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群青と灰色のサピエンティア  作者: Sy
槍の王 第2部
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第5章 聖地、ガルガーノ

聖都から北西に3日程旅すると、大天使ミカエルをまつる聖堂がある。そこが聖地ガルガーノだ。大天使ミカエルの試練は、この聖堂のチャペルの中央にある地下への入り口から始まる。ここから地下の契約の儀式へ通じる聖所サンクチュアリまで、魔物モンスター闊歩かっぽする迷宮ダンジョンとなっているのだ。


ガルガーノで中央聖教会の関所を通過した一同はいよいよ聖堂まで辿り着いていた。


「いよいよだな。」


アスラは無骨ぶこつな武装をしているが、武器が見当たらない。だが、それをとがめる者は誰もいなかった。他の3人は神学校の実技演習用の法衣をまとっている他は、それぞれに思い思いの格好をしている。中でも目を引くのはエウロギウスが腰に欠けている両刃の直剣だ。後衛役のガブリエルはもしもの時の薬草や食料等を入れた荷物を後ろに抱えている。


「俺がいる限りは、誰も死なせない。」


そう言ってエウロギウスはアスラと共に先陣を切り、聖所サンクチュアリへ繋がる階段を降りだした。


「まあまあ、気楽に行こうよ。エウロが契約の儀式を無事終えることが目標なんだからさ。」


と後方からアキレスとガブリエルが続く。


階段途中に低級の魔物モンスターに遭遇したが、アスラの手によってあっさりと倒されてしまう。どうやらアスラはその身体的特徴を生かし、爪や牙での戦闘が得意の様だ。


迷宮ダンジョンに入ると、聖所サンクチュアリに近づくと思われる距離に比例して、魔物モンスターのレベルも上がっていく。案の定、泥人形ゴーレムが数体現れた。


『天空神ヴェルーネよ、我は闘神阿修羅の末裔。敵対者にこの爪を、この牙に天啓を。』


アスラが奇妙な異国の詠唱を終えると、その爪と牙が鋼鉄の様な黒い金属で覆われ、加えて体毛が通常よりも長く逆立つ。まるでその姿は鎧を着た巨大な狼の様だ。


アキレスが戦闘そっちのけで興味津々でアスラを見つめる。


「アスラ、学校へ戻ったら僕の研究所へ来てもらえないかな?」


そう言いながらアキレスの黙示録の力も地下に轟く。十字を胸の上に描きながら詠唱を無視し、そのまま閃光を放つ。


「なんだよ、気持ちわりーな。お前のモルモットになる気は無いぜ。」


2人の会話が終わらないうちに、見事に泥人形ゴーレムは倒されていた。ガブリエルが目をキラキラさせてアキレスの戦闘の様子を伺っている。


「すごいな…圧倒的だ。いつの間にこんな力を…」


思わずエウロギウスが感嘆の声を上げるが、アキレスには聞こえていない様だ。


「アスラ、でも交換留学に応じたのは何故だい?君の力はきっと聖都だと異端になってしまうと思うんだけど。」


「うっせえな!色々あんだよ!」


と見識への興味に貪欲なアキレスをアスラが鬱陶うっとおしそうに避ける。


しばらくすると、一同は最下層まで辿り着いた。そこは大理石で覆われた小さな球状の空間となっていて、天井と床の間には湧水が流れている。前方にはさらに奥へ続く洞穴が見えた。思いの外すんなりと迷宮ダンジョン攻略が進むことにエウロギウスは少々拍子抜けだった。


「ここだな。」


「ああ、この奥みたいだね。大天使ミカエルの聖所サンクチュアリ。結構簡単だったけれど…」


とアスラとアキレスが残念そうに呟く。


すると突然その大理石の部屋に滝を打ち付ける様な轟音が響いた。一瞬で空気が変化し、吸い込む酸素が重たく感じられる。エウロギウスには、空間すら歪んでいる様に見えた。


「なんだ!?」


そして一同の前に何者かが出現した。

遂にダンジョンもの!と、やっとラノベっぽい章を初めて書けた気がする…涙。なのに短いっ!もう最下層?と突っ込まれそうですが、ここまで読んでもらえてとても嬉しいです。続きも読んで頂ければ幸いです。

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