方をした。
「そんなこと言う前に、もっと芸を磨けって言いたくなるわよね」
「そこでは逆立ちしたって勝ち目ないとわかってるんすよ、きっと。人間、勝ち目のあるところでは絶対に頑張りますもん。そこで勝負しようとしないのは、勝てないことわかってるからに決まってますって」
メガネくんはそうも言ったが、ちょっと違和感があった。
「芸って、なにかしら?」カレンが口をはさんだ。
「ロシアの科学技術とか言ってる?」
メガネくんは笑った。
「あー、どうですかね。やっぱ、思想のほうでしょ」
「思想?」
「多様性を認めるのか、ある価値観で統制しようとするのか」
「ある価値観にそぐわないことまで認められない、そんなことすれば社会が混乱するから・・・」
「って指導者は言ってるんでしょうけど、科学技術が発展する中で価値観変わったり、発想の転換が必要だったりするのに、そもそもが矛盾してるんだっつーの」
って思いますけど、と言って、メガネくんは面倒くさそうに頭をボリボリと掻いた。
「でも、多様性って、難しいわよね。極端な話、人を殺してもいいって考えまで認めるわけにはゆかないわけだから」
「そこはみんなでルールを決めるってことで解決しますよね」
「・・・そう、そうね。確かに」
カレンはふっと笑った。
ウクライナを巡っては、アメリカのバイデン大統領が電撃的にキーウを訪問した。国連ではロシア非難が決議された。ポーランドから世界最強の戦車の第一陣が届けられた。
日本の国会では、植田さんが新しい日銀総裁候補として所信表明演説した。
金融緩和政策は続けるという。
総裁変更による急激な政策変更はないことが示され、株価は上がった。
「長短金利操作の副作用は否定できない」
と言ったことが、とても重要だと思いますよと、顧問は言った。
「いきなりではなくても、方向性として無理に抑えた長期金利を修正すると言っていますから、いずれ長期金利は市場の流れに沿った形に戻ると考えるのが自然だと思います」
金曜日の日経平均株価は、この所信表明を受けて、上がった。
緩和継続が好感されたとの見立てだ。
一方で銀行株は下がった。
「長短金利操作の修正をするっていうんだから、銀行株は上がるはずじゃないの?」
三井住友フィナンシャルグループ株をもつひろこは不満顔だ。
「目先の動きなんてどうでもいいんじゃない?」
カレンが笑うと、「そりゃそうですけど」
もっとも、植田新総裁がああ言った以上、貸出金利は上がりそうだ。銀行にとっては増益要因になる。
「住宅ローンにも関係する?」
ひろこの素直な質問に
「変動金利に関係はないでしょうね」と顧問。
「ただ、来年、再来年になればわからない。固定金利はその前に上がるでしょうから、借り換え需要が増えるかもしれませんね」
「金利が上がれば、借りてる人は大変ですね」
「不動産価格が下がる可能性はありますね」
てことは。キャッシュをもつ企業にとっては、不動産を安く仕入れるチャンスが生まれるってことか。
期末試験が近づいている。
新規投資先の検討は試験が終わってからきちんとすることにしよう。
2月24日現在、あたしのポートフォリオ
・1357 日経平均ダブルインバース 1,000株 2021年12月8日購入 買値388円、現在349円、評価額349,000円、含み益▲39,000円
・2588 プレミアムウォーターホールディングス 100株 2022年5月2日購入 買値2,370円、現在2,563円、評価額256,300円、含み益19,300円
・3695 GMOリサーチ 100株 2022年8月3日購入 買値4,330円、現在3,045円、評価額304,500円、含み益▲128,500円
・4380 Mマート 1,000株 2022年4月18日等購入 買値853円、現在1,345円、評価額1,345,000円、含み益492,000円
・4971 メック 100株 2022年10月20日購入 買値2,315円、現在2,170円、評価額217,000円、含み益▲14,500円
・6777 santec 100株 2022年5月2日購入 買値1,220円、現在2,561円、評価額256,100円、含み益134,100円
・7808 シー・エス・ランバー 100株 2022年4月18日購入 買値3,470円、現在2,871円、評価額287,100円、含み益▲59,900円
・現金 383,476円
・評価額計 3,398,476円、含み益398,476円 含み益率11.3%