表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠り姫  作者: abyss
2/9

Since2021-2


【どこからやり直したら

この結末を回避できるのだろう】


あれから僕はそればかりを考える。


たられば論は大嫌いなはずなのに、人形のような彼女の姿を目に写す度、あの時こうしていたら、あそこでこう言っていたらと、無数のたらればが浮かんでくるのだ。


彼女の指先に落ちた水滴を拭い、頭の中の邪念を無理矢理閉じ込めた僕は、いつものように彼女に話しかける。


「最近来れなくてごめんね、仕事を目一杯入れてもらったらさ、自分の時間まで削がれちゃって。でも、どうしても舞香不足で。ふふっ。寳井さんに無理言って2時間だけ時間作ってもらって。」


彼女の冷たい手を軽く揉みほぐしながら、僕は話を続ける。


「来月から遠くでね映画の撮りなんだ。流行りの"タイムリープもの"でさ、ヒロインの相手役。時間を遡ってバッドエンドをハッピーエンドにするみたいな‥‥‥そんな‥」


話している途中で、何とも言えない自虐的な笑みが零れた。



「僕たちも時間を遡れればいいのにね‥」



呟いた言葉にもちろん返答はない。


「時間を巻き戻してさ、今までしてきたこと1つ1つ、真逆の行動をするの‥‥そしたらさ、こんな‥こんな事にはならないんじゃないかなっ‥‥‥」


触れていた手にギュッと力が入った。



「僕たちにも違う未来があるんじゃないかなっ‥‥」



わかっているんだ。

僕は人一倍、現実主義者だから

そんな奇跡は空想だって。


わかってるんだ。

現実から目を背けたって、

君が目を覚ますわけじゃない。


「‥‥‥‥‥なんてね。冗談。ふふっ少し役作りしすぎたかな。迫真の演技だったでしょ?」


君の前では冷静を取り繕えなくて、

不安定になる無様な自分が大嫌いだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ