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一人暮らしの私と2本の歯ブラシ

作者: 高梨辣油

 彼女の家の洗面台には、歯ブラシが2本立ててある。彼女が使うのはいつも左の歯ブラシで、右の歯ブラシには別の使用者がいる。彼女とその使用者は仲がいいし、互いに互いのことを凡そ全て、内面から外見まで全てを知っていた。逆も然りである。歯ブラシは左から緑色、赤色で、メーカーもやわらかさも全て別である。彼女は赤色の歯ブラシを使う彼女を見たことはなかった。それでも、毎日その歯ブラシが濡れていることで、先ほどここを使った彼女の存在を確認していた。たまに洗面台に殺風景なメモ用紙に今日の愚痴を書き置きされた次の日には、ちょっとした慰めの言葉が記されている。そしてその日の夜、洗面台にはそのお礼にとコンビニで買えるプリンが置かれていたりした。ある日の朝7時、彼女は忙しそうに歯を磨いた。それでも、また2時間後に使われる洗面台の掃除を欠かすことはしなかった。だが、日が暮れるまで赤色の歯ブラシが濡れることはなかった。

なんでもいいので評価とか頂けるとそういうのに飢えている私が喜びます。

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